GDDR3(Graphics向けDDR3)規格のメモリを採用するという“GeForce FX 5700 Ultra”搭載ビデオカード |
動作環境はないとはいえ、最近になってようやくDDR2モジュールの販売が始まりつつある秋葉原だが、なんとGDDR3(Graphics DDR3)規格のメモリを採用するという“GeForce FX 5700 Ultra”搭載ビデオカードのデモが始まった。
“GDDR3”は、従来のPC用とビデオカードの両方に向けて仕様を策定されていたDDRやDDR2と異なり、GPU向けにより特化した機能をもつとされるメモリだ。クロック周波数においては、従来のDDRは400MHzが限界だが、GDDR3ではまず500MHzを実現し、最大800MHzを目指すとされている。“RADEON”シリーズで知られるATIなどは、すでに2002年10月の段階でこの“GDDR3”仕様が完成したとの発表を行っているが、未だに市場には流通していないというのが現状だ。そんな中、GDDR3を採用した“GeForce FX 5700 Ultraが今月初めにnVIDIAから発表され、同社のリリースの中ではSAMSUNG製を採用するという記述がみえる。
そういった時期に出現した今回のGDDR3搭載製品はAlbatron製。同社の“GeForce FX 5700 Ultra”搭載ビデオカードといえば、すでに発売されているバックアップ用ファンを含む3つの冷却用ファンを搭載するマルチ・ファン・クーリング・システムを採用した「FX5700U」があるが、今回デモで使用されている製品も概観はそれと同じに見える。「FX5700U」に限ったことではないが、“GeForce FX 5700 Ultra”搭載製品では各社ともDDR2タイプのメモリを採用しているが、今回の製品はメモリの部分にGDDR3を実装したタイプとみてよさそうだ。
ショップ協力のもと、マルチ・ファン・クーリング・システムを外し確認してみたところ、カードに搭載する4つのメモリ(合計128MB)は、SAMSUNG製“4J55323QF-GC20”という型番のもので、同社サイトの製品情報によれば動作クロック500MHz、最大転送速度1000Mbpsという記述が確認できる。ちなみに、すでに発売中の“GeForce FX 5700 Ultra”搭載製品で多数採用されているDDR2メモリにはSAMSUNG製“K4N26323AE-GC22”があるが、こちらは動作クロック450MHz、最大転送速度900Mbpsのものだ。
結果的にどれほどのパフォーマンス向上が得られるかは不明だが、同店によれば「FFXIや信長の野望オンラインなどのベンチ結果は、DDR2版とあまり変わらないようだ」とのこと。ただし「DDR2よりは発熱がかなり抑えられているようだ」との声もあり(実際、動作直後触った印象もDDR2よりかなり低く感じた)、GeForceシリーズが抱える重要課題である冷却機構の小型化などは今後可能となるかもしれない。デモはしばらく行われる予定とのこと。
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