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FMV-DESKPOWER C C90EW/C

FMV-DESKPOWER C C90EW/C

2004年05月24日 04時55分更新

文● 鈴木 雅暢

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FMV-DESKPOWER C C90EW/C

富士通

オープンプライス(実売価格:約30万円前後)

本記事は月刊アスキー2003年12月号の当該記事をWeb向けに編集・再掲したものです。2004年4月20日に後継機種となる「FMV-DESKPOWER C C70H7/C」(Athlon 64 3000+搭載)が発売されています。詳しくはこちらのニュース記事をご参照ください。

富士通の「FMV-DESKPOWER C C90EW/C」は、AMDの新ブランドCPU「Athlon 64 3200+」を早くも採用するデスクトップPC。ハイエンドのCシリーズの中でも上から2番目に位置づけられるモデルだが、OSにWindows XP Media Center Edition 2004(以下、MCE 2004)を搭載するなど、注目度の高い製品だ。

高画質回路を持つTVチューナと
ハイクオリティ液晶でTV視聴を楽しむ

FMV-DESKPOWER C C90EW/C
写真1 付属の17インチワイド液晶ディスプレイの解像度は1280×768ドット。高輝度低反射のスーパーファインパネルを利用しており、表示はきわめて鮮明だ。前面の受光部はMCE 2004用リモコンには対応しておらず、USB接続の受光部を別途利用する。
Windows XP Media Center Edition 2004
全AV機能を統括しリモコン操作を可能にするWin XPの新スタイル マイクロソフト「Windows XP Media Center Edition 2004」レビュー(画面をクリックすると当該レビュー記事に移動します)。

 数ある2003年冬のボーナス商戦向けモデルの中でも、Athlon 64を搭載してきたメーカー製PCはこのC90EW/Cが今のところ唯一となっているが、それにMCE 2004を乗せるというのも、予想外な組み合わせだけに同モデル登場のインパクトを強めている。

 MCE2004は、Windows XP Professionalをベースに、ホームエンタテイメント向けのアプリケーションを統合し、機能拡張を施したもの。32bit OSであるため、Athlon 64の64bitパワーは生かせないものの、Athlon 64は32bit環境でもトップレベルの性能を持っていることは実証されている。



本体前面 本体背面
写真2、3 ボディは同じCシリーズのPentium 4搭載機と同じもので、容積は約13.4リットルとやや大きめのスリムタワー。USB 2.0やIEEE 1394のほか、メモリースティックPRO/SDメモリーカードスロットも装備するなど、前面端子も充実している。

 マザーボードのチップセットは、NvidiaのnForce3 150で、メモリは512MB搭載。メモリのスピードはDDR333(PC2700 DIMM)とAthlon 64のスペック(DDR400対応)をフルに生かすものではないが、Pentium 4搭載機でもDDR400を利用しているPCはほとんどないので、大手メーカー製PCとしては妥当なところだろう。

 ビデオチップはNvidiaのGeForce4 440 Go(ビデオメモリ64MB)をマザーボードにオンボード搭載している。光学ドライブはDVD-R/RWドライブ。同シリーズの他モデルが搭載するDVDマルチプラスドライブと比べると書き込みできるフォーマットは少ないものの、DVD-RAMやDVD+RW/+Rでの記録にこだわりがある方でもなければ、実用上不便はないだろう。

TVチューナカード
写真4 ゴーストリデューサや3次元Y/C分離など画質を高画質化する回路を備えたTVチューナカードを装備する。MPEG-2のハードウェアエンコーダ付き。

 付属の液晶17型ワイドディスプレイの解像度は1280×768ドット。高輝度低反射のスーパーファインパネルを採用しており、非常に明るく、鮮やかな表示が得られる。本体に装着されているTVチューナカードはMPEG-2のハードウェアエンコーダを搭載し、ゴーストリデューサ、3次元Y/C分離といった高画質回路も備えており、美しい画質でTVが楽しめる。

 MCE 2004の操作感は非常に良好。インターフェイスは分かりやすく、リモコン操作のレスポンスもきわめて良好だ。EPGを利用したインターネット経由での番組表取得/予約録画なども非常に便利。離れた位置からリモコンだけの操作でTVやDVD、オーディオなどをリラックスして楽しめるといううたい文句は本物だ。MCE2004のDVD作成機能(PrimeTime)は非常に簡易なものだが、本機にはDVDオーサリングソフトの「My DVD」もプリインストールされているので、より凝ったタイトルの作成も可能だ。



本体内部
写真5 外側のシャーシをスライドして外した内部。PCI拡張スロットはライザカードで提供される。ライザカード部分は、装着した拡張カードごとシャーシからカパッと取り外せるようになっているので(写真は取り外したところ)、拡張カード(空き1スロット)の装着が楽に行える。 フロント側にCPUスロット。ヒートシンクを外すと、Athlon 64プロセッサが装着されているのが見える。

 1つ気になったのは、本体の騒音だ。離れたところから操作する製品とはいえ、騒音対策が進んでいる最近のPCの水準からいえばかなり大きい。ファンの回転速度制御さえも行われていないのはかなり不満で、ぜひ改善してもらいたい。

 MCE2004の練られたインターフェイスと、高機能なハードウェアが融合し、TVの視聴/録画をはじめAV環境はきわめてハイレベルに仕上がっている。Office Personal 2003をはじめとするソフトウェアも豊富にプリインストールしており、約30万円という実売価格は買い得だろう。

FMV-DESKPOWER C90EW/Cの主なスペック
製品名 FMV-DESKPOWER C90EW/C
CPU Athlon 64 3200+
チップセット nForce3 150
メモリ(最大) 512MB(1GB)
グラフィックス NVIDIA GeForce 4 440 Go(64MB)
HDD 160GB
光メディアドライブ DVD-R/RW(DVD-R:4倍速/DVD-RW:2倍速/CD-R:16倍速/CD-RW:10倍速/CD:40倍速/DVD:12倍速)
スロット PCI×2、PCカード(TypeI/II×2、TypeIII×1)、SDメモリーカード/メモリースティック×1
通信 10/100BASE-TX、56kbpsモデム
I/O USB 2.0×4、IEEE 1394×1、専用ディスプレイ端子、アナログRGB、PS/2×1、S-VIDEO出力、コンポジットビデオ入力、S-VIDEO入力、ビデオ音声入力(L/R)端子、TVアンテナ入力、S/PDIF出力
サイズ(W×D×H) 104×382×334mm(設置台なし)
162×382×353mm(設置台あり)
重量 約9.0kg
OS Windows XP Media Center Edition

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