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マイクロソフト、電子名刺の送受信や名刺情報の管理を行なう『Microsoft Office InterConnect 2004』の開発を表明

2004年05月28日 23時22分更新

文● 編集部 内田泰仁

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マイクロソフト(株)は27日、“Microsoft Office System”製品群の新製品として、名刺に基づく名刺に基づく情報の管理を行なう“パーソナルリレーションシップマネジメントソフトウェア”という位置付けの『Microsoft Office InterConnect 2004』の開発を発表した。また、同日よりβプログラムを開始し、『Microsoft Office InterConnect 2004』製品情報ページにて、プレリリース版および簡易版(正式バージョン)の配布を行なう。製品の正式発売は2004年第3四半期を予定しており、価格と提供方法は現段階では未定。

『Microsoft Office InterConnect 2004』のメイン画面。画面中央下側に受領した“電子名刺”が並んでいる

『Microsoft Office InterConnect 2004』は、“名刺”の交換がビジネス習慣上強く根付いている日本のユーザーのニーズに応じるため、日本で企画/開発されたアプリケーションで、“Microsoft Office System”に新たに加わる、新カテゴリーの製品となる。

本製品では、『Microsoft Outlook 2003』の電子メール機能を利用し、同社独自形式の“電子名刺”を相手と交換することにより、紙の名刺を管理する際に必要な名刺情報の入力/電子化の手間を軽減する。さらに、一度“電子名刺”を交換した相手との間では、連絡先や肩書きなどの名刺に記載されている情報に変更があった場合、更新した名刺を相手にネットワークを通じて再度配布することにより、相手側の名刺データを簡単に更新することが可能。“電子名刺”の交換には電子証明書も併用され、これにより送信者の確認や通信の暗号化、情報の改ざんや漏洩の防止といったセキュリティー対策が取られる。ここで利用される電子証明書は、名刺交換を行なう両者の『Microsoft Office InterConnect 2004』が発行するもののほか、日本ベリサイン(株)による本製品専用の電子証明書サービスも利用できるという。

“電子名刺”を表示したところ。氏名、電話番号などの情報は自動的にデータベースに取り込まれる“電子名刺”の人物に付随するメモ書き、人事情報などを表示している画面

マイクロソフトのインフォメーションワーカービジネス本部本部長、横井伸好氏
また、名刺の裏に書き残すような会った場所、時間などのメモ書き、ミーティングの議事録、その人の経歴やコネクションなど、“人”に関するさまざまな情報を一元管理できる。さらに、これら個人の情報を補足・補強する機能として、本製品の情報サービスパートナー企業(※1)からインターネット経由で提供される、会社/人事情報、レストラン情報などといった、“人”に関連する情報を収集する機能も盛り込まれる。27日に行なわれた記者発表会で製品概要の説明を行なった同社インフォメーションワーカービジネス本部本部長の横井伸好氏は、これらの機能を、「重要な相手との関係を強化し、ビジネスチャンスを拡大する」機能であるとしている。

※1 27日時点で発表された情報サービスパートナー企業は、(株)ダイヤモンド社(企業/人事情報を提供)、(株)ウォーカープラス(レストラン情報を提供)の2社



発表会終了後、出席者全員宛に送られた“電子名刺”を『Microsoft Office InterConnect 2004 Lite』に取り込んだ画面。簡易版なので情報管理機能は持たないが、“電子名刺”の情報をOutlookの連絡帳に取り込むことができる

なお、“電子名刺”の交換を行いたい相手が『Microsoft Office InterConnect 2004』を持っていない場合などは、同社より無償で提供される簡易版『Microsoft Office InterConnect 2004 Lite』を導入してもらうことにより、“電子名刺”の交換ができるようになる(“Microsoft Outlook”シリーズまたは“Microsoft Outlook Express”シリーズも併せて必要)。『Microsoft Office InterConnect 2004 Lite』には、“電子名刺”のレイアウトデザイン機能や情報の一元管理機能はないが、“電子名刺”を受領して表示したり、簡単なデザインの電子名刺を作成して送信することが可能。

このほか、『Microsoft Outlook 2003』の“連絡先”データとの連動、同社製品の“はがきスタジオ”“Microsoft Excel”シリーズなどや、パートナー企業(※2)各社の名刺OCRソフトで作成した住所録データのインポート機能なども備える。

※2 27日時点で発表されたパートナー企業は、エー・アイ・ソフト(株)、富士通(株)、(株)PFU、メディアドライブ(株)の4社

マイクロソフトプロダクトディベロップメントリミテッドのプレジデント、藤井照穂氏

27日の発表会で登壇した、本製品の企画・開発を担当するマイクロソフトプロダクトディベロップメントリミテッドのプレジデントである藤井照穂氏は、日本から全世界に発する「“Microsoft Office System”の新しい製品分野の拡張」と紹介。日本では特に重視される名刺交換というビジネス習慣を起点として、“電子名刺”を中心とした情報管理により「人と人とのお付き合いを支援」し、「情報の整理と更新を飛躍的に効率化」するアプリケーションだと述べた。一方、横井氏は、本製品の位置付けについて、従来のCRM(Customer Relationship Management)が“企業対顧客”という性格を持ち、トップダウンによる常時共有の顧客管理システムであるのに対し、『Microsoft Office InterConnect 2004』は“個人対個人”のコネクション管理を重視したボトムアップのシステムであるとしている。また同氏は、今後の普及の展望を問う記者の質問に答え、「新しいビジネス習慣にあたるので、(普及には)時間がかかるだろう」としている。

専用の電子証明書を提供する日本ベリサイン(株)の取締役副社長兼COOの橋本晃秀氏会社/人事情報サービスを提供する(株)ダイヤモンド社の常務取締役、松室哲生氏レストラン情報サービスを提供する(株)ウォーカープラスの代表常務取締役、岩崎孝司氏
発表会に出席したパートナー企業の代表者

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