無線LANの標準規格“Wi-Fi(ワイファイ)”に関するカンファレンスとデモンストレーションを行なうイベント“Wi-Fi PLANET Conference&Expo・Japan 2004(ワイファイプラネット)”が、東京・新宿の新宿NSビルで開催された。会期は20日と21日の2日間。主催は(株)IDGジャパン/米Jupitermedia社。
基調講演で壇上に立つ米アイパス社の事業開発担当副社長のアヌラグ・ラル氏 |
2日目の基調講演では、無線LANアクセスポイントのローミングソリューションを提供する米アイパス社の事業開発担当副社長のアヌラグ・ラル(Anurag Lal)氏が基調講演を行なった。
無線LANが現在“転換点(Tipping Point)”を迎えていることを示す図 |
ラル氏は、「現在、無線LANは転換点に来ている。これは今後飛躍的な変化・進化が始まる重要なポイントだ」と切り出し、無線LANの普及の急激な加速化、需要拡大の予測を述べた。その具体的な数字として、米国の調査会社の掲げるWi-Fi関連機器の出荷台数が2003年中は1200万台であったのに対し、2008年には7億台超と予測されていることを挙げた。
一方で、無線LANが普及して早いもの好き(いわゆる“アーリーアダプター”)から一般のユーザーが利用するようになるには、
- 技術の標準化
- IEEE 802.11から始まり、IEEE 802.11b、同a、同gと高速化した無線LANの標準規格
- セキュリティーの確保
- アクセスポイントを利用するためのキーワード“WEP”、送受信するユーザーの認証とデータ暗号化技術“WPA”など
- アクセスポイントや無線LANアダプターの普及
- 公衆無線LANアクセスポイント(いわゆる“ホットスポット”)の拡大、“Centrinoモバイル・テクノロジ”における無線LAN機能の標準搭載化など
- 接続性や利便性の向上
- ローミングサービスによって、どこのアクセスポイントでも同様にサービスが受けられる、など
という4つが重要であると話した。特にローミングについては、利便性が高まることでユーザーが増える⇒アクセスポイントを提供する企業の収入が増える⇒新たなアクセスポイントの設置が進む⇒ユーザーの利便性が上がる……という好循環(スパイラル)を示し、同社のローミング技術の重要性をアピールした。
ローミング技術により、ユーザーの利便性が高まることをアピールする図 |