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日本アイ・ビー・エム株式会社/株式会社ネオジャパン/ビジネスオンライン株式会社/株式会社テンアートニ

【特別企画】DB2とWebSphereを中心に協業~IBMの新パートナープログラム~

2003年12月12日 22時28分更新

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米IBMがワールドワイドで展開するISV Advantage Agreementプログラム。このプログラムでは、DB2やWebSphereを中心としてISVベンダーが緊密に協業を行う。

日本アイ・ビー・エム株式会社ソフトウェア事業デベロッパー・リレーションズ担当藤本司郎氏
日本アイ・ビー・エム株式会社ソフトウェア事業デベロッパー・リレーションズ担当藤本司郎氏

 ISV Advantage Agreementは、米IBMがワールドワイドで展開するパートナープログラムだ。中小規模マーケット向けに、DB2とWebSphereを中心とするソリューションを提供することを目的としており、パートナーとなるISVとともに販売、マーケティングを展開する。日本においては現在7社と協業体制にあり、来年までに13社ほどと協業体制を築くという。そこで、どのような協業体制にあるのかを日本IBMの藤本氏とISV各社に伺った。
 このプログラムの目的は、Web SphereやDB2上で稼働するソリューションの開発を促進し、安価で優れたソリューションを中小規模のマーケットに投入することにあると藤本氏は言う。
 これは、先日発表された中小企業向けに安価で提供されるDB2 Expressとも密接に関係がある。
 また、このプログラムとは異なるが、LifeKeeperを提供するテンアートニとも協業体制を築く。
 藤本氏によると、「エンタープライズでLinuxを使うとなると、HA(ハイアベーラビリティ)クラスタの機能が必須となります。たとえば、Webアプリケーションをミッションクリティカルに使う場合、LifeKeeprのようなオプションが必須となるんです」とのことだ。こうした協業により、Linux上の可用性の高いソリューションを安価に提供できる体制が構築できたと藤井氏は続ける。



ネオジャパン

株式会社ネオジャパン代表取締役社長齋藤晶議氏
株式会社ネオジャパン代表取締役社長齋藤晶議氏

 ネオジャパンのdesknet'sはWebベースのグループウェアだ。同社はASPとしてもアプリケーションを提供しており、これらを含めるとすでに3万件の導入実績を持つ。
 desknet'sはこれまで、データベースを利用しないStandard版とライト版、汎用データベースを用いるEnterprise版という2つのソリューションで展開していた。このうち、Enterprise版は別途、高コストな汎用データベースが必要であり、大企業向けという位置付けだった。しかし、IBMのDB2 Expressをバンドルすることで、中小企業にも十分訴求できる価格帯で製品をリリースすることが可能になったという。
 ラインナップはdesknet's Expressとdesknet's ExExの2つで、同Expressが100~500未満ユーザーまでを対象、同ExExが500~1000ユーザーまでを対象としている。
 DB2バンドルによる効果は価格だけではない。運用・保守・バックアップに対するコストや、基幹システムとの柔軟な連携が可能になり、企業側が導入しやすいソリューションとなる。
 齋藤氏は、「最近になって、Linux+DB2という案件が増えてきています」と言う。特に、中小企業や地方自治体におけるLinuxの導入が急速に進んでいると感じているそうだ。こうした状況は地方に行くほど顕著に現れるという。「エンドユーザーからオープンソースでやりたいという話が出てくるんです」と齋藤氏は続ける。
 中小企業のLinux化が急速に進み、Linux+DB2という組み合わせは、価格的なアドバンテージで訴求しやすいソリューションとなっているようだ。



ビジネスオンライン

ビジネスオンライン株式会社代表取締役藤井博之氏
ビジネスオンライン株式会社代表取締役藤井博之氏

 ビジネスオンラインは、Webアプリケーションであるネットde会計と、ネットde記帳を提供するASPだ。ネットde会計は主に10名以下の中小企業向けのサービスで、会計事務所や商工会などが導入し、所属する会員に提供するローカルASP形態を採る。現在、4000社以上が利用しているという。
 ネットde記帳は、昨年11月に47都道府県の全国商工会連合会の次期記帳システムとして採用された。こうした事業は、IBMの協力のもと展開されている。
 また同社では、Web財務会計システムGlobalanceも手がけている。財務会計システムをWebアプリケーション化することにより、税理士や会計士がインターネット上から財務状況をチェックでき、そのまま決算まで可能となるという。またこうしたWeb財務会計は、営業拠点が全国にまたがるような事業形態に特に適しているそうだ。アプリケーションは本社のサーバに導入し、各営業拠点はインターネットを通じて本社のサーバにアクセスする形態を採る。これにより、運用コストや管理コストを大幅に圧縮することが可能になると藤井氏は言う。
 これらはDB2とWebSphereを用いて構築されており、IBMとの強力な協業体制を窺うことができる。
 藤井氏も、地方ほどLinuxにおけるソリューションに期待を寄せていると感じているという。背景には、地方自治体が積極的にLinuxを導入しているということも影響しているようだ。



テンアートニ

株式会社テンアートニ営業本部エンタープライズプロダクトグループグループマネージャー小野寺章氏
株式会社テンアートニ営業本部エンタープライズプロダクトグループグループマネージャー小野寺章氏

 テンアートニが提供するSteelEye Technology Inc.のLifeKeeperは、HAクラスタリングを実現するためのソフトウェアで、99.99%の稼働率を誇る。Linux用HAクラスタとしては、ほぼデファクトスタンダードになっている製品だ。DB2 ICEでもHAクラスタソフトとして検証し、イベントでもデモを実施している。
 最大の特徴は、JavaベースによるGUI管理ツールと、オプションのアプリケーションリカバリーキット(ARKs)だ。障害検出機能やフェイルオーバー機能を提供し、未対応のアプリケーションについてもGeneric ARKを利用することで容易に対応させることができるという。汎用性の高いHAクラスタであるともいえるだろう。
 ISV Advantage Agreementはアプリケーションソリューション向けのプログラムであるため、LifeKeeperのようなツールについてはプログラムの対象外となる。しかし、Life KeeperはこうしたISVのソリューションにおいて重要な役割を果たしているという。ISVソリューションの可用性において、LifeKeeperが重要な役割を担っているからだ。多くの案件においてLifeKeeperが導入されていると小野寺氏は言う。また、従来のようにデータベースのHA化だけではなく、アプリケーションサーバのHA化も必須になりつつあると小野寺氏は続ける。

 IBMのDB2、WebSphereとISVのソリューション、そしてLifeKeeperを組み合わせたWebアプリケーションはLinux上で検証済みであり、中小企業の業務システムを革新するパワーを秘めているといえるだろう。
 なお、IBMはWebSphereやDB2を始めとする1000以上ものアプリケーションを安価に提供する、developerWorks Toolbox subscriptionも展開し、開発者を支援する。現在このサービスはキャンペーン中で、12月29日までは半額となっている。



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