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【新連載・静音生活のススメ】第1話・静音重視の小型ベアボーン「SnowKids」を試す

2004年02月24日 18時15分更新

文● 鈴池和久

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●はじめに

CPUやメモリなど主要パーツの性能が飛躍的に向上したことで組立完了と同時にハイパフォーマンスマシンが出来上がる。ところが…
ブルーLEDが組み込まれたチップセットファン。おそらく銅製ヒートシンクで高性能。しかし、ファンはお世辞にも静かとは言えない。

 つい先日、800MHz版Pentium 4を始めとする近頃の定番パーツを調達し、1台のマシンを組み立ててみた。主な使い方は、ゲームやエンコードなどPCパワーを要求する重い作業よりもインターネットを見たり仕事で使う表計算ソフトや画像ファイルのリサイズなど比較的軽作業が中心だ。組上がったマシンは“ハイパー・スレッディング・テクノロジ”に、メモリはDualチャンネルモードなど最新のテクノロジーが満載状態で、ストレスのないスムーズな動きにはとても満足できる。いや“過ぎる”ぐらいだ。ところがひとつだけ不満と言うか問題が残った。それは、マザーボードのほぼ中央に位置するチップセット(MCH:メモリ・コントローラー・ハブ)いわゆるノースブリッジに組み付けられたチップセットファンの動作音の大きさである。ノースブリッジの発熱が激しいためか、まるでCPUのように扱われていてオリジナルから銅製のヒートシンクに小型のファンが備わっている。そのファンの回転音は「シャー」と「ウーン」をミックスしたような感じで、結構気になった。ケースのサイドパネルを閉じても音質が変化するだけで遮音された効果はたいして感じられない。

少し振り返ってみると、パソコンを自分で組み立てるようになって、かれこれ10年ほどになるが、それは同時にパソコンの処理速度の向上を目指していた時期でもあった。そのころに組み立てたマシンといえば、クロックを追う事が最重要課題であり騒音や見栄えなどは「お構いなし」。例えば発熱するところには片っ端から放熱器とファンを組み付けることの連続だったように思う。時には、むき出しのマザーボードに水冷装置の配管が繋がっていたり、パソコンとは縁遠い姿をしたマシンだったかも知れない。つまり、上述で組み上げたマシンのように、たとえチップセットファンが少々うるさくても当時なら全然平気であった。むしろ、銅製のヒートシンクにファンがオリジナルで組みこまれているなら歓迎さえしただろう。

ところが、ここ最近はパソコンとのつき合い方が「マシン改造一辺倒」と「ベンチマーク三昧」から少し変化してきて、(おかしな表現に聞こえるかもしれないが)どちらかといえば普通に普通のパソコンを使っている時間が長い。そうなってくると自分でも「勝手なものだ」と呆れてしまうが、パソコンからでる騒音や振動が非常に気になる時もしばしばである。

そもそも、近頃の主流パーツ(ハイエンドじゃなくても)を使って組み立てたマシンなら完成と同時に立派なパフォーマンスは得られてしまうご時世だ。もしかすると定番パーツの性能が飛躍的に向上したことが安易に改造マシンを手掛けなくなった原因のひとつかも知れない。まぁ、騒音発生装置の権化とも言える改造マシンの制作なら得意な方だが「静かなパソコン」となると多少ノウハウに詰まるというのが現状のマシンで我慢している理由だったりもする。他に理由がなくはないが、冒頭で述べたような組っ放しのパソコンを「なんとかもう少し静かにできたらなぁ」と、いわゆる静音パソコンに憧れつつ、ここ数日を過ごしてきた。

そんな状況を知ってか知らずかある日、編集部から「静音パソコンを試してみます?」と魅力的なお話しが突如舞い込んできた。もちろん断る理由も無く、むしろ「棚からぼた餅」ならぬ「棚から静音パソコン」である。 「はい、はい、試します、試します」と、ためらいもなく二つ返事で試用を打診。 「じゃ、パソコン送りますから、それと新コラム記事の方、お願いしますね!」と、ありがたい編集部のお言葉を頂戴した。

このような経緯で、タイトルを『静音生活のススメ』とし「毎日を音を立てずに静かに過ごす方法のお話し…」ではなくて、パソコンの動作音にまつわって『静音』をテーマに色々な製品やパーツなどの試用レポートを中心にこの新コラムをスタートさせることになった。なお、筆者が『静音』について「うんちく」を語るには、それほど知識や経験が豊富とは言えない。果たして皆さんのご期待に応えられる内容をお届けできるかどうか一抹の不安を隠しきれないが、ともかく快適な静音生活を自分なりに目指して模索してみるつもりだ。



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