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【2004 CES Vol.2】こんなゲイツ見たことない!? Media Centerがリビングに、外に飛び出し、トーストも飛び出す!――ビル・ゲイツ氏基調講演

2004年01月10日 23時12分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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2004 International CESの開幕前日、会場の1つであるラスベガス・ヒルトンホテルのカンファレンスルームで、米マイクロソフトの会長兼最高ソフトウェア設計責任者のビル・ゲイツ氏による“Pre-Show Keynote”(開幕直前キーノートスピーチ)が行なわれた。これを見るために集まった観衆は数百人にのぼり、会場に隣接するホテルのカジノルームには3列(一般参加者、プレス、そのほかの招待者・関係者)もの長蛇の列ができた。中には並んで待っている退屈しのぎにスロットマシンを回して、777を当ててびっくりする人も見られた(日本人プレス関係者と思われる)。

ビル・ゲイツ氏による、開幕前日(7日)の基調講演。会場の1つ、ラスベガス・ヒルトンホテルで開催された

社長兼最高経営責任者のゲイリー・シャピロ(Gary Shapiro)氏による紹介の後で登場したゲイツ氏は、最初に“Microsoft Office 2004”のコマーシャルフィルムを見せながら、「コンピューターが家庭での生活に自然に溶け込んできた(Seemless Computing)。これはIP(Internet Protocol)技術や無線通信、HDDの増加、接続方式の統一、グラフィックス描画機能の向上など、さまざまな技術革新によって実現している。次なる目標は、自然な形での情報へのアクセス(Seemless Information Access)だ」と切り出し、今回のCESのメインテーマである“Digital to the Home”へと話を進めていった。

Microsoft Office 2004のCMから。こんな笑顔で“はしゃいだ”ビル・ゲイツ氏を見たことがあるだろうか?

ビル・ゲイツ氏の講演で紹介された新製品は次のとおり。

“MSN Premium”
気象や趣味に関するものから現在参加しているオークションの状況まで、個人向けの詳細な情報提供機能を追加したポータルサイトサービス
MSN Premiumをプレゼンテーションするゲイツ氏
MSN Premiumの画面。My MSNで欲しい情報を見やすい場所に移動できる
“Smart Watch with MSN Direct”
MSNの有料情報配信サービス“MSN Direct”と連動し、ニュースや個人向け情報を受信・表示する腕時計型端末。昨年のCESでは“SPOT(Smart Personal Objects Technology)”と呼ばれるプランを発表していたが、今回製品として3社(4ブランド)から5製品が登場
SPOTに対応した“Smart Watch with MSN Direct”は、フィンランドのコンパスメーカーSUUNTO社、米Fossil社、米Dick Tracy社が製造する。なお、ABACUSはFossilのブランドのひとつ
“Smart Watch with MSN Direct”で実現できる機能は、ニュースや株価情報の閲覧、カレンダー、メッセージ到着の表示、時計の文字盤画像の切り替え、天気予報の表示、など。表示する機能の変更はMSNで行なう
“WMV HD”
HD対応の高解像度映像を送受信・視聴するWindows Mediaの新機能。映像だけでなく音声も5.1chサラウンド機能に対応し、臨場感を高めている
WMV HDのロゴデザイン。海の生き物の生態を描いた“CORAL REEF”の映像がHD映像のサンプルとして再生された
“Portable Media Center”
Windows XP Media Center EditionをホームAVサーバーとして利用し、外出先に映像や音声データを持ち出したり、外出先からサーバーにアクセスする携帯端末。Windows Mobile(Windows CE)よりもマルチメディア機能に特化し、Media Centerと同様の目的別メニューを用意して使いやすさを前面に出している
“Portable Media Center”の対応機として、米クリエイティブ社が開発した端末をデモしていた。ほかに韓国サムスン社や韓国アイリバー(iRiver)社が端末を開発している
“Windows Media Center Extender”
家庭内LAN経由で別室のテレビに接続して、ホームAVサーバー(Media Center Editionプレインストールパソコン)のデータを離れた部屋から視聴する小型端末。メニュー構成などは、Windows Media Center Editionに準じたシンプルなものが用意される
“Windows Media Center Extender”は、端末がパソコンよりも小さくできるため、さまざまなデザインの製品が開発されている。こちらは韓国サムスン、台湾TATUNG社、米デル、米ゲートウェイ、米hpなどが端末を開発中
“Xbox Media Center Extender Kit”
上記のExtenderと同様の機能をXboxで実現するためのソフトウェア
“Xbox Media Center Extender Kit”は、メディアをXboxにセットするとMedia Centerでお馴染みのシンプルなメニューが表示され、ホームAVサーバーのデータをXboxに接続したテレビで視聴できる

また、将来に向けて研究開発中の技術として、メタデータ(属性や説明などの付加情報)で分類・検索して目的のマルチメディアデータをすばやく探し出すための“Looking Ahead”という技術デモも行なわれた。これは、例えばDVD-Videoを購入・視聴する際に、主演俳優やカテゴリー、監督などの情報から関連するタイトルを自動的に選択して提示してくれる。またHDD内の画像ファイル群から目的の画像を探す際に、映像の色情報や撮影時刻、コメントなどの情報を元に選択した画像に近いものをグループとして自動選択し、まとめて表示することで、すばやく目的の画像にたどり着ける、といったデモが行なわれた。

開発中の簡易情報アクセス技術“Looking Ahead”のデモ。映画“ブレードランナー”から、ハリソン・フォード主演の映画やスタンリー・キューブリック監督の作品を抽出する。イメージ映像のリストでは、色情報が似ていたりや同一のメタ情報を持つ画像ファイルをまとめて選択、グルーピングする


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