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【EDEX2004 Vol.3】エプソンブースには12.5インチ有機ELディスプレー以外にも見所アリ!

2004年04月08日 04時06分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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セイコーエプソンが参考出展した12.5インチの有機ELディスプレー
セイコーエプソンが参考出展した12.5インチの有機ELディスプレー

最初にレポートした12.5インチの有機ELディスプレー以外にも、セイコーエプソン(株)のブースには見所がある。同社のTFT液晶パネル開発・製造事業では、特に低温ポリシリコンと高温ポリシリコンに注力している。

ポリシリコンとは、熱を加えることでシリコン結晶を大型化して電子移動度(導電性)を高め、従来(アモルファスシリコン)では表示部の周辺に別回路で用意していたドライバー(制御用基板)の一部を表示基板上に設計・搭載する回路一体成形を可能にしたもの。これにより、狭額縁化や薄型化、軽量化、高精細化などのメリットが得られる。低温ポリシリコンと高温ポリシリコンは材料の差による製造工程の違いを示し、低温ポリシリコンでは一般的なガラス基板(TFT=薄膜トランジスタを搭載する基板。TFTは液晶に電圧をかける/切るのスイッチの役目を果たす)でも耐えられる500度程度までで加工・製造するのに対し、高温ポリシリコンではガラス基板の材料を熱に強い石英にすることで特性を高めている。加工時の温度は1000度以上になるという。



自発光する有機ELディスプレーは、視野角の広さ、色にじみの少なさもメリット自発光する有機ELディスプレーは、視野角の広さ、色にじみの少なさもメリット

ちなみに、同社の説明員に擬似単結晶シリコン(SLS)への取り組みについて聞いたところ、「低温ポリシリコンにもまだ改良(高輝度化、高精細化など)の余地があり、現時点ではSLSの必要性は感じられない。今後も低温ポリシリコンTFT液晶パネルの開発・製造を続けることで、低価格化など量産効果によるメリットも出てくるだろう」という回答を得た。

超高精細な高温ポリシリコンTFT液晶パネル(参考出品)1.6インチで960×540ドット表示の高温ポリシリコンTFT液晶パネル(参考出品)

会場で驚かされたのが、1.6インチで960×540ドット/フルカラー表示という超高精細な高温ポリシリコンTFT液晶パネルだ(参考出品)。これは、従来“3板LCDタイプ”(RGBごとに液晶パネルを用意する)の液晶プロジェクターに組み込んでいた高精細液晶パネルの設計技術を、透過型の単板TFT液晶パネルに反映したもの。RGB各画素のピッチ(間隔)は12μmで、1画素あたり36μm。ピクセル解像度は1インチあたり667ピクセルになる。展示しているものは1.6インチだが、同社での高温ポリシリコンのウェハサイズは最大8インチ(今年稼動開始予定の新ラインでは12インチまで製造可能になる予定)で、このサイズまで拡大できるという。ただ、現時点では明確な用途は決めておらず、同社の技術力を示す参考出品にとどまるとのこと

1080P表示に対応した大画面リアプロジェクションTV リアプロジェクションTVに組み込まれている光学部品が単体でも出展されていた
1080P表示に対応した大画面リアプロジェクションTVリアプロジェクションTVに組み込まれている光学部品が単体でも出展されていた。今後はこれらの外販にも力を入れていくという

同社では液晶プロジェクター“dreamio(ドリーミオ)”シリーズや、リアプロジェクター方式の大画面TVにも注力しているが、会場にも表示画面サイズが63.7インチ、表示解像度が1920×1080ドット(1080PのHD放送を表示可能)という高精細なリアプロジェクターなどが多数展示されていた。さらに、リアプロジェクターとして組み込む前の段階の“光学エンジン”(レンズ、液晶パネル、液晶パネルおよびランプを制御するドライバーなど)の単体での出展も行なわれた。これは、リアプロジェクターの開発に関心があるメーカーにOEM供給を予定しているためで、同社ではエンドユーザー向けだけでなく、光学部品の販売も積極的に行なうという。

“スーパーインパルス表示方式”の技術解説 “スーパーインパルス表示方式”のデモンストレーション
“スーパーインパルス表示方式”の技術解説“スーパーインパルス表示方式”のデモンストレーション

IPS(In-Plane Switching)/S-IPS(Super-In-Plane Switching)方式の液晶パネルをリードする(株)日立ディスプレイズのブースでは、動画表示での色にじみ感を減らして、ブラウン管TVと同様のメリハリのある表示が可能という“スーパーインパルス表示方式”がデモンストレーションされていた。これは、動画の各フレームの表示の合間に真っ黒の映像を挟み(ここまでは従来“インパルス表示”として実現済み)、さらに真っ黒い映像に同期してバックライトも瞬間的に消灯するというもの。同社では、単に連続してフレームを表示する液晶パネルと、スーパーインパルス表示方式のパネルで同じ動画を再生して見比べるデモンストレーションを行なっていた。実際に見てみると、映像の中でも微細な部分(建物の窓や水面の波、草花など)ほど色にじみの差がはっきりとわかり、スーパーインパルス表示の効果が多くの来場者にも伝わっているようだった。

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