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松下、次世代イメージセンサーを発表!携帯電話向けに量産開始!

2004年02月13日 23時27分更新

文● 編集部 小板謙次

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松下電器産業(株)は13日、携帯電話向けのメガピクセルイメージセンサー“νMAICOVICON(ニューマイコビコン)”を開発、今月から量産を開始すると発表した。

『νMAICOVICON』。1/4型130万画素の『MN39910』と1/3.2型200万画素の『MN39920』 『νMAICOVICON』。1/4型130万画素の『MN39910』と1/3.2型200万画素の『MN39920』
『νMAICOVICON』。1/4型130万画素の『MN39910』と1/3.2型200万画素の『MN39920』

“νMAICOVICON”はギリシア語で光の振動数を表すν(ニュー)を“新”にかけ、New Matsushita Advanced Image Converter for Vision Constructionからとったネーミング。同イメージセンサーは業界最小の2.8μm口の画素、5ルクス以下の暗いところでも細部まで撮影することができるのが特徴で、1/4型130万画素の『MN39910』と1/3.2型200万画素の『MN39920』の2種類。消費電力も130万画素の『MN39910』で2.9V/25mW、200万画素の『MN39920』で2.9V/45mWと低くなっている。この消費電力は同等画素数のCCDに比べて約5分の1と発表されている。

同社専務取締役半導体社社長の古池氏
同社専務取締役半導体社社長の古池氏

今回の発表に際し、同社専務取締役半導体社社長の古池氏は「CCDのビジネスは20年前にスタートし、これまで高感度・低ノイズ化に取り組んできた。やっと20年目でCCD、CMOSに次ぐ新しいセンサーを実用化することができた。従来、半導体事業は光ディスク、デジタルテレビ、移動体通信、SD・ネットワークといった高成長が期待できる分野に特化して取り込んできた。そのなかで2~3年前からイメージセンサーの需要が急激に増えるという予想のもと、5つめの柱としてイメージセンサーを仕込んできた。この5つが弊社が掲げる“躍進21”の重要なドメインとして進めていきたい」と、今回のイメージセンサー開発についての重要性についてアピールした。同社の示した半導体社の売り上げ構成比率は下のグラフのようになっており、イメージセンサーの割合が大きくなってきているのがわかる。

2~3年前からイメージセンサーにも注力しはじめた今回の新センサーはCMOSとCCDのメリットを両立させたもの
2~3年前からイメージセンサーにも注力しはじめた。2003年の売り上げ比率が徐々に多くなっている。今回の新センサーはCMOSとCCDのメリットを両立させたもの

“νMAICOVICON”は、簡単に言ってしまえばCCDとCMOS両者の機能のいいとこ取りのイメージセンサーだ。
「CMOSは低消費電力だが感度が低い。したがって受光面積を大きくしてセル(ひとつあたりの画素の大きさ)を大きくしなければ高感度にならない。一方、CCDは高感度で動画特性に優れておりムービーの小型化に優位性があった。しかし消費電力が高いという欠点があった。この2つを合わせ持ったもの、つまりCCDの高画質とCMOSセンサーの低消費電力を両立するエリアに“νMAICOVICON”は投入された」と氏は説明した。

次に“νMAICOVICON”の性能を実現した具体的が技術についての解説がなされた。それによると、キーポイントは以下の3点。

・受光部面積を拡大し高感度を実現する新構造画素技術
・画像サラつきを抑える低ノイズプロセス技術
・低電圧・低消費電力の信号読み出し回路技術

新駆動回路を採用し、配線を2本とすることで受光部を広くとっている 2.9Vの低電圧でも動作する専用のプロセスを開発
新駆動回路を採用し、配線を2本とすることで受光部を広くとっている2.9Vの低電圧でも動作する専用のプロセスを開発
プロセスが非常に簡単で微細化が容易な点はCMOSよりも優れている もっと微細な画素でも高感度が可能であるという
プロセスが非常に簡単で微細化が容易な点はCMOSよりも優れている。性能コストや量産性を考えた場合は有利だもっと微細な画素でも高感度が可能であるという
今年中に2.0μm近くまで微細化が可能 スミア(ノイズ)が発生しない
今年中に2.0μm近くまで微細化が可能かもしれない原理的にCCDのようなスミア(ノイズ)が発生しない

「これらはすべて三位一体で実現しないとなかなか難しい」とした上で、そのうちのひとつ新構造については、新駆動回路を採用し配線をCCDと同じ2本にすることによってCCD並みの感度になりうる潜在能力を確保したと説明された。これは2.8μmピッチでの話しだが、氏はCMOSセンサーに比べればもっと微細な画素でも高感度が可能であると説明する。「基本的には受光部を大きくしたら感度は上がる。しかしレンズ径にも限界があるので、それでは現実的なシステムとして構築できない。小さな画素ピッチで感度を上げるということが重要で勝負どころとなる」「CCDは非常にいいが、配線ピッチが0.13μmくらいなった時点で、画素口2μm以下になると“νMAICOVICON”が有利になる」とその性能の裏付けをグラフを使いながら説明した。また、低ノイズと電圧に関しては、CCD開発で蓄積された埋め込みフォトダイオード技術をベースに、CCDでは12Vの駆動電圧であるところを、2.9Vまで下げても動作するような専用のプロセス技術開発を行なったとし、結果的に薄明かりの状態でも鮮明な画像が得られることに貢献していると話した。

新しいセンサーは富山の砺波工場と新潟の新井工場で生産される予定となっており、生産規模は月産200万個。10月くらいから4倍の800万個を生産予定だ。生産コストや価格に関しては「リードタイムがCCDの半分くらい短いということで判断していただきたい、価格はCMOSに比べて同等以下になる」として明確な回答は避けている。

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