キヤノン、“PowerShot”と“IXY DIGITAL”の新製品7モデルを発表──800万画素のフラグシップモデル『PowerShot Pro1』など
2004年02月13日 00時00分更新
キヤノン(株)とキヤノン販売(株)は13日、“PowerShot G”シリーズの上位にあたるハイエンド向けの“PowerShot Pro”シリーズ1機種(『PowerShot Pro1』)と、“PowerShot S”シリーズの上位モデル1機種(『PowerShot S1 IS』)と、ローエンド向け“PowerShot A”シリーズ2機種、並びにコンパクトデジタルカメラ“IXY DIGITAL”シリーズ3機種を発表した(新しいラインナップは下表のとおり)。発売時期は、PowerShotシリーズが3月下旬、IXY DIGITALシリーズが3月中旬。価格はすべてオープンプライスで、編集部による予想販売価格は、PowerShot Pro1が13万円前後など。
キヤノンレンズ一体型デジタルカメラのラインナップ
- 上級者向け
- 『PowerShot Pro1』 新発売
- 『PowerShot G5』 継続販売
- 中上級者向け
- 『PowerShot S1 IS』 新発売
- 『PowerShot S50』 継続販売
- 中級者向け
- 『PowerShot A80』 新発売
- 『IXY DIGITAL 500』 新発売
- 『IXY DIGITAL 450』 新発売
- 初級者向け
- 『IXY DIGITAL 30a』 新発売
- 『IXY DIGITAL L』 継続販売
- 初心者向け
- 『PowerShot A310』 新発売
レンズ一体型デジタルカメラのフラグシップモデル“PowerShot Pro1”
『PowerShot Pro1』本体。写真は内蔵ストロボを上げたところ | 『PowerShot Pro1』背面 |
『PowerShot Pro1』は、撮像素子に2/3インチの有効800万(総830万)画素CCDを採用し、デジタルカメラとしては初めて焦点距離が7.2~50.8mm/F2.4~3.5の“キヤノンL(Luxury)レンズ”(※1)(35mmフィルムカメラ換算時:28~200mm相当、F2.4~3.5)を搭載する、ハイアマチュア向けのデジタルカメラ。広角28mmから望遠200mm相当の7倍ズームレンズ、超音波モーター“USM(Ultrasonic Motor)”による速い反応と音の静かなズーム、AF方式にTTL方式と外部測距方式を組み合わせた“高精細ハイブリットAF”を搭載することなどが特徴。また、明るい環境下などで3段の減光が可能な“NDフィルター挿入機構”(NDフィルターを本体に内蔵)や、最大3cmまで寄れる“スーパーマクロモード”なども搭載する。
※1 キヤノンLレンズは残存色収差を大幅に低減できる“蛍石レンズ”“UDレンズ”と、ズーム全域にわたって収差を補正した“Gmo非球面レンズ”を組合わせ、ゴーストや、フレアーを低減するマルチコートを施したキヤノン独自のレンズ。画像記録形式はJPEGとRAWで、画像解像度は最大3264×2448ドット。シャッター速度は1/4000~15秒、連続撮影枚数は最速で毎秒約2.5枚(最大6枚)。動画撮影は、最大640×480ドット/毎秒15フレーム/連続約30秒の音声付き動画に対応(Motion JPEG圧縮のAVI形式)。約23万5000画素のビューファインダーと、ディスプレーを回転して自分撮りや接写時に見やすい角度で撮影できる“バリアングル”機構に対応した約23万3000画素の2.0インチ低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレーを装備する。外部ストロボ用端子を備え、“キヤノンスピードライトシリーズ”などを搭載可能。
