ショップに行くと、数多く並んでいるビデオキャプチャ機器。このページでは、それらのうち、代表的な製品の仕組みや使い方を紹介する。製品選びの参考にしてほしい。
ソフト/ハード/DVコンバーターによるキャプチャの流れ |
ビデオテープなどに入ったアナログの映像ソースを、DVDやDivXにするには、まずPCへのキャプチャ作業が必要になる。ただ、実際にキャプチャを行う機器の種類によって、ファイル形式や作業がまったく異なってくる。そんなキャプチャ機器は、主に3種類に分けられる。
(1)ハードエンコ型カード
カード上に搭載されたエンコードチップによって、キャプチャした映像を直接MPEG形式に圧縮して、PCに保存するものだ。リアルタイムで圧縮が終了するから、エンコードに要する時間は映像の実時間相当で済むし、CPUへの負荷も小さい。
ただ、MPEGファイルは高精度の編集を手軽にするのが難しい。また、エンコーダチップのぶん、機器の価格は若干高めとなる。手軽に高画質でキャプチャしたいユーザー、DVDへの出力が前提となっているユーザーにお勧めだ。
ハードエンコ型カードの○と×
- ○
- CPUへの負荷小で高画質なMPEG-2ファイルをキャプチャできる
- MPEG-2ファイルをそのままDVD化できる
- ×
- 若干価格が高め
- MPEG-2ファイルはあまり編集に適していない
カノープスの「MTV3000W」も、まさに(1)のジャンルの製品。ただ、MTV3000Wは設定の切り替えでWDMデバイスとしてAVIキャプチャも可能なので、(2)の要素も併せ持つ(写真をクリックすると当該製品のレビュー記事に移動します)。 |
(2)ソフトエンコ型カード
カード上に、アナログ映像のデジタル化を行うチップのみを搭載しているのがこのタイプ。MPEGや各種コーデックによる圧縮はCPUがソフトによって行う。
これらの製品には、MPEG-2で映像をリアルタイム録画できるソフトが付属しているが、画質面では(1)には若干及ばない。それより注目は、AVIキャプチャ。Huffyuvなど、フレーム単位で圧縮する動画コーデックを用いると、高画質でしかも編集の容易なAVIファイルができるのだ。これを中間ファイルとして、MPEG-2やDivXに再圧縮すればOK。ただ、このようなAVIファイルはサイズが巨大で、HDDの容量も必要だし、キャプチャ時にコマ落ちしないようにPC側の整備も必要だ。
ソフトエンコ型カードの○と×
- ○
- カードの価格が安い
- AVIキャプチャにより、非常に高画質なキャプチャも可能
- ×
- そのためには手間と時間が非常にかかる
- リアルタイムMPEG-2録画の画質はそこそこのレベル
写真のようなBt878A搭載カードなら、画質はイマイチだが、5000円台からと本当に安く買える。画質にこだわらないなら、これらの製品を選択するという手もありだ。 |
(3)アナログ→DVコンバータ
DVカメラとPCのIEEE1394ポートを繋げることで、映像を取り込めることは知っている人も多いだろう。アナログ→DVコンバータは、アナログ映像をこのDV形式のデータに変換して、IEEE1394ポート経由でPCに取り込むもの。この機器のメリットは、DVに対応した市販の高性能な各種ビデオ編集ソフトで映像を扱える点。また、IEEE1394ポートさえ装備すれば、PCの種類を選ばないのもポイントだ。ここからはそれぞれのジャンルの代表製品を1つずつ取り上げ、製品自体および、メインとなる使い方を紹介する。
アナログ→DVコンバータの○と×
- ○
- 高画質なDVデータをベースとしたビデオ編集
- DVキャプチャに対応したビデオ編集ソフトから汎用で使える
- ×
- DV-AVIファイルは200MB/分と巨大
- 対応機器は結構高価
こちらはカノープス製のPCI内蔵型のDVコンバータ「DVTX100-HQ」。汎用のIEEE1394カードでもカノープス製DVコーデックが利用できるのが大きなメリット(写真をクリックすると当該製品のニュース記事に移動します)。 |