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『ドラゴンランス 夏の炎の竜〈下〉』『ドラゴンランス伝説〈1 パラダインの聖女〉』

『ドラゴンランス 夏の炎の竜〈下〉』『ドラゴンランス伝説〈1 パラダインの聖女〉』

2004年03月30日 12時01分更新

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エンターブレイン/アスキー

1980円(「ドラゴンランス 夏の炎の竜〈下〉」)
1950円(「ドラゴンランス伝説〈1 パラダインの聖女〉」)

世界で5000万部!! 壮大な剣と魔法のファンタジー小説『ドラゴンランス』が完結!
&新シリーズがついに始動!!

映画『ロード・オブ・ザ・リング』(指輪物語)の完結編がアカデミー賞で史上最多タイとなる11部門を獲得、さらにこの夏には映画『ハリー・ポッター』の第三弾と小説『ハリー・ポッター』の邦訳版第五巻が登場と、ファンタジーブームはいまだ衰えを知らない。

そんな中、本日26日に、世界で5000万部を販売する大ヒット・ファンタジー小説『ドラゴンランス』の最新刊、『ドラゴンランス 夏の炎の竜〈下〉』と『ドラゴンランス伝説〈1 パラダインの聖女〉』が同時発売された。発行元は(株)アスキー、発売元は(株)エンターブレイン。全国書店のほか、Amazon.co.jpなどオンラインストアなどで購入可能(Amazon.co.jpの「ドラゴンランス夏の炎の竜 下 (3)」購入ページAmazon.co.jpの「ドラゴンランス伝説 1 (1)」購入ページ)。

『ドラゴンランス 夏の炎の竜〈下〉』

『ドラゴンランス 夏の炎の竜〈下〉』写真1 『ドラゴンランス 夏の炎の竜〈下〉』(全3巻)

さらば、ドラゴンランスの英雄と神々よ──。〈万物と無の父〉カオス、ファイア・ドラゴン、異界の魔物(フィーンド)が世界を襲う。前期ドラゴンランスを締めくくる、壮大なるクライマックス!!

発行
(株)アスキー
発売
(株)エンターブレイン
著者
マーガレット・ワイス(Margaret Weis)&トレイシー・ヒックマン(Tracy Hickman)著/安田均 訳
体裁
A5変形判(幅140×高さ210mm)/上製/カバー装/392ページ
本体
1980円(税別)
ISBN
4-7577-1801-2

『ドラゴンランス伝説〈1 パラダインの聖女〉』

『ドラゴンランス伝説〈1 パラダインの聖女〉』写真2 『ドラゴンランス伝説〈1 パラダインの聖女〉』(全6巻)

シリーズ最高傑作の注釈付き完全版! 双子の兄弟である暗黒魔術師レイストリンと心優しき戦士キャラモンがもっとも栄華を極めた時代にタイムスリップして戦う感動作!! 続巻は1ヵ月おき(5月、7月……)に刊行予定。

発行
(株)アスキー
発売
(株)エンターブレイン
著者
マーガレット・ワイス(Margaret Weis)&トレイシー・ヒックマン(Tracy Hickman)著/安田均 訳
体裁
A5変形判(幅140×高さ210mm)/上製/カバー装/376ページ
本体
1950円(税別)
ISBN
4-7577-1802-0

ドラゴンランス日本語版のプロデューサーである弊社の工藤裕一(以下K)に、その魅力を聞いた。

[――] 日本での『ドラゴンランス』シリーズの刊行状況は?
[K] 2002年4月に刊行を開始した第一弾『ドラゴンランス』(全6巻)、続いて発売した第三弾『ドラゴンランス・セカンドジェネレーション』(全2巻)、第四弾『ドラゴンランス 夏の炎の竜』(全3巻)、そして新たに刊行を開始した第二弾『ドラゴンランス伝説』の1巻目をすべてあわせると、今年3月までに累計40万部超の出荷を果たしました。

