このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

【2004 CES Vol.6】記録型DVD2層化元年! HD対応次世代DVDにも異変あり!?――CESに見る今年の大容量記録メディア

2004年01月15日 23時34分更新

文● 編集部 佐久間康仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
オランダのロイヤルフィリップスエレクトロニクス社のブース越しに、RWPPIのブースを見る

2004 International CESでは、パイオニア(株)の米国法人がメインで居を構える“RWPPI(RW Products Initiative、DVD-RW関連製品普及協議会)”のすぐ隣に、DVD+RWを牽引するオランダのロイヤルフィリップスエレクトロニクス社がブースを構えるという、なんとも因縁深い配置になっていた。もっとも、今回のCESにおけるDVD+RWの真の主役は、北展示場に構えるソニー(株)のブースにあった……。



パイオニアが用意した2層のDVD-R記録のデモ。メディアは一見しただけでは通常(1層)のDVD-Rメディアと変わらない。ドライブも同様だデモ用に作られた2層記録アプリケーションの実行画面。レイヤーごとにデータを記録している。この後でDVDプレーヤーを使って1層目、2層目ともに正常に再生できることを確認した

RWPPIでの見所は、なんといってもDVD-Rの2層記録によって、DVD-Videoの2層記録と同じ8.5GBを実現したパイオニアのデモ展示だ。従来のDVD-Rメディアへの記録と同じ赤色レーザーを用いて、フォーカス位置を変えることで記録する層を変化させるもので、パイオニアの技術者によると「DVD-Rメディア自体の反射率がもともと高めに出せるため、1層目を透過させても(2層目記録の読み出し時における)反射率は問題ない」という。

デモ展示していたのはUSB 2.0接続の外付けタイプ『DVR-S606-J』(ドライブの型番は『DVR-A06-J』)のファームウェアを改良したもので、ドライブ自体はDVD-Rに4倍速書き込みが可能だが、このデモでは2倍速書き込みとなっていた(現在安定して書き込めるのが2倍速まで)。2層記録対応のメディア自体もパイオニアが作成し、CES会場でのデモのために50枚ほど持ってきたのだという。ただし、これは記録デモのためであり安定して記録・読み出しを行なうにはハードウェア的な改良も必要で、A06-J製品版のユーザーがファームウェアのアップデートだけで2層記録可能にするのは困難だとのこと。記録デモは、約100MBの映像データを2つ用意し、1層目と2層目に順番に記録して1層目のデータから2層目のデータにチャプターを飛ばして再生が滞りなく行なわれるのを確認する、というもの。

DVDプレーヤーでの2層メディアの再生テスト。Layer 0からLayer 1に移動したり戻っても問題なく再生できる

なお、DVDの2層メディアには1層目/2層目ともに内周から外周へデータが並ぶ“パラレルパス”と、2層目が外周から内周に戻るように並んだ“オポジットパス”の2タイプがあるが、今回デモで使われたのはパラレルパスのメディア。オポジットパスへの対応も比較的容易に行なえるという。

ドライブの発売時期は未定で、DVDフォーラムの規格成立を待って速やかに製品化される見込みだという。価格も未定だが、大幅な改良は必要ないため、価格的にもそれほど高くならない見込みだ。



ソニーブースに展示された2層のDVD+Rメディアの模型2層記録対応のDVD+Rのプロトタイプ。残念ながらライティングのデモは行なわれなかった

一方、ソニーブースでは、動作デモこそ行なわれなかったが、DVD+Rの2層化記録対応ドライブが参考出展されていた。容量はDVD-Rと同じ8.5GB。DVD-Rの2層化に対して、「フォーラムでの承認(といった時間のかかる作業)がないので、夏ごろには製品発売が可能だろう」と、先行逃げ切りの姿勢を見せた。ただ、普及のためにはドライブだけでなくメディアの安定(かつ低価格な)供給も必要で、+RW陣営の読みどおりにコトが運ぶかどうかは不透明だ。

現在秋葉原などの店頭で人気の、8倍速書き込み対応DVDマルチプラスドライブの新製品が、韓国LG電子社のブースに置かれていた。型番は『GSA-4082B』で、DVD±R書き込みが共に8倍速、DVD±RW書き換えが共に4倍速で、DVD-RAM書き換えは3倍速に対応する

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン