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NTT、電子ビームリソグラフィーによる3次元ナノ加工技術を開発――世界最小の地球儀“ナノグローブ”を作製

2004年02月02日 21時57分更新

文● 編集部

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日本電信電話(株)は2日、ナノメートル(nm)レベルで試料の3次元加工が行なえる電子ビーム(EB)リソグラフィーシステムを開発するとともに、同加工技術のデモとして、球体試料にEBで描画した世界最小という地球儀“ナノグローブ”を作製したと発表した。同社では、ナノテクノロジーの分野でさまざまな応用が可能な重要な基盤技術になると位置付けている。

ナノグローブ
世界最小の地球儀“ナノグローブ”。海岸線と河川のパターンが形成されており、陸地と海はコントラストの違いで区分けされている

同社が開発したのは、半導体集積回路(IC)などを作製するための2次元加工技術として研究/開発が進められ、数10ナノメートルから数ナノメートルまで微細化されているEBリソグラフィー装置に、試料を回転駆動するシステムを組み込んだもの。回転駆動システムは、180度回転する“R軸”と、最大45度回転できる“T軸”の2軸で駆動され、精度は0.1度以内。EBリソグラフィー装置に簡単に出し入れできるようになっている。これにより3次元試料の任意の点にEBを照射できるようにした。また、EBナノリソグラフィーで電子を1点に収束させるために必要な高さの情報(Z情報)を得るための高さ測定装置も開発した。これは共焦点レーザー顕微鏡を利用し、試料で反射したレーザー光の強さから高さを割り出す仕組みで、高さ精度を1~2マイクロメートル(μm)に抑えたという。XY方向の位置決めは、試料の下に透過電子検出器を置き、EBに対する試料の影を計測することで試料の輪郭位置を検出、20~30ナノメートルの精度で位置決めが可能になったとしている。

2軸回転駆動システム
電子ビーム(EB)リソグラフィー装置内で動作する2軸回転駆動システム

同社は、開発した装置を利用して、直径60マイクロメートル程度の球状の樹脂の表面に、世界地図のパターンを形成したとしており、最小パターンの大きさは10ナノメートル程度で、実際の地球上では2kmに相当する。併せて、超微細ナノフィルターも作製したという。これは直径10マイクロメートルのポリメチルメタクリレート(PMMA)球を利用し、1回目のEB描画と現像で桝状の枠組みを削り出し、2回目のEB描画と現像で枠組みの側面に微細な穴の列を形成したもの。30ナノメートル程度までの微細な穴を持つナノフィルターが作製できたという。

作製したナノフィルター
作製したナノフィルター

今後、同社は、半導体などのさまざまな材料の3次元ナノ加工技術を確立し、高機能ナノ電子デバイスなどに応用する予定としている。

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