キヤノン
オープンプライス
実売価格:12万円前後(本体)、14万円前後(レンズセット)
本記事は月刊アスキー2003年11月号の当該記事をWeb向けに編集・再掲したものです。2004年4月24日にブラックボディを採用した「EOS Kiss Digital ブラック」が発売されています。詳しくは
こちらのニュース記事をご参照ください。
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「EOS-Kiss Digital」 | | EOS-Kiss Digitalブラック |
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「ニコン、“Kissキラー”のレンズ交換式一眼レフデジタルカメラ『ニコンD70』を3月19日に発売」ニュース(写真をクリックすると当該記事に移動します)。 |
数ヵ月前、編集部が購入したEOS 10Dと50mm単焦点レンズ「EF50mm f/1.4 USM」(実売4万円弱)で写真を撮って以来、写真に対する考え方がガラッと変わった。それまでの私は、アスキーのニュースサイト「ASCII24」(http://ascii24.com/)にて、女の子コーナーの撮影を編集者(さらに写真素人)ながらも担当しており、キヤノンの「Power Shot G2」に1.5倍のテレコンを付けて撮影し「まあ、これで十分かな」と思っていたのだ。ところが、50mmのレンズは私の考えを粉砕した。おそろしいまでの奥行き感(写真1~4参照)。それまでもG2で、女の子以外の写真も撮っていたが、もうダメ。知らなければよかった世界に突入し、ただただ、シャッターを切るのが楽しくなった。
だから、EOS Kiss Digitalを購入した(発売日に)。確かに10Dよりもスペックが低いし(連写速度や処理速度など)、見た目もプラスチックで軽っぽい。さらに“Kiss”という名前のとおり、どちらかというと万人向けなので、「一眼レフを持ってるぞ」という気分を味わうことは難しい。でも、いいのだ。実質的には写真を思う存分楽しむことができるし、なんたってEF50mm f/1.4 USMが使えるのだから。それだけだったら価格の下がってきた10D+EF50mmという選択肢もあるが、どっこいKissには広角に強い専用レンズ「EF-S 18~55mm F3.5~5.6」がある。これは仕事で重宝する万能レンズだ。こうなると、10DよりもKissに気持ちがグッと傾く。14万円を払うのはいい写真を撮りたいからで、キヤノンはそうしたユーザーのニーズをしっかりくみ取っていると思う。10Dに比べて使いやすさは犠牲になったが画質は(素人目には)まったく変わらないのだ。
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写真1 台北の夜市。EF50mm f/1.4 USMにて撮影。ISO感度は100。露出F1.8、1/80s。ホワイトバランスは自動。コンパクトデジカメのレンズではこうはいかない。写真4以外は、すべてプログラムモードでストロボを焚かずにシャッターを押しただけ。 | | 写真2 夕暮れの台北。すでに日が暮れており、実際は写真よりも暗いシチュエーションだった。地下道の壁の写り込みもバッチリ撮れている。 |
ホンモノのカメラを求めているのならば10Dを買ったほうがいい。しかし、私のように、デジカメ時代になってから写真が好きになったユーザーならば、まずはKissをおすすめする。今までよりもワンランク上の写真を、今までと同じ感覚で撮影できるからだ。そして自由に楽しもう。例えば、写真の世界ではトリミングは邪道っぽい扱いなのだそうだが、いいじゃん“素人のKiss”なんだから。そもそも操作体系だって、ボタンがメインだからコンパクトデジカメに近いのだ。そして、もっともっとレンズや道具を揃え、写真のことを覚えたら、新しいボディを買えばいい。一眼レフだからと言って、肩を張らなくていいのもKissの良い点なのだ。
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こちらも台北の夜市。Kissのスペックならば、初心者本を少し読んだ程度でこのレベルの写真が撮れてしまう。 | | 専用レンズ「EF-S 18~55mm F3.5~5.6」を使い人物を撮影。被写体との距離は50cm程度。ここまで広角ならば実用性十分であることがわかるだろう。 |
EOS-Kiss Digitalの主なスペック |
製品名 |
EOS-Kiss Digital |
CCD |
22.7×15.1(APS-C) CMOS |
画素数 |
約630万画素 |
レンズ |
EOS EFマウント |
シャッタースピード |
30秒~1/4000秒 |
露出モード |
プログラム、絞り優先、自動深度優先シャッター優先、マニュアル、E-TTLストロボ優先 |
記録媒体 |
CFカードTypeI/II |
電源 |
専用リチウムイオンバッテリ |
本体サイズ |
142(W)×72.4(D)×99(H)mm |