このページの本文へ

日本HP、IAサーバー“hp ProLiant”ファミリーに新シリーズを投入

2004年01月09日 17時32分更新

文● 編集部 小板謙次

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

“hp ProLiant”ファミリーに“hp ProLiant 100”シリーズを投入

日本ヒューレット・パッカード(株)は8日、都内で記者会見を行い“hp ProLiant(プロライアント)”ファミリーとして新たに“hp ProLiant 100”シリーズを投入していくと発表した。第1弾として15日に出荷開始となるのは『ProLiant DL140』だ。1Wayモデルの『ProLiant DL140 R01 X2400-512K 1P 512MB 80GB ATA』(12万8000円)と2Wayモデルの『ProLiant DL140 R01 X2400-512K 2P 1024MB 80GB ATA』(18万8000円)の2種類で両製品ともラックマウントタイプ。1WayモデルはCPUがXeon-2.4GHz、メモリーは512MB(512MB PC2100 レジスター付きECCメモリー)、HDDは80GB。ほかに64bit/133MHz PCI-Xスロットを1スロット、デュアルチャネルUltra ATA100コントローラーと米ブロードコム社製Gigabit Ethernetインターフェイスを搭載する。2Wayタイプは1024MBのメモリーを搭載する点が異なる。対応OSはMicrosoft Windows 2000 Server/2000 Advanced Server、Windows Server 2003 Standard Edition/2003 Enterprise Edition/2003 Web Edition、Red Hat Linux AS/ES/WS 2.1、United Linux 1.0などとなっている。

『ProLiant DL140』の主な仕様
『ProLiant DL140』の主な仕様

エンタープライズ ストレージサーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部本部長の上原宏氏は、「昨年の1月8日を皮切りにProLiantの2極化戦略を発表してから、多くの製品発表やイベントを行なってきた。その数は一昨年の2倍以上にもなる。いかにProLiant製品に関してスピード感をだしながら施策を打ち出すことできるかということを実行に移したのが昨年だった。今年はよりいっそう、そのスピードを加速していきたい」と挨拶し、先陣を切る製品が今回の100シリーズであると話した。ProLiantが誕生してから10年が経過しているが、今年は累計800万台を予定していることも明らかにした。

2003年に日本HPがとったProLiantビジネス施策
2003年に日本HPがとったProLiantビジネス施策。前年の倍以上のスピードで発表を行なっている
他社と比較した日本HPのIAサーバー出荷台数推移
他社と比較した日本HPのIAサーバー出荷台数推移(IDC調べ)
1993年にProLiantが誕生してから10年。今年は800万台を目標としている
1993年にProLiantが誕生してから10年。今年は800万台を目標としている

新しい顧客層をターゲットに

従来ProLiantには300シリーズ、500シリーズ、700シリーズといったラインナップがあったが、今回の製品はその最下位モデルということになる。「100シリーズにはハードウェアに対する管理機能や二重化といった従来の300シリーズに搭載されていた機能が省かれている」と機能の違いについて説明するとともに、ターゲットとする顧客層の動きについても次のように説明した。「従来のサーバーには管理機能や拡張性などの付加価値やTCOが求められていたが、必ずしもそれらを求める顧客ばかりではないことが判明した。必ずしも手厚いサービスを必要とせず、自分達で管理できるという顧客、とにかく導入コストだけを低減させたいという顧客が現れてきている」。具体的な出荷目標に関する編集部の質問に対して上原氏は、「月に約500台といった規模の注文がありそうだ。場合によっては1000台くらいうの勢いがあるのではないか? 300シリーズからの乗り換えも考えられる」とコメントした。また、これら100シリーズは従来のパートナー販売に加えて、“HP Directplus オンラインストア”などといった同社のEコマースインフラストラクチャーを利用したモデルを使って提供していく。

“hp ProLiant 100”シリーズはコスト重視の顧客
“hp ProLiant 100”シリーズはコスト重視の顧客で、16~128ノードのHPTC(High Performance Technical Computing)や1~50のクライアントユーザー数であるスモールビジネス市場をターゲットとしている
“HP Directplus オンラインストア”や“HP Directpartner”を通して販売していく
“hp ProLiant 100”シリーズを“HP Directplus オンラインストア”や“HP Directpartner”を通して販売していく

“ファクトリー・インテグレーション・デリバリ・モデル”推進

また、新たな販売戦略の発表も行なわれた。同社が2004年のIAサーバービジネスの基本戦略としているものには下記の4点があるが、

フレキシブル・プライシング
コスト低減効果を柔軟かつタイムリーに市場に還元
1月8日に55製品、最大20%の価格改定を実施
ファクトリー・インテグレーション・デリバリー・モデル推進
日本HPの製造拠点(昭島事業所)におけるCTOサービスやラッキング
サービスなど新たな付加価値の提供
業界最高水準のIAサーバ製品のラインナップ強化
1Wayから64Wayまでラインナップ
スケールアップ/スケールアウト双方に対応する32/64ビットIAサーバー
カスタマ・チョイス・モデルの推進
優れた価格性能比を有するCTOモデルの投入
ファクトリー・インテグレーションモデルの例
ファクトリー・インテグレーションモデルの例

なかでもユニークなのが、ファクトリー・インテグレーション・デリバリ・モデルだ。これは日本HPの昭島工場を利用しCTO(注文仕様生産)に対応するサービス、あるいはさらに一歩進めてラックにマウントした形で顧客に直接届けるというサービスだ。 「DL140を複数台、あるいはそのほか必要なストレージ類までラックに組み込んだ形で届けるので、届いてみたら何かが足りなかったという事態や廃材処分の手間も削減できる」「今回のサービスは工場でケーブリングを行い1回稼動させるところまで行なう」と話した。このサービスは“HP ProLiant‘らくらく’ラッキングサービス”という名称で、通常のサーバー導入時に必要なSEの手配、作業スペース・製品保管スペースの確保からゴミ処理までのプロセスを行ない、サーバーの注文から導入完了まで最短7営業日で完了するというものだ。「日本に製造拠点がないベンダーでは難しいところだが、日本HPの場合は昭島事業所を活用しサービスメリットを出していきたいと考えている」と上原氏はコメントした。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン