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日本SGI、名刺サイズの監視用マイクロエンコードサーバー“ViewRanger”を開発――リアルタイム映像配信とMPEG-4蓄積が可能

2004年06月01日 23時22分更新

文● 編集部

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日本SGI(株)は1日、“ブロードバンド・ユビキタスソリューション”のひとつとして、世界最小という名刺サイズの監視用マイクロエンコードサーバー“ViewRanger(ビューレンジャー)”を開発したと発表した。MPEG-4&Motion JPEGエンコーダー/ウェブサーバー/監視ツールなどのソフトをバンドルし、従来型のローカル蓄積型とリアルタイム映像配信型の監視システムの問題点を解決できるソリューションとして提供する。同日付けで販売を開始する。

CMOSモデル NTSCモデル
CMOSモデルNTSCモデル
“ViewRanger”

“ViewRanger”には、200万画素CMOSカメラを内蔵した“CMOSモデル”(JV3-SEC-VRG-C001)と、監視カメラなどを接続するNTSC端子(BNC)と100BASE-TX端子を装備した“NTSCモデル”(JV3-SEC-VRG-N001)の2種類のタイプを用意する。CPUにSH-4-240MHzを採用し、メモリーはROM(Flash)を16MB、RAM(SDRAM)を64MB搭載する。MPEG-4エンコーダーとRAMディスク機能を内蔵しており、CMOSモデルは毎秒3フレーム(3fps)で約1時間、NTSCモデルは約2時間のMPEG-4映像の蓄積が可能。映像と音声のライブ配信も可能で、CMOSモデルでは最大800×600ドット(JPEG)、NTSCモデルでは最大640×480ドット(JPEG)の映像と、サンプリングレートが8kHz/16bit(GSM/μLaw)の音声に対応している。

インターフェースはオーディオ(入力/出力各1)、デジタルIN(1bit、無電圧接点)を搭載し、I/O用に有線/無線LANやPHSデータ通信/FOMAに対応したCFカードを装着できるCFスロット×1を装備する。NTSCモデルではコンソール用とカメラ制御用にRS-232C×2も装備している。本体サイズと重量は、CMOSモデルが幅95×奥行き24×高さ65mmで約90g、NTSCモデルは奥行きが33mm、重量が約130gとなる。電源はDC5Vで、ACアダプターが付属する。消費電力はCMOSモデルが2W、NTSCモデルが2.5W。

OSにはUNIX互換のNetBSDを採用し、24時間365日の連続安定稼働に対応。ウェブサーバー機能(Apache)、通信サーバー機能(メール/センター通知、IPv6対応)、監視サーバー機能(動き検知)などを標準で搭載する。

同社では、“ViewRange”により、小規模の監視から、ネットワークを利用した大規模監視システムまで構築可能としており、各種交通機関の安全監視や公共施設の防犯/防災対策から、不法投棄の遠隔監視、金融機関や流通/製造/サービス業の各種監視まで対応できるとしている。たとえば、銀行やコンビニエンスストアなどに設置し、カメラで撮影した映像をRAMディスクに蓄積することで、不正行為が行なわれたことを検出した時点で、そこからさかのぼって映像を保存する監視データアーカイブソリューションとしても利用できる。また、サイズが小さいことから、家庭用の防犯装置としても利用できるとしている。

今後、同社では、マイクロエンコードサーバーを監視映像収集のユビキタス端末として位置付け、各種センサーを組み合わせた多チャンネルセンサーサーバーを追加するとともに、Linuxスーパークラスターサーバー“Altix”シリーズなどと組み合わせた映像アーカイブシステムや可視化システムまで発展させるとしている。

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