アンケートハガキを分析したところでは、10代から50代までの幅広い年齢層の読者に支持されているようですが、特に多いのが10代の男女。読者の男女比は4:6で女性が多いですね。ファミ通文庫などのいわゆるライトノベルの読者よりも明らかに年齢層が幅広く、年代的にも若い方と年配者がかなり多いのが特徴です。ライトノベルの文庫売り場に足を運ぶ人の数は昨今、かなり限定されているとも聞きます。『ドラゴンランス』は、ここ数年、書店でもっとも目立つ位置に置かれがちだった『ハリー・ポッター』とほぼ同サイズの版型のファンタジーとして売り出したことで、『ハリー・ポッター』や『ダレン・シャン』などでファンタジーに目覚めた新規読者層を取り込むことに成功できたようです。ハリー・ポッターなどよりは文章がやや難しいのですが、よりディープで臨場感のある、戦闘的なファンタジーを求めていた方々の心を射抜いたようです。
[――] 『ドラゴンランス』の魅力を簡単に説明すると?
[K] 大雑把に言えば、2つの柱があると思います。1つは、『ロード・オブ・ザ・リング』リスペクトで生まれたディープで豊かなファンタジー世界(アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズの世界)を、個性豊かな仲間達と本当に一緒に旅しているかのような臨場感でもって冒険できる点。

もう1つは、孤児の悲哀、兄弟愛と葛藤、揺れる三角関係、騎士道ゆえの悲劇、裏切り者の哀しみなどなど──人間が深く描かれているが、最後は温かい気持ちになれる、といった点です。

特に、ハンサムで心優しき巨漢の戦士である双子の兄(キャラモン)にいつもかばわれてばかりの病弱な弟(レイストリン)が、ひそかに兄へのコンプレックスを抱き、頭脳で劣る仲間たちに皮肉ばかり言って嫌われ、疑われているのですが、彼がやがて自らの魔法の才能に目覚めて強大な力を開花させていくさまなどは、読者に共感を覚えていただけるケースが多いようです。

ドラゴンランス 夏の炎の竜〈下〉』には、原著者の1人であるマーガレット・ワイス女史から日本の読者向けに特別に“あとがき”を寄稿してもらったのですが、その中に次のような一節があります。

“わたしたちは一人一人が、自分の中にほんのすこしレイストリンをもっています。兄弟姉妹をもつ誰もが、たがいの関係がとても複雑なものだと知っています。

仲間からいじめられたり、からかわれたりしたことのある人なら誰もが、そのことで自分がどんなにみじめな気分になるか、そして相手をどれほど殴り返してやりたいと思うようになるか知っているでしょう。誰もが野心をもっています。自分ではレイストリンのようにふるまえないものの、どうして彼が他のすべてを除外してまで目的の追求に駆り立てられるのかを理解できるでしょう。”
(安田均氏 訳)

あとは、『ドラゴンランス』シリーズには全編にわたって、思わず吹き出してしまうような笑いの要素がいっぱいちりばめられているのも大きな魅力でしょう。最新刊でも何度も吹き出してしまうこと請け合いです。大いに笑って、泣けるんです。

世界のなぞに挑む10余名のパーティー
――やがて世界はいかにして滅ぶのか!?

[――] 『ドラゴンランス』の第一弾から第四弾までの内容を、かいつまんで教えてもらえますか?
[K] 第一弾である『ドラゴンランス』(全6巻)では、孤児である〈ハーフ・エルフ〉の剣士、呪われた魔法使い、巨漢の戦士、不平屋のドワーフ、いたずら好きのタッスルなど10名程度の冒険者パーティが、世界各地のダンジョンや謎、ドラゴンに挑みます。アスキーで翻訳したのは1999年に米国で発売された“注釈付き完全版”です。

第二弾『ドラゴンランス伝説』(全6巻)では、ドラゴンランス戦争終結後の、呪われた邪悪な魔法使いレイストリンと、その双子の兄である戦士キャラモンの、時空を超えた冒険と愛憎劇が描かれます。〈大変動〉などの謎もすべて解ける、第一弾と対をなす作品で、胸打つ感動作です。米国で2003年9月に発売された“注釈付き完全版”を翻訳したものです。

