このページの本文へ

カノープス、低価格なハードウェアMPEG-2エンコーダー付きTVチューナーカード『MTVX2004』などを2月下旬に発売

2004年01月21日 22時42分更新

文● 編集部 佐久間康仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

カノープス(株)は21日、東京・日本橋の東京ショールームで記者説明会を開催し、従来の“MTVシリーズ”に代わる新たなハードウェアMPEG-2エンコーダー付きTVチューナーカード『MTVX2004』、およびiEPGを利用した予約録画や録画済みファイルのサムネール表示などに対応する拡張キット『XPack Plus kit』、XPack Plus Kitに赤外線リモコンが付属した『XPack PlusR kit』を2月下旬に発売すると発表した。価格はすべてオープンプライスで、編集部による予想実売価格はMTVX2004が2万円弱、Plus kitが3400円程度、PlusR kitが5000円弱。

第一開発部部長の中田 潤氏
第一開発部部長の中田 潤氏

なお、MTVシリーズの現行機種は引き続き販売されるが、今後登場するハードウェアMPEG-2エンコーダー付きTVチューナーカードについては“MTVXシリーズ”となる。これについて、第一開発部部長の中田 潤氏は「MTVシリーズで培った高画質や高音質へのこだわりはそのまま引き継ぎながら、それ以外の部分でパーツの省略などを図って低価格化を実現したのが“MTVXシリーズ”。ソフトウェアの機能面を比較しても、(標準搭載の機能とオプションで提供する機能の組み合わせが)これまでの製品の序列とは合わなくなってきたので、型番を新たにした。なお、外付けのTVチューナーユニットについては従来の型番を継承する」と説明した。



フィリップス製MPEG-2エンコーダーを採用し
最高25Mbps/Iフレームのみのキャプチャーも可能

MTVX2004 MTVX2004の入力端子
『MTVX2004』。右上の大きなチップがフィリップス製MPEG-2エンコーダーMTVX2004の入力端子

MTVX2004は、従来MTVシリーズでも上位機種のみに搭載していた3D Y/C分離やデジタルノイズリダクション(3D Y/C分離と排他利用)、ゴーストリダクションなどの高画質化機能を標準搭載するPCIスロット用のハードウェアMPEG-2エンコーダー付きTVチューナーカード。新たにオランダのフィリップスセミコンダクター社製MPEG-2エンコーダーチップを採用したことで、最大データ転送レート25Mbps(従来は最大15Mbps)のIフレームのみ(※1)でのキャプチャーも可能になった。特にDivXやWMVなどのMPEG-4形式にトランスコーディング(変換)する際のソース画像を極力高画質に取り込みたいという声に応えたものだという。ただし、DivXやWMV形式に変換するCODECは別途オプションで用意されているMTVシリーズ向け拡張キット『XPack2』(3800円)を購入する必要がある。

※1 Iフレーム MPEG形式の動画は、1フレームで完結して画像圧縮を行なう“Iフレーム”、Iフレームからの変化を元に画像圧縮を行なう“Pフレーム”、前後のI/Pフレームとの差分を計算して画像圧縮を行なう“Bフレーム”を組み合わせたGOP(Group of Picture)という単位で画像を管理している。Iフレームのみで構成したMPEG動画は、画質劣化が最小限に押さえられるものの、ファイルサイズは大きくなる。

TVチューナーは『MTV3000W』から採用しているカノープス独自チューニングによるソニー(株)製ユニットを搭載。アナログ出力時の音質にもこだわり、ノイズを低減した専用DAコンバーターチップを採用する。また、キャプチャー/オーバーレイチップ、およびソフトウェアの改良によりTV視聴時にはCPUの使用率がゼロに近い低負荷を実現したという。

CPU負荷率 FEATHER2004
MTVX2004の試作機を使って、TV視聴時のCPU使用率を表示したところ。起動直後に5%になったあとはほぼ0%を示しているFEATHER2004では録画済みの映像をサムネールで一覧表示できる
FEATHER2004-2 FEATHER2004-3
従来どおりのファイル名/番組情報を並べた一覧表示も可能iEPGの番組情報は“テレビ王国”を利用。番組予約はリモコンでも操作可能

TV録画・視聴ソフトには『FEATHER2004』を標準添付。インターネット経由で配信される電子番組表“iEPG”で予約録画が行なえるほか、ネットワークで離れた場所のパソコンに保存した動画ファイルを再生・視聴するホームAVサーバー&クライアントソフト『HomeEdge(ホームエッジ)』のライブラリー管理機能とも互換性があり、すでにHomeEdgeを導入してる環境では、録画開始すると同時にHomeEdgeクライアントから追いかけ再生・視聴が可能となる。

対応OSはWindows 2000/XP。動作環境に関する詳細は、1月下旬に同社ウェブサイトで公開予定。

SDメモリーカードを利用した携帯端末で視聴可能に

SD-Video形式
SD-Video形式に変換してPDAや携帯型静止画/動画カメラで再生しているところ

XPack Plus kit/XPack PlusR kitは、既存のMTVユーザー向けに最新のTV録画・視聴ソフト『FEATHER2004』を提供するとともに、録画済みのMPEG-2データをSDメモリーカードを使ったデバイスで標準サポートされている動画形式“SD-Video”規格準拠の動画ファイルに変換するトランスコーダー機能を提供するもの。SD-Video形式のCODECには松下電器産業(株)の“MediaArtist”を採用し、シャープ(株)のLinux OS搭載PDA“ザウルス SLシリーズ”や、松下電器の静止画/動画カメラ“D-snapシリーズ”などで再生できることをデモンストレーションしていた。

なお、本日より2月29日まで、MTVシリーズなど指定製品を購入して申し込みを行なうと、抽選で2004名にXPack Plus kitがプレゼントされる“パワーアップキャンペーン2004”が行なわれている。詳細は同社ウェブサイトを参照いただきたい。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン