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日本IBM、“ThinkVantage事例セミナー”を開催!

2004年04月24日 19時41分更新

文● 編集部 小板謙次

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SMA(System Migration Assistant)の事例紹介では、ダイセル化学工業(株)事業支援センターシステムグループの大久保健太郎氏が登壇した。同社は酢酸およに酢酸セルロースなどの化学工業薬品、エアバック用のインフレータなどの火工品の製造販売を行なう企業で、事業所は全国に約10ヵ所、従業員数は2199人。1995年、Lotus Notesの試験導入から本格的なPCの導入をはじめ、3270端末とRS/600ワークステーションをシステムごとに使い分けていたが、メインフレームは2000年問題でオープン化、ワークステーションはPCクライアント化することで、2800台のPCを管理しなければならなくなった。

ダイセル化学工業(株)事業支援センターシステムグループの大久保健太郎氏
ダイセル化学工業(株)事業支援センターシステムグループの大久保健太郎氏

管理の手間を軽減するために、クライアント環境の標準化、購入窓口の一本化、PCの情報を一元管理するデータベースの構築、PCの機種の管理などで増大したPCを管理してきた。その結果、機種数を188(2000年5月)から41(2004年4月)に減らすことができた。その後、2003年にWindows 98のプレインストールマシンがなくなることに対応し、Windows 95のPCを全廃。XPへのデータの移行という状況が発生した。「この時の問題としてあがったのが、Windows95で使えるような周辺機器(外部メディア)はほとんどWindowsXPに対応していないこと。さらに、ファイルサーバーを使わない環境にシステム構築していたため、移行作業のために一時的にファイルサーバーを置こかと考えたが、ネットワークにログインするようなところから全部作らなければ利用できない状況だった。また、主要な拠点のほとんどにWindows95マシンが万遍なく残っていた。よって切り分けができなかった」と大久保氏は当時の状況を振り返った。この時判断したのが、基本的にピア・トゥ・ピアでデータを移す、ユーザーに作業を任せないということだった。同社では、この移行作業を休日に行ない、外部の業者を活用して一挙に作業を完了するということを目指した。



SMA(System Migration Assistant)選択のポイント
SMA(System Migration Assistant)選択のポイント

この状況下で、同社がSMAを選択したポイントのひとつは、新しいパソコンに転送するファイルの指定やパソコンの設定をバッチファイル化できる、展開の作業もバッチファイル化できるということだった。「これはユーザーにとっては不要な作業を行なわなくて済むということだ。何が恐ろしいかというと、本当は新しいパソコンに移したくもない設定を移されたりということがおきる。それを防げた。決められたフォルダにデータを移動しておくだけということを徹底した。また、それを作業するものにとっては、システムに詳しくなくてむ手順が簡単というメリットがあった」と大久保氏は話した。

外部の委託業者にもスキルが必要なく、コストが節減できるという利点もあったという。「外部の委託業者はどんな作業をしたかというと、古いパソコンでバッチファイルを実行する。実行したら転送用のファイルができるので、そのファイルのサイズをチェックする。ユーザーのなかには何GBというファイルができてしまう人がいて、そういう人たちがトラブルのもとになる。大きなファイルになった人だけに優秀な作業員を割り当てた」。最終的に2ヵ月の期間がかかったが、用意していた予備日は使わずに済んだ。

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