CES International 2004での見所のひとつが、HD(高解像度)放送受信対応の大画面TVの数々だ。プラズマディスプレーパネル(PDP)採用モデルでは50~60インチはもはや当たり前で、韓国LG電子社がCES会場の壁面に“World Largest(世界最大) 76インチ”を貼りだしたのに対し、同じく韓国のサムスン社/サムスンSDI社はそれを上回る80インチモデルを発表。一気に世界最大の記録を塗り替えた。液晶パネル採用モデルも同様で、LG電子が55インチ、対してサムスンは57インチとサイズ拡大競争はとどまるところを知らない。
シャープは40インチクラスの液晶TV“AQUOSシリーズ”を大量に出展。日本ですでに発売(受注販売)開始している、漆塗りなどのパネルを採用したモデルも展示して、日本企業らしさをアピールしていた |
日本企業も、パイオニア(株)やシャープ(株)、(株)東芝、三洋電機(株)などの米国法人が40インチクラスの製品を出展しているが、日本の家屋では設置場所がさほど広くないという現実問題から画面サイズの大型化にはあまり乗り気ではないようだ。
サムスンの高画質化回路“DNIe”のデモ。画面の左右でオン/オフを同時に表示するため、一目で高画質化の効果を体験できる |
大型化だけでなく高画質化向けの機能強化も図られている。サムスンは“DNIe(Digital Natural Image Engine)”と呼ぶ色情報や輪郭部分の強調機能を搭載するほか、LG電子も同様の機能を搭載し、1画面の左右でオン/オフを並べてデモ表示し、来場者にその違いを明確にアピールしていた。
サムスンが展示、というより説明員のお姉さんが持ち歩いてデモしていたワイヤレス液晶TV。無線受信機とバッテリー搭載で、HD放送受信対応。5時間程度のバッテリー駆動が可能という | こちらも無線伝送のデモ。HD放送を受信したチューナーから、離れた場所にあるプラズマディスプレーTVに無線伝送している。コマ落ちやブロックノイズなどの画質劣化は見られなかった |
LG電子のメガネなし3D表示液晶ディスプレー(プロトタイプ) |
また、LG電子のブースでは液晶ディスプレーの上部にカメラを設置し、鑑賞者の位置にあわせて左右の視差を調整した映像を交互に表示することで、特別なメガネなどを使わずに立体視できる“3D液晶ディスプレー”(プロトタイプ)を展示していた。画面サイズは23インチ、解像度は1920×1200ドットのワイドUXGA表示で、3Dゲームのほか3D CADや医療分野などへの活用が期待されているとのこと。