第三弾である『ドラゴンランス・セカンドジェネレーション』(全2巻)は、新時代のより大規模な戦乱を担う、〈ドラゴンランスの英雄〉の子どもたちの冒険を描く中篇集(全5作品)です。下巻には〈タキシス騎士団〉の膨大な設定資料やヒューマの歌の楽譜なども収録していて、楽しめます。

第四弾『ドラゴンランス 夏の炎の竜』(全3巻)では、世界はいかにして生まれ、いかにして滅ぶのか?──が描かれます。現在と過去の英雄達が、父なる上位神と異界の魔物に挑む、前期ドラゴンランスのすべてにケリをつける最大のクライマックスです。ここでもまた、ぎりぎりのところで試される愛と信頼、そして騎士道が描かれます。
[――] 日本では『ドラゴンランス』の刊行の順番が第一弾、第三弾、第四弾、第二弾と変則的になっていますね?
[K] 第二弾の『ドラゴンランス伝説』に関しては、昨年9月に米国で新たに“注釈付き完全版”が出ることがわかっていました。日本の読者には、ぜひその“注釈付き完全版”をお届けしたい、しかし、その刊行を待ってから第三弾、第四弾を刊行したのでは、2003年度はドラゴンランスを1冊も読者にお届けできない──ということで、翻訳者の安田均先生とよくよく相談したうえで、最後は苦渋の決断を下しました。その罪滅ぼし、というわけではありませんが、『ドラゴンランス伝説』は1ヵ月おきという急ピッチで刊行を進めていくつもりですので、よろしくお願いいたします。
[――] 2003年度には第三弾、第四弾ではなく、『ドラゴンランス英雄伝』などの外伝を出して間をつないでおく手もあったのでは?
[K] そうした観点から、『ドラゴンランス序曲』の『レイストリンと兄』など、過去の話や外伝を先に刊行することもよくよく検討しましたが、それらの面白さは、やはり本編(第一弾~第四弾)の面白さには及びません。2003年には市場をさらに盛り上げておく必要を感じたので、結局それらの刊行は選択肢から外しました。

ドラゴンランスと双璧を成す人気シリーズ!!
『アイスウィンド・サーガ』は8月刊行予定

[――] 『ドラゴンランス』の今後について教えてください。
[K] 10年前とは違い、今はなかなか本が売れない時代です。そんな中、『ドラゴンランス』は幸い、多くの読者の皆様のご支持をいただくことができ、ここまで刊行を続けてこられました。既存の巻、そして『ドラゴンランス伝説』の売れ行きがこのまま好調に推移すれば、レイストリンの過去を扱った『レイストリン戦記』や、『夏の炎の竜』のさらに後の時代を扱った一大長編『ドラゴンランス 魂の戦争』などの刊行も行ないたいと考えています。なお、4月6日発売の雑誌『ダ・ヴィンチ』((株)リクルート刊)には『ドラゴンランス』の記事がカラーで掲載されることが決定していますので、お楽しみに!

そして最後に。米国では『ドラゴンランス』と双璧をなす一大シリーズとなっているR・A・サルバトーレ氏の作品群(世界で2千万部のシリーズ)も、がんばって刊行していきたいと思っています。現在刊行中の『ダークエルフ物語』(全3巻)は、ダンジョンズ&ドラゴンズやフォーゴトン・レルムのファン以外の方にも、ぜひ1度読んでいただきたい大傑作です。ファンレターも、ドラゴンランスよりさらに熱いものが多いのが実際です。残念ながら現在、増刷はかかっていない状況ですが、こちらの応援もぜひお願いいたします。このまま埋もれさせるにはあまりに惜しい作品ですので。そういった思いも込めて、続編である『アイスウィンド・サーガ』(予価900円/全9巻予定)を8月より刊行開始する予定です(新刊が出ないと既存の巻は書店から消えゆくのみなのです)。それが『ダークエルフ物語』の売り上げ増にもつながれば、と考えています。『アイスウィンド・サーガ』は作家の風見潤先生が、より読みやすい文章で完全新訳してくださっていますので、ご期待下さい。魔法のシミターや主人公ドリッズトの鏡像といえる暗殺者なども登場する、波瀾万丈の展開が面白い豪華絢爛なファンタジー小説になっています!

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