●A5サイズのデスクトップベアボーンを組む
「SnowKids」の組立に際して、一般の自作機に比較すると使用する道具が多少異なる。特にスクリュー・ドライバーは、小型のいわゆる時計ドライバーセットを用意するとベターだ。一般的な組立パソコンに比べるとスクリューが細く小さいので、もしも行方不明になると探し出すのに苦労する。念のために磁石やピンセットが有ると重宝するかも知れない。2.5インチHDDやスリムタイプのドライブを扱った経験があれば、特に問題は無いと思うが、「初めて」となると勝手の違いに少々戸惑いを感じるかも知れない。だが付属の組立説明書をじっくり見て指定通りのパーツを指定のスクリューで指定の場所へ間違いなく固定すれば自然に完成へ近づくので心配は無用だ。
「SnowKids」(中央)と組み込むパーツ類。左上からCPU、メモリ、HDD、スリムタイプコンボドライブ。 |
説明書に従ってスリムタイプドライブを「SnowKids」へ組み付ける。 |
ちなみにスリムタイプの光学ドライブは、「SnowKids」に付属のアタッチメント金具をドライブに取りつけてから本体へ固定する。コネクター部が正しく組み合わさっているか、パーツの向きは正しいかなどに注意しよう。また本体やパーツに無理な力を加える事は絶対に避けた方が無難だ。一方、CPUやメモリやHDDは、スリムタイプドライブを固定した反対側のマザーボード上に実装する。まずはソケットにCPUを正しくセットしてその上から専用のヒートシンクを置く(ブロアーからの気流方向にフィンを合わせるのがポイント)。CPUソケットの四方に逆U字形をしたアンカーが配置されているので、そこにヒートシンクの固定フックを引っかける。作業は引っかける順番を良く考え、ラジオペンチなどを使って慎重かつ確実に行う。実際、固定フックの反発力が思った以上に強く、油断すると固定フックが外れてラジオペンチが勢いでマザーボード上に衝突する恐れがあるので十分に注意しよう。無事に装着ができたら、ヒートシンクの上からダクトを装着する。そうすることでブロアーからの風を効率よくヒートシンクにあててケース外へ排出できる気流路を確保する。
ところで、「SnowKids」本体を構成するパーツのなかでもひときわ目立っているのがこのCPUの冷却を担うブロアーだが、じっくり観察してみると本体の基部はおそらくアルミの類の軽金属でできており、その部分をチップセットの上に接触させることでチップセットの冷却も一緒に面倒を見てしまう一石二鳥型になっている。また、風向に指向性を持たせ、冷却効率をアップさせる目的から、ファンの形状はいわゆるシロッコタイプそのものだ(シロッコファンは、サーキュレーターやエアコン室内機など空調機に広く採用されていて風量の割に動作音が静かだと言われているが…)。さて、次にメモリであるが、これは一般の自作機と全く同じだ。実装方向を確かめてメモリモジュールをスロットに押し込めば良い。最後に残ったHDDは、マザーボード上の専用ソケットへ差し込んでおいてフレームにスクリューで固定する。なお、静音性について観察してみると本体に備わっているファンは、前出のCPU冷却用ブロアーとHDDの後ろ側に位置する小型のケースファンの合計2個。どちらも回転数によっては相当の騒音を発生しそうに思えるのだが、実際のところは動作させてみないと何とも言えない。組立作業は、このあとケースを被せてフロントカバーを固定すれば完成となる。外装ケース、シャーシ、底板のそれぞれの重なりが設計通りにならないとフロントカバーを正しく固定できない。無理をすると樹脂製のフロントカバーが割れる恐れもあるので丁寧に組み立てよう。