バッテリーは従来(BP-511)のものより28%容量アップした専用リチウムイオン充電池『BP-511A/514』/『BP-511/512』を使用する。撮影可能枚数は約420枚(ビューファインダー/液晶ディスプレー使用時とも)、再生時間は約400分(同社調べ)。記録メディアはCFカード(Type I/II)。USB 1.1ポートを装備し、パソコンに接続できるほか、直接プリンターに接続して印刷する“カメラダイレクト機能”(対応プリンターはCP-300/200/100/CP-10、PIXUS 895PD/F890PD/535PD/470PD/450i/50i)と、ダイレクトプリントの統一規格“PictBridge(ピクトブリッジ)”に対応する。
本体サイズは幅117.5×奥行き90.3×高さ72.0mm、重量は約545g(本体のみ)。編集部による予想販売価格は13万円前後。なお、専用オプションとして、テレコンバーターレンズ(焦点距離:1.5倍、2万5000円)などが同時に発売になる。
10倍ズームレンズと動画撮影機能が特徴の新モデル“PowerShot S1 IS”
『PowerShot S1 IS』本体。写真はストロボを上げたところ | 『PowerShot S1 IS』背面 |
『PowerShot S1 IS』は、撮像素子に1/2.7インチの有効320万(総330万)画素CCDを採用し、焦点距離が5.8~58.0mm/F2.8~3.1の光学10倍ズームレンズ(35mmフィルムカメラ換算時:38~380mm相当、F2.8~3.1)を搭載したハイエンド向けデジタルカメラ。非球面レンズ1枚を含む10群11枚のレンズ構成による光学10倍ズームのほか、3.2倍デジタルズームと合わせて、最大約32倍のズーム撮影が可能。振動ジャイロで手ぶれを検知し、手ぶれを打ち消す方向にレンズを動かすことで、手ぶれを抑える“シフト式光学手ブレ補正機構(IS:IMGE STABILIZER)”(シャッタースピードにして2~3段ぶんの補正効果が期待できるという)、超音波モーター“USM”の採用、電源ONから約3秒で起動する“高速起動”などが特徴。
高画質化の機能としてはAUTO/50/100/200/400の切り替えができるISO感度、多段階の絞り制御によりボケ味を美しく表現できる“虹彩絞り”など搭載する。そのほか、Pro1と同様の“バリアングル型ディスプレー”、0.33インチビューファインダー(約11万4000画素)、撮影中のズームやAFロック、AEロックに対応した動画撮影機能、動画撮影に便利な“Movie”ボタンなども搭載する。同社によると、超音波モーターを搭載したことにより、動画撮影時にズーム操作を行なっても音声にモーター動作音が入りにくくなったという。
撮影機能は、静止画像の記録解像度は最大2048×1536ドット。動画撮影機能は、最大640×480ドット/毎秒15フレーム/連続約60分もしくは最大1GBまでの音声付き(Motion JPEG圧縮のAVI形式)。バッテリーは単3アルカリ電池もしくは単3ニッケル水素充電池(NB-2AH)を4本使用する。撮影可能枚数はアルカリ電池使用時で約120枚(液晶オン)/約125枚(ビューファインダー)、ニッケル水素充電池使用時で約550枚(液晶オン)/約570枚(ビューファインダー)(同社調べ)。連続再生時間はアルカリ電池使用時で約330分、ニッケル水素充電池使用時で約450分(同社調べ)。記録メディアはCFカード(Type I/II)。USB 1.1ポートを装備し、“カメラダイレクト機能”(対応プリンターはPro1と同等)と、ダイレクトプリントの統一規格“PictBridge”に対応する。
別売りの専用防水ケース『WP-DC20』 |
本体サイズは幅111.0×奥行き66.1×高さ78.0mm、重量は約370g(本体のみ)。液晶ディスプレーは1.5インチ低温ポリシリコンタイプ(約11万4000画素)。編集部による予想販売価格は6万円前後。なお、専用オプションとして、防水ケース(1万9800円)や、テレコンバーターレンズ(焦点距離:1.7倍、1万5000円)、ワイドコンバーターレンズ(焦点距離:0.7倍、1万7000円)などが同時に発売される。
使いやすさと撮影性能が向上した
コストパフォーマンスに優れた“PowerShot A75”
