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Palm OS専門誌『Palm Magazine Vol.22』(発行:アスキー)。Vol.22では、CLIE PEG-TH55と『CLIE PEG-TJ37』のレビューをはじめ、Palmファンを芯まで愛する3大特集をお届け。2月27日発売予定、価格は1380円(税別) |
話題の新製品を、編集部が入手した直後に各部の写真で一足先にレポートする“写真で見る話題の新製品 【一足先に目撃!!】”。今回はソニー(株)のPDA『CLIE PEG-TH55』のファーストルックを、Palm Magazine編集部が紹介する。
PEG-TH55は“デジタルなシステム手帳”
ソニーは、新しいPalm OS搭載機『CLIE PEG-TH55』(以下、TH55)を14日に発売する。同社はこれに、同時発売の『CLIE PEG-TJ37』と2003年10月発売の『CLIE PEG-TJ25』を合わせた3機種を『デジタル手帳』と位置づけ、その中でもTH55を、デジタル手帳のハイエンドモデルとしている。
搭載OSはPalm OS 5(Ver.5.2.1)、メモリーはDRAMが32MB(ユーザー領域32MB)、ROMが32MBとなっており、CPUには同社開発の『Handheld Engine』(123MHz)を搭載している。320×480ドット/6万5536色表示のバックライト付き半透過型TFTカラー液晶ディスプレーを採用。ハードウェアキーボードを搭載しないCLIEとしては初めてワイドハイレゾ画面を実現する。背面にはジョグダイヤルと左右ボタン、backボタン、そして内蔵デジタルカメラ(31万画素CMOSセンサー)のレンズを備える。シャッターボタンやメモリースティックスロット(メモリースティックPro対応)、電源ボタンなどは本体左側面に集められている。通信カード向けのCFスロットなどは搭載していないが、無線LAN機能(IEEE802.11b)を内蔵する。
本体デザインはTシリーズを踏襲したストレートタイプだが、表面にザラつき感があるので汗をかいた手でも滑りにくい。色は落ち着いた質感の“エグゼブラック”と、限定色の“セレブレッド”(赤)を用意している。
コンパクトな筐体にワイドハイレゾ画面という魅力的なハードウェア構成だが、『デジタル手帳』TH55の本領は今回から搭載された個人情報管理ソフト『CLIE Organizer Ver.1.0』(以下、CLIE Organizer)によって発揮される。ここでは、その機能を駆け足で紹介しよう。
TH55に電源を入れると、まず最初に表示されるのが、CLIE Organizerの『予定表』だ。CLIE Organizerは、『予定表』『アドレス』『To Do』『手書きメモ』『メモ帳』『ビューワ』『便利情報』『アプリケーション』の8つの機能で構成され、画面右側のタブで各ソフトを切り替える。
『予定表』と『手書きメモ』の下部エリアには、コンテンツビューワーとも呼べるプレビュー画面が表示され、その画面の“コンテンツ”メニューでは本体やメモリースティックに保存されている静止画、動画、手書きメモ、音声メモの表示・再生が行なえる。ここに表示されたコンテンツをスタイラスでドラッグ&ドロップすると、表示している『予定表』や『手書きメモ』にそのまま貼り付けられるのだ。
また、コンテンツビューワーの“コンテンツ”メニューを表示したままで、『予定表』を『週間』『月間』表示に切り替えると、コンテンツビューワーの部分に本日分の予定が表示されるので、一画面で確認できる情報量がグッと増す。このコンテンツビューワーはポップアップメニューで“コンテンツ”のほかに“To Do”“シール”といった項目も用意されている。
背面のカメラレンズや、大胆な配置転換を行なったジョグダイヤルなど、外観の変化ばかりに気をとられがちだが、TH55の良さは『CLIE Organizer』を使いこなしてこそ理解できる。筆者自身、初めてTH55を触ったとき、実はあまり高く評価していなかった。なぜなら、最初に起動したのが、Palm OSで見慣れたHome画面でも『CLIE Launcher』でもなく、新たに搭載された『CLIE Organizer』の『予定表』で、その操作(インターフェースの違い)がまったく把握できなかったからだ。そういう意味では、Palm歴の長いユーザーほど、TH55には面食らうかもしれない。
しかし、このCLIE Organizerの操作を一度覚えてしまえば、手書きの感触や各PIMソフトの連携、付箋紙の感覚で使える静止画や音声メモなど、“デジタルなシステム手帳”の使い勝手の良さを大いに実感できる。TH55を購入したなら、まずは2日間はみっちりとCLIE Organizerに向き合ってみてはいかがだろう。
