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【caworld 2004 Vol.5】ゲストスピーカーにビル・コスビーが登場!「男は夫になり、別の生き物になってしまう」

2004年05月27日 03時12分更新

文● 編集部 小板謙次

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“caworld”は毎年、社外からゲスト招いて基調講演を開催している。昨年は元米国国防長官のヘンリー・キッシンジャー(Henry Kissinger)博士が登場しているが、今年は「ちょっと嗜好を変えて、みなさんに楽しんでいただきたい」という米コンピュータ・アソシエイツ社の意向により、米国で人気のコメディアンのビル・コスビー氏が招かれた。氏は現在、コメディー番組『コスビー』(以前は、『コスビー・ショー』)の主役をつとめている。

ビル・コスビー(Bill Cosby)氏
ゲストスピーカーとして登場したコメディアンのビル・コスビー(Bill Cosby)氏

理想の父親像的俳優とも言われているコスビー氏がHello Friendと書かれたTシャツで登場すると、来場者は総立ちになって握手をした。氏はまず、現在の戦争で戦っている軍人やその家族、戦争が終わってほしいと願っている全ての人たちに敬意を表わしたいと挨拶した。そして、氏はゆっくりと、表情豊かにスピーチをはじめた。しかし、これはまったく今回の“caworld 2004”の内容やテクノロジーに関係するものではなかった。

男の親友は犬なんだ
「ラブソングではクレイジーという言葉が登場する。恋愛をしている時は彼女さえいれば幸せで、いつも彼女のことで頭がいっぱいになる。そして結婚したいと思う。それはクレイジーだからだ。彼女がもはや宝石にしか目がないことに気がつかない」「そしてやがて気がつく。男の親友は犬なんだ」

「私はおじいちゃんで、妻はもうおばあちゃん。娘のことは全く理解できない」。「結婚して40年夫として生活しているが、(妻のことは)分からないことが多い」とはじめた内容は、“夫という別の生き物”をユーモラスに語るものだった。「男として生まれ、成人した男性になる。そして結婚する。これは全てを失うこと。男性は夫という別の生き物になってしまう」と話し、自分が昔妻と結婚するために何時間もかけて教会に行ったことを振り返った。そして「今では、マスターベッドルームというものを与えられるが、そこには主人はいない。あたかも間借りしているようなもの」として権限などなくなってしまうと続けた。「ある時などは、彼女(妻)にちょっと後で話があるからと言われる。私はブルブル震えだす。何の話だかさっぱり分からず、聞くこともできない」「ある時は、さあ行くわよ、と告げられる。でも、どこに行く約束をしたか思い出せない。愛想笑いをしながら聞くと、軽蔑したまなざしで、モールに行くのよ!、と言われる」。こんな調子でスピーチは1時間に及んだ。

会期中に行なわれたキーノートスピーチは全て派手な演出はなく、むしろそれを控えているようにも思われた。そんななかでコスビー氏のスピーチは、唯一、来場者がラスベガスというエンターテインメントの都市にいることを思い出させてくれる演出だった。

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