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カシオ計算機、600万画素CCDと光学4倍ズームレンズを搭載した“EXILIM”最上位機種『EXILIM PRO EX-P600』などを発表

2004年02月25日 22時16分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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EXILIM PRO EX-P600&EXILIM ZOOM EX-Z30/Z40

カシオ計算機(株)は25日、東京都内の撮影スタジオにプレス関係者やプロカメラマンらを集め、薄型軽量デジタルカメラ“EXILIM(エクシリム)シリーズ”の新製品として、有効600万画素CCDと光学4倍ズームレンズを搭載したEXILIMシリーズの最上位機種『EXILIM PRO EX-P600』と、2003年3月に発売された『EXILIM ZOOM EX-Z3』および2003年11月に発売された『EXILIM ZOOM EX-Z4』の後継機種で、バッテリー駆動時間を約2.5倍に延ばしたほか、シャッターを一気に押すとAFによる合焦を待たず固定焦点で撮影する“オートパンフォーカス機能”などを備えた『EXILIM ZOOM EX-Z30』(有効320万画素機)/『EXILIM ZOOM EX-Z40』(有効400万画素機)の発表会を開催した。いずれもオープンプライスで、発売時期はEX-P600が4月下旬、EX-Z30/EX-Z40は3月5日。編集部による予想実売価格はEX-P600が7万円前後、EX-Z30は4万5000円前後、EX-Z40は5万円前後とみられる。



カシオ計算機の出席者
Q&Aセッションで並んだカシオ計算機の出席者。左から、守屋孝司氏、鈴木洋三氏、高島 進氏

会場には、常務取締役 営業本部長の鈴木洋三氏、執行役員 QV統括部長の高島 進氏、マーケティング部部長の守屋孝司氏らが出席し、新製品の特徴や開発の背景を説明した後で、女性モデルを囲んで試作機の撮影会などが行なわれた。

彼女が手にしているのが『EXILIM PRO EX-P600』 こちらは『EXILIM ZOOM EX-Z40』 こちらも『EXILIM ZOOM EX-Z40』
説明会後に行なわれたモデルの撮影会での一こま。彼女が手にしているのが『EXILIM PRO EX-P600』同じく、こちらは『EXILIM ZOOM EX-Z40』。外観はEXILIM ZOOM EX-Z4とほとんど変わらないこちらも『EXILIM ZOOM EX-Z40』。会場にはカラーバリエーションモデルは展示されなかったようだ

高島氏はEX-P600の位置づけについて、「コンパクトデジタルカメラで撮影の楽しみを知った人が、次にいきなりハイスペック/一眼レフデジタルカメラへと進むのは難しい。ステップアップの入り口として、マニュアル撮影を支援する“EXファインダー”“マニュアルアシスト”などの新機能を使ってほしい」と説明した。

“EXファインダー”などの機能
EX-P600は、一眼レフデジタルカメラやハイスペックカメラへのステップアップモデルとして、撮影情報を理解しやすくした“EXファインダー”などの機能を搭載する

EXファインダーは、飛行機のコックピットや車のダッシュボードのように露出/シャッター速度などの撮影情報を背面の液晶ディスプレーにグラフィカルに表示することで、初心者にも扱いやすくしたもの。マニュアルアシストは、マニュアル撮影での設定変更の結果/効果をサンプル画像でプレビューして見せる機能。

EXILIMラインナップの概要 EXILIMエンジンの進化 新しいEXILIMエンジンでは高密度実装を実現
新製品3機種を加えた、EXILIMラインナップの概要EXILIMエンジンの進化の歴史新しいEXILIM ZOOM(EX-Z30/Z40)では3層、EXILIM PRO(EX-P600)では4層の高密度実装を実現している

EX-P600は、撮像素子に有効600万(総637万)画素の1/1.8インチ正方画素原色CCD、レンズにはキヤノン(株)製の光学4倍ズームレンズ(焦点距離f=7.1~28.4mm、35mmフィルムカメラ換算時:約33~132mm相当)を採用し、レンズの明るさを示すF値は2.8~4.0。静止画の記録画素数は最大2816×2112(4:3)または2816×1872(3:2)ドットで、記録フォーマットはJPEG(Exif 2.2/DCF準拠/DPOF対応)。動画撮影は最大320×240ドット/毎秒15フレーム/音声付きで、1回の連続録画時間は無制限(メモリー容量いっぱいまで)。動画ファイルはMotionJPEG圧縮のAVI形式となる。

EX-P600の正面 EX-P600の背面
EX-P600の正面EX-P600の背面

記録メディアとして、本体に9.2MBのフラッシュメモリーを内蔵するほか、SDメモリーカード/MMC対応スロットを1つ備える。シャッター速度は1/2000~60秒で、絞りはF2.8~8(ワイド端)/F4~F11.1(テレ端)の10段階。撮影可能距離は通常で最短約40cm、マクロモードでは最短10cmでの接写に対応する。連写機能は毎秒3枚で連続6枚まで。

AF機能は位相差センサー方式/コントラスト方式併用で、被写体の動きに合わせて常にAFを合わせ続ける“コンティニュアスAF”、スポットAF/7点測距マルチAF/フリーAFエリア切り替え、ならびにマニュアルフォーカスが可能。露出制御は、プログラムオート/絞り優先/シャッター速度優先/マニュアル/AEロックから選択でき、ISO感度はISO 50/100/200/400相当。AE/AF/ホワイトバランスを微調整しながら1回のシャッターで複数枚記録する“オートブラケティング撮影”に加えて、色補正機能やポートレート撮影で用意された各種補正機能をあり/なしの状態で記録する“マルチブラケティング撮影”機能も備える。

