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ナナオ、DVDプレーヤー内蔵の液晶テレビ『EIZO FORIS.TV SC23XA1』を発売――家庭用テレビ市場に参入へ

2004年02月05日 22時27分更新

文● 編集部 内田泰仁

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(株)ナナオは5日、新たに家庭用テレビ市場に液晶テレビシリーズ“FORIS.TV(フォリス)”で参入し、その第1弾製品として、DVDプレーヤーを内蔵する23インチワイド液晶パネル搭載の『EIZO FORIS.TV SC23XA1』を発売すると発表した。また、5日よりオンラインショッピングサイト“EIZOダイレクト”をオープンし、“FORIS.TV”の販売は同サイトにて展開する。『EIZO FORIS.TV SC23XA1』の販売価格は24万7800円。16日に予約受付を開始し、発売日は3月15日。

『EIZO FORIS.TV SC23XA1』

シリーズ名にある“foris”とは、ラテン語で“扉”の意。同社では、“FORIS.TV”シリーズを“情報の扉、次世代映像の扉を開き、新分野へ挑む”という製品と位置づけるという。『EIZO FORIS.TV SC23XA1』は、1台で高品位に完結する“シンプリーコンプリート”コンセプトによる、同社初の液晶テレビ製品。ナチュラルな映像とサウンドを追求する“EIZO V.S. Technology”と呼ばれる技術を搭載し、この技術には、

動画処理技術
高速なアナログ/デジタル処理技術
低ノイズ化技術
さまざまな表示デバイス特性の分析技術
表示デバイス特性を最大限に引き出すグラフィックス技術
1080iプログレッシブHD採用
音声処理技術
低ノイズ化技術
独自のスピーカーユニット開発(2700ccエンクロージャー、10cmフルレンジスピーカー)
5バンドPEQ機能および米BBEサウンド(BBE Sound)社の音声補正技術“BBE技術”の搭載

といった内容が盛り込まれている。その結果、映画やスポーツ、ドキュメント番組など、コンテンツが持つそれぞれの意図を、できる限り自然な色調と滑らかな動画像で、より忠実に、高解像度に表示するという。

本体をちょうど上下に2分割する位置に操作ボタン類は集中しているDVDプレーヤーは中央部に設置。トレイローディング式の薄型ドライブが搭載されている
本体の液晶部とスピーカー部の間にある操作ボタンとDVDプレーヤー

スペックは、液晶パネルが23インチワイド(IPS方式液晶、表示画素数1280ライン×768ドット、視野角上下170度/左右170度)、テレビ受信方式はNTSC、受信チャンネルはVHF1~12チャンネル/UHF13~62チャンネル/CATV13~63チャンネル、DVDプレーヤーの対応メディアは、DVD-VideoフォーマットのDVD/DVD-R、音楽CDフォーマットのCD/CD-R/CD-RW、内蔵スピーカーは10cmコーン型フルレンジ・バスレフ×2で、周波数は80Hz~20kHz、出力は5W+5W(8Ω)、ヘッドフォンは10mW+10mW(32Ω)。入出力端子は、F型コネクターのアンテナ端子×1、D4対応のD端子×1/Sビデオ端子×1/RCAピンジャック×1のビデオ入力、RCAピンジャック(ステレオ)×1の音声入力、角型光デジタル出力×1、ステレオミニジャックのヘッドフォン端子×1。本体サイズは幅544×奥行き370×高さ1073mm、重量19.5kg。テレビおよびスピーカー部の高さ変更とスイーベル(首振り)が可能で、スタンド昇降範囲は200mm(最も高さを下げたときの本体高さは873mm)、スイーベル角は±180度。

このほか、周囲の明るさにあわせ画面の明るさを自動調整する機能、テレビ番組とCM間の音量差を自動制御する“オートゲインコントロール”機能などを装備。製品にはリモコンが付属する。製品保証期間は、家庭向け液晶テレビとしては最長クラスという3年間。

説明会終了後のフォトセッションより。写真左より、企画部の北拓朗氏、代表取締役社長の実盛祥隆氏、実機をはさんで右側がデザインディレクターの川崎和男氏

また5日には、製品発表会が都内で開催され、製品の開発の経緯、製品コンセプトや戦略の説明、デザイナーによる解説、実機展示が行なわれた。

製品概要や戦略の説明を行なった企画部の北拓朗氏“FORIS.TV”の製品コンセプトを示すスライド

製品のお披露目と概要解説を行なった企画部の北拓朗氏は、「量販店のテレビ売り場で見る製品の、作られすぎた不自然な画質、飾られすぎた音、薄型だけを強調することへの疑問」が製品開発の出発点であると述べ、これらの疑問を解消するために、自然な映像と音、存在感があり機能的なデザインを追及した開発を進めた製品であるとした。販売チャネルに関しては、自社によるダイレクト販売を基本とし、ブランド名がそのまま製品情報サイトのURL(http://foris.tv/)になるように命名しているという。また、ダイレクト販売のほかに「EIZOのこだわりと戦略を共有できる一部パートナーに限定」し、流通販売も行なう計画であるという(現時点では流通販売を行なう店舗などは未公表)。なお、製品を体験する場所を広く展開していく予定。

今後の製品展開としては、2004年夏を目処に第2弾モデルのリリースを予定しており、次期製品では地上デジタルチューナーの内蔵モデルや大画面モデル(30インチ超)を投入するとのこと。なお、編集部で独自に同社に問い合わせたところ、次期製品では、『EIZO FORIS.TV SC23XA1』には搭載されていないパソコン用ディスプレーとしての機能を盛り込むことも検討しているという。

デザインディレクターの川崎和男氏本体前面のカラーの元となった“加賀群青”をあしらった茶室の写真

製品のデザインを担当したデザインディレクターの川崎和男氏は、デザインの基本コンセプトとして、「性能に対してどういうデザインをするか、効能に対してどういうデザインをするか、機能に対してどういうデザインをするか」を考慮したと述べた。デザイン構成はシンプルなものを目指し、性能を重視して本体背面左右部にスピーカーのエンクロージャーとして2本のシリンダーを配置しているという。また、本体色のブルーは「石川の企業ということで“加賀群青”を取り入れた」としている。

代表取締役社長の実盛祥隆氏

質疑応答のセクションでは、テレビ市場に新規参入することに対する同社の意気込みに関して出席者から質問が出た。同社代表取締役社長、実盛祥隆氏はこれに答え、「パソコン分野においてはナンバーワンの技術があるという自負はあるが、動画とパソコンのシームレス化が進み、動画と静止画の技術が求められる今後では、動画表示の技術がなければ、将来の進化の阻害要因になる」として、この製品で培った技術を将来の製品開発につなげていくという決意を述べた。また、販売台数としては、『EIZO FORIS.TV SC23XA1』については8700台(約20億円)を目標とし、次期製品を含めた2004年度目標は、1万7000台(約50億円)としている。

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