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DCN、eラーニングサービス“沖縄三線道場”を発表――ゲーム感覚で“工工四”が学べる

2004年01月29日 23時55分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(株)デジタルコンテンツネットワーク(DCN)は29日、ブロードバンド向けの会員制eラーニングサービス“沖縄三線(さんしん)道場 初級編”を2月4日に開始すると発表した。DCNは、松下電器産業(株)や(株)ゼンリン、福岡の(株)プランニング秀巧社ほか全国のタウン情報誌出版社15社の出資によって2001年に設立された。タウン情報誌編集部のネットワークを生かした、“地方発→全国展開”というスタイルで地域情報データベースの企画/運営や、コンテンツ開発を手掛けている。

集合写真
前列左から、DCN代表取締役社長の緒方邦博氏、野村流音楽協会教師の山内昌也氏、松下電器産業 サービス・コンテンツ アグリケーション推進室 グループマネージャーの平賀和明氏
監修の山内氏
山内氏は1973年の沖縄生まれ。野村流音楽協会教師のほか、琉球古典音楽湛水流保存会師範、沖縄県立芸術大学非常勤講師を務める

三線は、沖縄の伝統的な弦楽器。黒檀や桑などを使った棹に、ニシキヘビの皮や人工皮が張られた胴が付いている。DCNによれば、全国に約1200の教室(うち沖縄は約200)と、2万5000人以上の愛好者がおり、その数は年に20~30%増加しているのだという。

沖縄三線道場 初級編(以下、沖縄三線道場)のコンテンツは、三線の流派の1つである野村流の音楽協会教師 山内昌也氏が監修し、沖縄のタウン情報誌を発行する(株)ダイオキの協力のもとで編集されている。ユーザーは、ブロードバンド向けのウェブコンテンツで、漢字を使った三線独特の楽譜“工工四(くんくんしー)”の読み方や、楽器の構え方、指の運び方などを学べる。大まかな学習の流れと、教材の特徴は以下のとおり。



  • 三線の基礎を学ぶ:“三線の基本”コーナーで、テキストおよび静止画/動画によって、三線のルーツや歴史、姿勢や構え方などが紹介されている
  • 指運びを覚える:工工四は、西洋の五線譜と違い、「合」「上」といった漢字で書かれているので、初心者はイメージしにくい。“工工四四大特訓”では、「合」は「Z」、「上」は「S」のようにパソコンのキーボードを三線の勘所(棹に置く指のポジション)に見立て、タイピングゲームのように指運びを練習するメニューが用意されている(再生にはFlash Playerが必要)
  • 調弦(ちんだみ)をする:“チンダミ機能”コーナーでは、画面をクリックすると弦を開放した時の音が流れ、それを聞きながら手元の楽器を調弦できるメニューが用意されている
  • 課題曲を弾く:“課題曲練習”コーナーには、『安里屋ユンタ』や『涙そうそう』など5曲が収録されている。画面の左から右に工工四がスクロールするので、指運びと、音を出すタイミングを画面で確認しながら練習できる。苦手な部分は、一時停止させたり、部分的に再生したりすることも可能(再生にはFlash Playerが必要)。なお、課題曲の工工四は、PDFファイルでも配布される
ウェブサイトのトップ
沖縄三線道場のウェブサイトのトップ。会員はここからログインする
チンダミ機能メニュー画面 課題曲練習メニュー画面
チンダミ機能メニュー画面。3本の弦のイラストの上に、黄色いボタンが3つ並んでいる。それぞれをクリックすると、開放弦の正しい音が鳴る課題曲練習メニュー画面。写真下部に注目してほしいのだが、練習者は赤い線のところに文字が来たタイミングで、その文字が示す音を鳴らす。3本の線は弦に見立てている

そのほか、オプション教材のDVD-ROMでは、ブロードバンド用教材と同じ課題曲の演奏映像が収録されており、奏者を正面/正面アップ/斜め/奏者の目線の中から、姿勢の勉強、指運びの勉強と、目的に合わせたアングルで視聴できる。部分再生も可能。

三線とモデル
ウェブサイトで販売する三線は、工房“高離り(たかはなり)”が製作したもの。購入後に不具合などが出た場合は、有料/無料で高離りがサポートする

入会金・初期受講料は7500円(90日間)で、90日以降の受講料は30日ごとに500円。オンラインショッピングコーナーも用意しており、非会員も購入できる。価格は、例えば、ゆし木黒漆塗り・人工皮張り三線は2万9400円、ゆし木黒漆塗り・本皮張り三線は4万7250円(受講生は15%割引き)。決済方法は、クレジットカード決済/コンビニ決済/インターネット振込(ジャパンネット銀行/イーバンク銀行)から選べる。

DCNは、沖縄三線道場の今後の展開として、4月以降に中級編のリリースを予定しているという。また、師範や会員同士の交流など、インタラクティブなメニューの開発も検討している。初年度(2004年4月~2005年3月)は、ひと月あたり500名の会員獲得を目指し、オンラインショッピングでの売上もあわせて年間1億円の売上げを期待しているという。

今回企画から携わった松下電器産業 サービス・コンテンツ アグリケーション推進室 グループマネージャーの平賀和明氏は、沖縄三線道場に続く地方発のコンテンツサービスとして、現在DCNと、松下グループのデジタルテレビ向けのブロードバンド回線を使った生活情報ネットワークサービス“Tナビ”向けに、日本全国を網羅した地域情報サービスの開発を進めていることを発表会で明らかにした。詳細はまだ公表できないとしながら、「情報の受け取り手の立場になって考えると、例えば飲食店情報などは掲載店数ばかりを追求してもだめで、地元の人が通うおいしい店だとか、質の面でこだわった作りの方が役立つだろう」と、コンセプトの一端を語った。2004年の春には、何らかの発表を行なう予定という。





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