(株)スクウェア・エニックスは9日、プレイステーション2対応ロールプレイングゲームソフト『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』の報道/流通関係者向け完成発表会“DRAGON QUEST 2004 SPRING MEETING”を、東京・新宿の“東京オペラシティ”コンサートホールで開催した。発表会には、同社社長の和田洋一氏をはじめ、シナリオ・ゲームデザイン担当である堀井雄二氏、音楽担当のすぎやまこういち氏、アートディレクション担当の眞島真太郎氏が出席。会の冒頭には、ドラゴンクエストシリーズのメインテーマ『序曲のマーチ』が、すぎやま氏の指揮で、東京都交響楽団によって演奏された。
会場となった東京オペラシティのコンサートホール。座席後列にはキャラクター“スライム”のぬいぐるみが並べられていた |
この日はすぎやま氏と東京都交響楽団によって、序曲のマーチのほか、『戦火を交えて~不死身敵に挑む』『結婚ワルツ』の合計3曲が演奏された |
ドラゴンクエストVは、1992年にスーパーファミコン用ソフトとして発売されたタイトル。「人々にとって一番の感動は、もう1つの人生を体験すること」(堀井氏)というように、親子3代にわたるドラマと人生の“重大”な選択を迫るシナリオなどで話題になった。PS2向けのドラゴンクエストVを製作するにあたっては、町や迷宮などの空間表現、マンガ家の鳥山 明氏のデザインによるキャラクターやモンスターを全て3D化。またゲーム中に流れる音楽は、NHK交響楽団によるフルオーケストラサウンドをシリーズを通して初めて採用している。
社長の和田洋一氏。次回作のドラゴンクエストVIIIについて「今後の飛躍の起点となるソフト」とした。シリーズの世界展開、オンライン構想も視野に入れているという | 左から、堀井氏、すぎやま氏、眞島氏。すぎやま氏は、東京都交響楽団の演奏による、ドラゴンクエストシリーズ(I~VIII)の音楽CDを制作することを現在企画中。今年6月に、その第1弾としてドラゴンクエストVの音楽CDをリリースする予定という |
「VIIIを作りながらVを作ったというのが一番苦労した点かな」
ドラゴンクエストVのパッケージを持つ堀井氏、すぎやま氏、眞島氏(左から) |
PS2向けドラゴンクエストVには、現在開発中の『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』の“プレミアム映像ディスク”が特典として同梱される。会場では、ドラゴンクエストVIIIのロゴや、プレミアム映像ディスクに収録される、キャラクターがフィールドを移動するシーンや戦闘シーンなどを含む、プロモーションムービーが公開された。
ドラゴンクエストVは25日発売で価格は7800円。ドラゴンクエストVIIIの発売日は現在未定。司会の「PS2向けドラゴンクエストVの開発で苦労した点を教えてほしい」という質問に対して堀井氏は、マップが2D表現から3D表現になったことによる操作感の調整や、同時にパーティーを組める人数が最大3人から最大4人に増えたことによる戦闘のバランスの調整などを挙げた上で、「VIIIを作りながらVを作ったというのが一番苦労した点かな」と答えた。社長の和田氏は、次回作のドラゴンクエストVIIIは「今後の飛躍の起点となるソフト」とし、その上で、ドラゴンクエストシリーズが、世界展開、オンライン構想を視野に入れていることを語った。いずれも、詳細は明らかにされなかった。
フィールドを移動中の画面 | 町の中を移動中の画面 | 戦闘中の画面 | ||
ドラゴンクエストVより。(C)SQUARE ENIX |
ドラゴンクエストVIIIのロゴ | 町の中を移動中の画面 | |
ドラゴンクエストVIIIより。(C)SQUARE ENIX |
そのほか関連製品として、(株)ビームスの“BEAMS T”ブランドとのダブルネームによるドラゴンクエストのTシャツを、25日に発売する予定。2人のデザイナーによる2タイプのTシャツを販売し、予定価格は4800円。3月以降も隔月で2タイプずつ発売する予定という。
BEAMS Tとのコラボレーションで制作されたTシャツ。背中側には3人のキャラクターと“はぐれメタル”が描かれている | こちらは販促用に作られたTシャツ(非売品)。背中には重なり合う3つのリングがあしらわれている |