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高機能サーバの管理をWebブラウザで行うSun Cobalt後継ソリューション登場!

2004年06月08日 05時54分更新

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BlueNetシリーズは、静音設計のキューブ型PCとラック型サーバに「Turbolinux Appliance Server 1.0」を搭載したオールインワンサーバだ。多機能でありながら導入から管理・運用までをWebブラウザ上で簡単に行うことができる。バーチャルドメインに対応したモデルは、ホスティング事業者やISPでの利用にも適している。



プロサイドがリリースしたBlueNetシリーズは、1Uミニラック型(BlueNet 100/200/300)と静音キューブPC型 (BlueNet 50)の合わせて4機種。BlueNet 50/100には「Turbolinux Appliance Server 1.0 Workgroup Edition」(以下TLAS WE)を、 BlueNet 200/300には「同 Hosting Edition」(以下TLAS HE)を搭載した。

写真1 LCDパネル
写真1 LCD パネル パネルの右側にあるボタンで操作して、ネットワークの設定やシャットダウン、再起動を行うことも可能。

TLASは、昨年11月に製造中止となったサン・マイクロシステムズのアプライアンスサーバ「Sun Cobalt」の後継ソリューションとして、同社とターボリナックスが共同で提供しているOEM製品だ。Turbolinux 8 Serverをベースに、Webブラウザ管理ツールを搭載し、Web/ メール/DNS/FTP/SNMPなどのサービスを提供する。発売後5年間のセキュリティアップデートが保証されている。

写真2  BlueNet 300の内部
写真2  BlueNet 300の内部 奥行きわずか385mmのコンパクト設計のケースに、2台のハードディスクを搭載している。

TLAS WEは、プロキシ/ファイル/プリンタ/DHCP/LDAP/VPN機能を装備し、中小規模のサーバや部門サーバとしての利用に適している。また、PPPoE/PPP接続にも対応しており、パケットフィルタリングを設定して、ブロードバンドルータとして利用することも可能だ。

写真3 BlueNet 50の背面
写真3  BlueNet 50の背面 静音設計で、アイドル動作時は35dB以下の騒音レベルを実現。USBポートは、背面4ポートのほか正面に2ポートある。ケース正面は鏡面加工処理されている。

TLAS HEは、1台の物理サーバで複数の仮想サイトを運用できるバーチャルドメインをサポートし、SSLを使用したセキュアなWebサイトの運用が可能になっている。

■簡単運用

Webブラウザ管理ツール「ATOM Server Desktop」(以下、ATOM)は、現在オープンソース「Blue Quartz」として提供されているSun Cobaltの管理ツールを元に機能強化した。基本的なサーバ設定だけでなく、TLASが備えるすべての項目をネットワーク上のマシンから設定することができ、コマンド操作の必要はない。

turbopkgを利用した自動アップデートが可能で、「セキュリティアップデート」「バグフィックスアップデート」「機能追加アップデート」のカテゴリごとに自動適用か手動適用かを選択できる(画面1)。セキュリティアップデートでは、「緊急」「重要」「推奨」と3段階のレベルごとに自動/手動アップデートを選択できる。

画面1 自動アップデート設定画面
画面1 自動アップデート設定画面 [サーバ管理][Turbopkg]タブは管理者権限でログインすると表示される。パッケージの追加や削除も可能。 telnet/SSHも搭載しているが、ATOMによる設定が優先される。

ATOMにユーザーでログインすると、メールの転送設定や所属するメーリングリストの管理、Webメール、アドレス帳などが利用できる。

■豊富なサービス

メールサーバには、SMTP/POP3/IMAP4を搭載し、配信の頻度や最大メールサイズ、受信拒否ドメインなど詳細な項目についてもATOM上で設定することができる。

ユーザーやグループ追加時には、共有用ディレクトリやWebサイト公開用ディレクトリが自動的に作成されるため、管理者はユーザーごとにディレクトリを設定する手間が省ける。Webサーバは、CGI(Perl/C)、PHPをサポートしており、ユーザーは、/home/users/<ユーザー名>/web 以下に作成したHTMLドキュメントを置けばよい。割り当てディスクの使用状況も、ATOMから確認できる。

SNMP(Simple Network Management Protocol)は、ネットワーク機器の管理プロトコルで、定期的に取得したTLAS のCPU使用率/メモリ使用率/ネットワークトラフィックなどのシステム情報を任意のSNMPマネージャから確認する。これらの情報とTLAS上のサービス状態は、「アクティブモニタ」(画面2)からも確認することができ、情報は15分ごとに更新される。問題を検出した場合は、管理者にメールが送信される。さらに、TLAS HEでは利用状況をグラフィカルに統計/分析することも可能だ。

画面2 アクティブモニタのハードディスク使用状況
画面2 アクティブモニタのハードディスク使用状況 CPU/ハードディスク/メモリの使用状況、ハードディスクの整合性、ネットワークの状態、各サービスの動作状況について、それぞれ詳細な情報を表示できる。

■バーチャルドメインも簡単管理

仮想サイトごとにCGI/PHPスクリプト/JSP(Java Server Page)/Servletの実行やSSIの使用を許可するかどうかを設定でき、複数登録している場合は、条件やサイト名、IPアドレスなどから検索できる。

各仮想サイトの管理は、ユーザーに委託することが可能で、委託されたユーザーは、所属する仮想サイトのユーザー管理やメーリングリストの作成などを行える。

表1 BlueNetシリーズの主な仕様

BlueNet 50 BlueNet 100 BlueNet 200 BlueNet 300
価格 20万9790円 27万2790円 29万3790円 32万5290円
形態 キューブ型 1Uミニラック型
CPU VIA EBGA C3 1000MHz Intel Celeron 2.6GHz
RAM 256Mバイト(最大:2Gバイト) 256Mバイト(最大:512Mバイト)
ハードディスク 80Gバイト 80Gバイト 120Gバイト 120Gバイト×2(RAID1)
ネットワーク 10/100BASE-TX×2 10/100BASE-TX×2
インターフェイス USBポート×6(前面:2+背面:4)、シリアルポート×1 USBポート×2、シリアルポート×1
PCIスロット 1スロット 1スロット
LCDパネル - 16文字×2行
電源 200W SFX12V 250W ATX12V
サイズ(mm) 215(W)/330(D)/200(H) 425(W)/385(D)/44(H)
重量 5.3kg 6.3kg 7.0kg

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