EX-P600の右側面にあるインターフェース EX-P600の上面にある操作系
EX-P600の右側面にあるインターフェースEX-P600の上面にある操作系

背面には、11万5200画素(480×240ドット)の2インチTFTカラー液晶ディスプレーと光学式ズームファインダーを搭載。電源は専用リチウムイオンバッテリーまたはACアダプター。バッテリーでの撮影可能枚数は、CIPA(有限責任中間法人カメラ映像機器工業会)規格準拠の同社測定値で約260枚。連続撮影では約600枚(約2時間30分)、連続静止画再生は約5時間。

本体サイズと重量は、幅97.5×奥行き45.1(最薄部26.1)×高さ67.5mm/約225g。インターフェースはパソコンなしでプリンターに直結して印刷できる統一規格“PictBridge(ピクトブリッジ)”準拠のUSB 1.1/ビデオ出力/DC入力、およびシンクロ接点付き外部フラッシュ端子を備える。本体にはリチウムイオンバッテリーと急速充電器、カード型リモコン、USBケーブル、AVケーブル、ストラップ、ドライバー&ユーティリティーソフトを収録したCD-ROMが同梱される。

EX-P600の底面にある電池室とメモリーカードスロット EX-P600の特徴である“マルチブラケティング機能”の画面
EX-P600の底面にある電池室とメモリーカードスロットEX-P600の特徴である“マルチブラケティング機能”の画面

カシオ独自の高密度集積技術で
より長時間のバッテリー駆動を実現

EX-Z40とEX-P600を並べてみた
EX-Z40(左)とEX-P600(右)を並べてみた

EX-Z30/EX-Z40は、従来機種と比較して約2.5倍(EX-Z4とEX-Z40について、CIPA規格に基づく同社のテスト結果)というバッテリー駆動時間の延長、およびシャッターを一気に押し込むことでAFを機能させずにパンフォーカスで高速撮影(レリーズタイムラグは最短約0.01秒)できる“オートパンフォーカス機能”が特徴の、コンパクトな3倍ズームデジタルカメラ。

バッテリー駆動時間の延長の要因は、SDRAMとフラッシュメモリー、および撮影画像の演算処理を行なうCPUを3層(EX-P600では4層)に重ね合わせて実装した、超小型画像処理モジュール“EXILIMエンジン”を低電圧(1.8V)で稼働させることで実現したという。また、高密度実装基板の採用により、電池室の容積が広くなり、より大型のバッテリーを内蔵したことも貢献している。

EX-Z40の前面と背面
EX-Z40の前面と背面

撮像素子は、EX-Z30が有効320万(総334万)画素、EX-Z40が有効400万(総423万)画素の1/2.5インチ正方画素原色CCD(サイズは同一)を採用。レンズは従来同様、スライド式収納による“smc PENTAX光学3倍ズームレンズ”で、焦点距離はf=5.8~17.4(35mmフィルムカメラ換算時:約35~105mm相当)。レンズの明るさを示すF値は2.6~4.8。静止画の記録画素数は、EX-Z30が最大2048×1536、EX-Z40が2304×1728ドットで、どちらも記録フォーマットはJPEG(Exif 2.2/DCF準拠/DPOF対応)。動画撮影は最大320×240ドット/毎秒15フレーム/音声付きで、1回の連続録画時間は無制限(メモリー容量いっぱいまで)。動画ファイルはMotionJPEG圧縮のAVI形式となる。

記録メディアとして、本体に9.7MBのフラッシュメモリーとSDメモリーカード/MMC対応スロットを内蔵。シャッター速度は1/2000~4秒で、絞りはF2.6/4.3の切り替え。撮影可能距離は通常で最短約40cm、マクロモードでは最短6cm。

EX-Z40の底面にある電池室とカードスロット
EX-Z40の底面にある電池室とカードスロット

AF機能はスポットAF/7点測距マルチAF、マニュアル、ならびに半押しせずに押し込むことでパンフォーカスへ撮影の切り替えが可能。ISO感度はISO 50/100/200/400相当。撮影しようとするシチュエーションを選択するだけで、プリセットされた露出/補正制御での撮影が行なえる“ベストショット”機能を備える。

背面には、8万4960画素(352×240ドット)の2インチTFTカラー液晶ディスプレーと光学式ファインダーを搭載。電源は専用リチウムイオンバッテリー。撮影可能枚数は、CIPA規格準拠の測定値で約360枚(2機種とも)。連続撮影ではEX-Z30が約1260枚(約3時間30分)、EX-Z40が約1140枚(約3時間10分)、連続静止画再生は約6時間(2機種とも)。

EX-Z40のゴールドモデル EX-Z40のブラックモデル
EX-Z40のゴールドモデルEX-Z40のブラックモデル
EX-Z40のシルバーモデル

本体サイズと重量は、幅87×奥行き23.1(最薄部19.7)×高さ57mm/約121g。インターフェースは付属のUSBクレードルに接続する専用端子を底面に備える。付属USBクレードルのUSB 1.1端子は直接プリンターに接続して印刷可能な“PictBridge”に対応しているほか、パソコンに接続するとボタンを押すだけでパソコンへの画像取り込みが可能という。本体にはリチウムイオンバッテリーとACアダプター、USBクレードル、USBケーブル、ストラップ、ドライバー&ユーティリティーソフトを収録したCD-ROMが同梱される。

なお、本体カラーはEX-Z30がシルバー、EX-Z40はシルバー/ブラック/ゴールドの3色が用意される。EX-Z40のブラック/ゴールドモデルは3月下旬発売予定。

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