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米インテルのインテル・コミュニケーションズ事業本部副社長兼セルラー&ハンドヘルド事業部長のサム・アルディティ氏 | | 携帯電話/PDAを構成するプラットフォームの8要素 |
続くパートの“コミュニケーション・プラットフォーム”は、米インテルのインテル・コミュニケーションズ事業本部副社長兼セルラー&ハンドヘルド事業部長のサム・アルディティ(Sam Arditi)氏がプレゼンテーションを行なった。ここでは携帯電話やPDAの話題が中心に取り上げられた。アルディティ氏は、また、携帯電話やPDAなどの携帯機器の成長において重要な課題として、クライアントの強化、バッテリー性能の向上、コンテンツの充実の3点を挙げている。これを踏まえ、携帯電話およびPDAを構成する要素を、CPU(“Intel Xscale マイクロアーキテクチャ”)、携帯電話通信技術、Wi-FiおよびWiMAXのネットワーク技術、フラッシュ、ツールおよびソフトウェア、グラフィックス処理、パッケージング技術、シリコン技術の8つに分類し、これらのプラットフォーム全体の強化を進めていくとし、セルラープロセッサー(携帯端末向けの統合型CPU)とアプリケーションプロセッサーのロードマップが示された。
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3Dマルチメディア・アクセラレーター“Carbonado”を搭載したPocket PC | | 携帯電話/PDA向けプロセッサーのロードマップ |
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“Harmon”のデモ。PDAサイズの画面内で滑らかなアニメーションが再生されている |
グラフィックス処理に関しては、現在開発中の携帯機器向け3Dマルチメディア・アクセラレーター、開発コード名“Carbonado”のデモを行ない、PDA上で実行されている3Dグラフィックスのゲームとスムーズに再生される音声付の動画を公開した。また、現段階では携帯電話やPDAのサイズの筐体には収められていなかったものの、近く登場するというセルラープロセッサー、コードネーム“Harmon”のデモも公開された。Hermonでは、いわゆる“3G(第3世代)”のデジタルおよびアナログ通信技術(WCDMAおよびUMTS方式)に対応し、携帯電話/PDAのカメラ機能の撮影部分を担当する“インテル・クイック・キャプチャ・テクノロジ SL”、高品位通話を可能にする“インテル・クリア・コネクト・テクノロジ”が搭載される。これにより、TV電話機能と高品質通話を実現し、待ち受けおよび通話時間の延長に向けた最適化が可能になるという。通話以外の無線ネットワーク機能については、2004年に携帯電話やPDAといった携帯機器向けのWi-Fiチップを投入、低消費電力と小サイズを実現しつつ、IEEE 802.11b/gとBluetoothの統合と共存を可能にするとしている。
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90nmのNOR型フラッシュの解説スライド | | さらに次の世代のNOR型フラッシュでは多値セル技術による容量増加も行なわれるという |
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マルチチップ・モジュール化による部品点数削減と集積化もインテルの技術により実現していくとしている |
携帯機器向けのメモリー技術として重要となるフラッシュは、2004年4月第3四半期に90nmプロセスのNOR型フラッシュが量産開始になる予定で、これにより小型化と低コスト化を実現していくという。今後は、この90nmプロセスのフラッシュをさらに進化させ、メモリーのセルに複数のしきい値レベルを持たせ、1セルあたりの記憶容量を増やす“多値セル”技術も備えた“Intel StrataFlash ワイヤレス・メモリ”により、ウエハーあたりの記憶容量は130nmプロセスのフラッシュメモリーの3倍に高まるとしている。また、現在は多数の部品とパッケージで構成されている携帯機器の各種部品/パッケージを、MEMS(Micro Electro Mechanical System、微小電器機械システム)テクノロジーを活用したマルチチップ・モジュール化してコンパクト化していくという。
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携帯電話/PDAプラットフォーム全体のエコシステム |
さらに、ソフトウェアやコンテンツ面の充実に向けた足回りの強化としては、同社が提供するハードウェアやネットワークのソリューションや開発環境、これをベースに作られるパートナーのOSやミドルウェア、そしてこれらの上で実行されるアプリケーション、さらにはこれらの裏を支えるテスト環境やアプリケーションインターフェイス、認証プログラムなどからなる一連の連環を整え、エコシステムを作っていくという。