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シスコシステムズ、中小・中堅企業向け事業の強化と中小企業向けソリューション“Cisco SMB Class Solutions”を発表

2004年06月16日 22時35分更新

文● 編集部 内田泰仁

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シスコシステムズ(株)は16日、従業員数20~1000人の中小・中堅企業向けの事業を強化し、この施策の第1弾製品として、中小企業に最適化した同社製品をバンドル化するなどしたソリューション“Cisco SMB Class Solutions”を発表した。同日に開催された記者説明会では、今回の発表に関連する同社パートナー企業として、ソフトバンクBB(株)およびダイワボウ情報システム(株)の代表者も出席し、3社の中小・中堅企業向け事業戦略などを解説した。

米シスコシステムズ社では全世界的な製品戦略として、従業員数20人~300人クラスの中小企業(SMB、Small & Medium Business)に向けたソリューション“Cisco SMB Class Solutions”に対し、今後2年間にわたって20億ドル(約2200億円)の投資を行なうという(米国にて4月22日に発表)。今回の同社による発表はこの世界戦略の一環で、中小・中堅企業向けの事業を強化し、中小・中堅企業が必要とするソリューションの提供を行なっていくとしている。

この強化策における第1弾製品“Cisco SMB Class Solutions”は、中小企業向けとなるソリューション。同製品は大きく以下の4つのカテゴリーから構成される。

“アプリケーション(バンドル)”
中小企業の生産性向上に向け、複数の同社製品をバンドルし、特別価格で提供
“ファイナンス”
IT投資のための資金調達に関する問題点を解決するファイナンスサービス
“トレーニング”
中小企業のIT投資を支援するためのトレーニング
“サービス”
中小企業のIT投資を保護するサービスおよびサポート

これらは7月より順次同社パートナー企業と連携して提供されるとしているが、現段階では具体的な内容の詳細は発表されていない。また、価格については、顧客の要望や規模に対応してメニューや価格を設定していくため、標準的な価格は特に定まっていないという。なお、従業員数300~1000人クラスの中堅企業に向けたソリューションについては、今後最適化したものを提供する予定だとしている。

シスコシステムズ代表取締役社長の黒澤保樹氏

同社代表取締役社長の黒澤保樹氏によると、従来より同社は大企業や通信事業者といった顧客を中心としているが、ブロードバンドの普及などでルーター、スイッチ製品の需要が中小・中堅企業でも高まってきた3年ほど前より、中小・中堅企業向けの事業の強化を進めており、現在の事業規模は全体の20%弱に上昇してきているという。日本の景気は現在回復傾向にあるものの、全体としては大企業と中央の企業ほど好調で、中小・中堅企業や地方企業は厳しい状況にあるという。また、中小・中堅企業からの要望として、幅広い情報の提供、IT投資における資金的な援助、IT導入における技術的な援助の3点が挙がっていることも踏まえ、今回の事業強化の方針を打ち出したとしている。

同社の製品戦略としては、従来からのルーター、スイッチ製品を中心としたものから、これらに加えて“新しいネットワークの使い方”を提案するような製品の強化を進めているという。この中で、中小・中堅企業から引き合いの強いジャンルとして黒澤氏はIPテレフォニー製品を挙げているが、「やり方がわからない、技術者がいない、という中小・中堅企業が多い」(黒澤氏)という声が多いことから、“Cisco SMB Class Solutions”でもIPテレフォニー製品をバンドルした製品を提供するという。

発表会に同席したパートナー企業のソフトバンクBBとダイワボウ情報システムからは、同社と連携した“Cisco SMB Class Solutions”の提供についての基本戦略の説明が行なわれた。

ソフトバンクBBの流通営業本部副本部長、鈴木茂男氏

ソフトバンクBBの流通営業本部副本部長の鈴木茂男氏は、今回のシスコシステムズの発表について「(中小・中堅企業向け製品の)市場を活性化させると期待している」とし、ソフトバンクBBの基本戦略としては、

プロダクトの提供
中小・中堅企業において顕著に導入の遅れが見られる、ネットワーク化およびセキュリティー対策に関する製品の供給を行なう。これは、シスコシステムズの競合製品を排他的に扱うことを目的とせず、中小・中堅企業市場の拡大を目指し、2社共同で相乗効果を創出することを目的とする
トレーニングおよびサービスの提供
2社共同でITトレーニングの拡充を推進し、中小・中堅企業に受け入れられるサポート体制を構築。簡単な導入、適正なコストで実現可能なセキュリティーパッケージ製品も合わせて用意し、市場のニーズに応える

という2点を軸とするとしている。

ダイワボウ情報システムの販売推進本部シスコグループマネージャー、西田善紀氏

一方、ダイワボウ情報システムの販売推進本部シスコグループマネージャーの西田善紀氏は、今回のシスコの強化策発表を契機に「シスコとの連携をさらに深め、中小・中堅企業向け市場に対して、ダイワボウ情報システムが提供するソリューションを切り口に、さらなる市場開拓をしていく」と述べた。ソリューション製品としては、

  • 小規模IPテレフォニーソリューション(ルーター、スイッチ、IP電話機器の一括導入)
  • 業種を選ばずにカスタムして提供可能なワイヤレスソリューションと導入前の電波調査サービス
  • 上記2点に伴うファイヤーウォール、VPNなどのセキュリティーソリューション

の3点を提供していくとしている。

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