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【COMPUTEX TAIPEI 2004 Vol.3】メモリー、電源、キューブ型パソコン、入力機器が次世代環境へ移行中

2004年06月04日 21時01分更新

文● アスキープラス編集部 野口岳郎

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『Intel 925X Express』(以下、『i925X』)『Intel 915 Express』(以下、『i915』) の発表にともない、パソコンの構成パーツとペリフェラルは十年に一度の大変革を迎えることになる。

●メモリー

台湾A-DATA Technology社のブースにて
台湾A-DATA Technology社のブースにて。DDR2よりDDRが速いという奇妙な現実は、多くのメモリーモジュールメーカーで見られた。DDR2の本領発揮はいつか?

従来のDDRに代わって、これからはDDR2が主役の座を約束されている。米Kingston Technology社、台湾A-DATA Technology社、台湾TwinMOS Technologies社など主立ったメモリーメーカーはいずれもDDR2のDIMMや、場合によってはSO-DIMMも展示している。ただおかしいのは、どのメーカーもフラッグシップメモリーとして、DDR550といった超高速モデルをラインナップしていることだ。一方で、次世代メモリーのはずのDDR2は、まだ供給元が限られているうえに、規定外の高クロック動作の検証がまだ進んでいないためか、いずれも533どまり。クロックも高い上、レイテンシー面でも有利なDDRのほうが断然魅力的、という状況になっている。台湾VIA Technologies(VIAテクノロジーズ)社や台湾SiS(Silicon Integrated Systems)社、台湾ULi(ULi Electronics)社は、チップセットがDDR2-666をサポートするとしているが、まだまだそれどころではなさそうだ。



●電源

前回のマザーボードの写真をよくごらんになるとわかるのだが、i915/i925Xマ ザーの多くはメインの電源コネクタが、従来の20ピンから24ピンに拡張されている。これはATX12V Power Supply Design Guide v2.0の規格に沿ったものだ。会場でも独Tagan社など数社が対応電源を展示していた。

独Tagan社のATX 2.0対応電源「TG486-U01」
独Tagan社のATX 2.0対応電源『TG486-U01』。従来の20ピンタイプのマザーに装着する場合には、24ピン部分の4ピン分だけを取り外せるようになっているのがおもしろい

●キーボード・マウス

台湾Benq社が近日発売を予定する、BMWのデザインによるワイヤレスキーボード・マウス
台湾ベンキュー(Benq)社が近日発売を予定する、BMWのデザインによるワイヤレスキーボード・マウス。マウスは横から見るとBMWの車体フォルムになり、受信機はタイヤの形をしている

“COMPUTEX TAIPEI 2004”では例年、多くのメーカーがキーボードとマウスを展示するが、今年目に付いたのはワイヤレスバージョン。そのなかでもちらほらとBluetooth版が増えてきている。だが、Bluetoothの進撃を阻む新勢力があった。2.4Gと記される、その名の通り、2.4GHz帯の電波を使用するものだ。台湾Chic Technologies社によると、従来、赤外線ではない、無線タイプのワイヤレスキーボード・マウスは27MHz帯の電波を使っていたが、この信号は安定して利用できる距離は1メートル以下だったが、Bluetoothや2.4Gタイプは公称10メートル、実際にも6~7メートルは安定して通信できるほか、同時に接続可能な機器数も増えるという。性能的にはBluetoothと2.4Gは拮抗するが、価格面で2.4Gが有利なので普及が期待される。



Technologies社のブースにて Technologies社のブースにて
台湾Chic Technologies社のブースにて。Bluetoothタイプとともに「2.4G」というワイヤレスキーボード・マウスが並ぶ。いずれも、従来の27MHz帯を使うワイヤレスより格段に高性能だという

●キューブ型パソコン

台湾Shuttle社の新ベアボーン『SB95P』は、5つのファンを使って各所を効果的に冷却することで、LGA775ベースの高速Prescottを使っても安定した動作と30dB以下の低騒音を実現したという。一方、台湾BIOSTAR社は、キューブが中央からがばっと上に持ち上がる新形状の筐体を展示(開発中モデル)。HDDはじめ内蔵デバイスの着脱が容易になっている。

i915登場に合わせ、台湾Shuttle社はLGA775ベースのCPUの排熱と静音、拡張性をトータルに考慮した新筐体“P”シリーズを投入 新筐体“P”シリーズを投入
『i915』登場に合わせ、台湾Shuttle社はLGA775ベースのCPUの排熱と静音、拡張性をトータルに考慮した新筐体“P”シリーズを投入。筐体の左と右に大きなファンを設置し、CPUを集中的に冷却する。HDDはなんと3台内蔵できる(上面に2台設置)ほか、PCI Expressビデオカード+PCIカード1枚を装着可能だ
内蔵パーツの抜き差しがひときわ面倒だったキューブに革命!  内蔵パーツの抜き差しがひときわ面倒だったキューブに革命!
内蔵パーツの抜き差しがひときわ面倒だったキューブに革命! 台湾BIOSTAR社が製品化を間近に控える、筐体の途中が持ち上がる新筐体。HDDは2台内蔵でき、『i915』名物のMatrix RAIDにも対応できるはずだ

●そのほかの注目パーツ&テクノロジー

Athlon64でもPCI Express化が進む Athlon64でもPCI Express化が進む
Athlon 64でもPCI Express化が進む。昨日紹介した米エヌビディア(NVIDIA)社の『CK804』のほか、台湾VIA Technologies社は『VIA Apollo K8T890』、台湾SiS(Silicon Integrated Systems)社は『SiS756』というチップセットを用意。どのプラットフォームでもAGPの時代は終わりを告げそうだ
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米Promise Technology社は、『i915』でサポートされたシリアルATAの新機能、NCQ(Native Command Queuing)に対応したRAIDカード“SATAII 150 TX”シリーズに加え、次世代の3Gbps転送に対応したシリアルATA2 Phase 2サポートのチップも開発、動作デモを行なっていた。遙か先のことと思われていた3Gbps化が、思ったより早く進むのかもしれない
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