マイクロソフト、“Microsoft Office 2004 for Mac”の製品説明会を開催――Virtual PC for Mac Version 7のリリーススケジュール変更へ
2004年05月19日 23時44分更新
マイクロソフト(株)は19日、7日に発表した“Microsoft Office”のMac OS X用最新版“Microsoft Office 2004 for Mac”シリーズの記者向けの製品説明会を同社オフィスにて開催した。この日の説明会には、米マイクロソフト社のMacintosh向け製品担当部門であるマッキントッシュビジネスユニットの製品担当者が来日、製品の概要や展開などについて説明を行なった(シリーズ各パッケージの内容や、新機能や改良点の概要に関してはこちらの記事を参照)。
『Microsoft Office 2004 for Mac Standard Edition』(写真左)および『Microsoft Office 2004 for Mac Professional Edition』(右)のパッケージ写真 |
また、7日に発表された内容のうち、『Microsoft Virtual PC for Mac Version 7 with Windows XP Professional』および『Microsoft Virtual PC for Mac Version 7 with Windows XP Home』の出荷スケジュールが変更となることが明らかになた。両製品の新しい出荷予定時期は今秋。『Microsoft Virtual PC for Mac Version 7 with Windows XP Professional』が同梱される『Microsoft Office 2004 for Mac Professional Edition』については予定通り出荷されるが、パッケージには『Microsoft Virtual PC for Mac Version 7 with Windows XP Professional』の出荷時に製品と交換できるクーポン券が添付される予定。
米マイクロソフト社マッキントッシュビジネスユニットのマーケティング&ビジネスデベロプメント担当ディレクター、ティム・マクドナー氏 |
プレゼンテーションを行なった米マイクロソフト社マッキントッシュビジネスユニットのマーケティング&ビジネスデベロプメント担当ディレクターであるティム・マクドナー(Tim McDonough)氏は、今回日本で記者説明会を開催するに至った理由について「Mac関連製品においては、日本は最も重要なマーケットである」ためだとし、さらに「(これまでのMac用Officeシリーズの中で)最高の仕上がりになっているので、ぜひ見てもらいたくてたまらない」と自信のほどを述べた。
米マイクロソフトの各開発部門とマッキントッシュビジネスユニットの位置関係 | 同部門の歴史は20年と長く、Mac用Wordの開発からスタートし、今日に至るという。規模はアップルのラボを除けば業界最大とのこと |
同社のMac関連製品を担当するマッキントッシュビジネスユニットは、同社のゲーム専用機『Xbox』やコンシューマー向けソフトウェアなどを取り扱うホームアンドエンターテインメントディシジョンに所属する(Windows用Officeファミリーとは別組織)。160人以上のスタッフで構成され、Mac用製品を専門に担当するという。所属スタッフはMacだけでなくWindows環境での開発にも従事した経験があり、この点が「MacとWindowsの間での互換性向上に役立っている」としている。また、「アップル以外の企業の中では、最大のラボ」を持ち、ソフトウェア開発のほか、サポートや顧客調査といった活動も行なう。
全世界共通プロモーション用のカタログデザイン |
マクドナー氏は“Microsoft Office 2004 for Mac”シリーズ開発にあたって掲げたコンセプトを“Work Smarter ~ 生産性の飛躍的向上”と紹介し、同社が特にフォーカスしたポイントとして、“Manage(情報の整理と管理)”“Create(用意かつ確実な文書作成)”“Share(プラットフォームを越えた情報共有)”の3点を挙げた。
Mac版Officeのデフォルト日本語フォントと対応文字数の比較 | 強化された日本語および各国語言語の表示例 | プロポーショナルフォントの“MS P明朝”“MS Pゴシック”が搭載されたことにより、Windows版Office(上)とMac版Office(下)とで表示の違いはほとんどなくなっている |
また、従来製品以上にインターナショナル・マーケットでの製品展開を重要視し、
- 各国語サポートの強化
- イタリア語版製品の追加
- ポルトガル語とフィンランド語の校正ツールを追加
- Unicodeサポート
- 51種類の言語に対応した入力、表示、編集
- Windows機種依存文字の再現性改善(“MS 明朝”“MS ゴシック”両フォントに加え、“MS P明朝”“MS Pゴシック”も追加。登録文字種はWindows版が各1万4985文字なのに対して、Mac版では各1万6031文字)
- 拡張ラテン文字のサポート改善
といった機能強化を図ったとした。
Mac版とWindows版の特徴的な違いとなる“Macファースト、Macオンリー”な機能と、両版の互換性を図るために追加された機能 |
新機能のデモを行なった米マイクロソフト社マッキントッシュビジネスユニットのリードプロダクトマネージャー、メアリー・スターマン(Mary Starman)氏 | “プロジェクト センター”の画面 | “Word ノート レイアウト ビュー”使用中の画面 |
『Microsoft Virtual PC for Mac Version 7 with Windows XP Professional』および『Microsoft Virtual PC for Mac Version 7 with Windows XP Home』のスケジュール変更は、同梱されるWindows XPに適用される次期サービスパック“Service Pack 2”の開発スケジュールの影響によるものだという。Service Pack 2は現在評価版が配布され、評価・検証、ユーザーからのフィードバックの盛り込みといった作業が進行しているとのことで、正式版の配布開始は“今夏予定”というスケジュールが提示されている(明確な月日についてはまだアナウンスされていない)。“Microsoft Virtual PC for Mac Version 7”シリーズには、このService Pack 2を適用したWindows XPが同梱されるため、Service Pack 2のリリーススケジュールに影響されて今秋にずれ込むこととなったという。
なお、“Microsoft Office 2004 for Mac”シリーズおよび“Microsoft Virtual PC for Mac Version 7”シリーズ各製品の発売日と推定小売価格は以下のとおり。
- 『Microsoft Office 2004 for Mac Standard Edition』
- 6月18日発売/ボリュームライセンス提供開始:6月1日/通常版:4万9800円、バージョンアップグレード版:2万8000円、アカデミックパック:2万2800円
- 『Microsoft Office 2004 for Mac Professional Edition』
- 7月23日発売/ボリュームライセンス提供:今秋予定/通常版:5万9800円、バージョンアップグレード版:3万7800円
- 『Microsoft Virtual PC for Mac Version 7 with Windows XP Professional』
- 今秋発売予定/2万9800円
- 『Microsoft Virtual PC for Mac Version 7 with Windows XP Home Edition』
- 今秋発売予定/2万6800円