『PowerShot A75』 | 『PowerShot A75』背面 |
『PowerShot A75』は、『PowerShot A70』の後継モデルで、撮像素子に1/2.7インチの有効320万(総330万)画素CCD(A70)、焦点距離が5.4mm~16.2mm/F2.8~4.8の光学3倍ズームレンズ(35mmフィルムカメラ換算時:35~105mm相当、F2.8~4.8)を搭載したエントリーユーザー向けデジタルカメラ。新たに、ピント合わせが確実に行なえる“9点測距AiAF”、初心者には設定が分かりにくい“室内”や“打ち上げ花火”など撮影シーンをあらかじめプリセットしている“スペシャルシーンモード”を搭載するのが特徴。印刷機能では、パソコンへの転送や“PictBridge”対応プリンターへの出力を1ボタンで行なえる“イージーダイレクトボタン”を装備する。また、動画ファイルを一定間隔のフレーム割りとなるようにサムネイル印刷できる“ムービープリント”機能、カメラ本体から撮影画像を指定のサイズでトレミングして直接印刷できる“IDフォトプリント”(同社製プリンターCPシリーズとの“カメラダイレクト”接続時のみ利用可能)機能などを搭載する。
静止画像の記録解像度は最大2048×1536ドット。動画撮影機能は最大640×480ドット/毎秒15フレーム/連続約30秒の音声付き(Motion JPEG圧縮のAVI形式)。バッテリーは単3アルカリ乾電池もしくは単3ニッケル水素充電池(NB-2AH)を4本使用する。撮影可能枚数は単3アルカリ乾電池使用時が約250枚(液晶オン)/約800枚(液晶オフ)、単3ニッケル水素充電池(NB-2AH)使用時が約500枚/約1200枚(同社調べ)。再生時間はアルカリ乾電池が約280分、ニッケル水素充電池が約360分。記録メディアはCFメモリーカード(Type I)。USB 1.1ポートを装備し、“カメラダイレクト機能”(対応プリンターはPro1と同等)と、ダイレクトプリントの統一規格“PictBridge”に対応する。
別売りの専用防水ケース『WP-DC30』 |
本体サイズと重量は幅101.0×奥行き31.5×高さ64.0mm/重量は約200g(本体のみ)。液晶ディスプレーは1.8インチ低温ポリシリコンタイプ(約11万8000画素)。編集部による予想販売価格は3万5000円前後。なお、オプションとして、防水ケース(1万9800円)が同時に発売になる。
プリンターとの連携が強化されたエントリーモデル“PowerShot A310”
『PowerShot A310』 |
『PowerShot A310』は、『PowerShot A300』の後継モデルで、撮像素子に1/2.7インチの有効320万(総330万)画素CCDを採用し、5.0mm/F3.6の単焦点AFレンズ(35mmフィルムカメラ換算時:33mm相当、F3.6)を搭載したエントリーユーザー向けデジタルカメラ。新たに撮影画像の露出のヒストグラム表示に対応したほか、A75と同等の“イージーダイレクトボタン”“ムービープリント”“IDフォトプリント”などの機能を搭載するのが特徴。
デジタルズーム機能は最大約5.1倍。静止画像の記録解像度は最大2048×1536ドット。動画撮影機能は最大640×480ドット/毎秒15フレーム/連続約30秒(MotionJPEG圧縮のAVI形式)。撮影可能枚数は単3アルカリ乾電池使用時が約75枚(液晶オン)/約250枚(液晶オフ)、単3ニッケル水素充電池(NB-2AH)使用時が約350枚/約950枚(同社調べ)。再生時間はアルカリ乾電池使用時が約90分、ニッケル水素充電池使用時が約240分。記録メディアはCFカード(Type I)。USB 1.1ポートを装備し、“カメラダイレクト機能”(対応プリンターはPro1と同等)と、ダイレクトプリントの統一規格“PictBridge”に対応する。
本体サイズは幅110.0×奥行き36.6×高さ58.0mm、重量は約175g(本体のみ)。液晶ディスプレーは1.5インチ低温ポリシリコンTFTタイプ(約8万7000画素)。編集部による予想販売価格は2万円前後。