このページの本文へ

【特別企画】開発者をサポートするIBMのサブスクリプションサービス~IBM developerWorks Toolbox subscription~

2003年12月12日 22時06分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
【画面1】developerWorks Toolbox subscription。ソフトウェアと技術情報をセットにしたサブスクリプションサービスだ。

 大規模な企業内システムやWebサービスといったアプリケーションの開発において、アプリケーションサーバが中核のソフトウェアとなっているのはいうまでもない。RDBMS(Relational DataBase Management System)や基幹システムとの接続をカプセル化することで、ニーズに合ったアプリケーションを短期間に低コストで開発するために必須とされるサーバソフトウェアだ。
 アプリケーションサーバは注目されているだけあって、もっとも競争の激しいソフトウェアでもある。さまざまなベンダーから続々と投入される製品群を見るだけでも、いかにアプリケーションサーバが注目されているかを推して知ることができるだろう。これらの製品は、ほぼJ2EE(Java2 platform Enterprise Edition)を始めとするオープンテクノロジーによって構成されている。
 こうした背景から、アプリケーションサーバに合った開発効率の高い統合開発環境もあわせて求められている。
 とはいえ開発者を悩ませるのは、各ソフトウェアの選択だ。そもそも、アプリケーションサーバや開発ツールは高価なソフトウェアであり、評価用に気軽に購入できる製品ではない。また、顧客や企業内のニーズに合ったアプリケーション開発にそのソフトウェアが適しているかどうか、開発効率が良いかどうかといった点は、実際に製品を使ってみなければなかなかわからないものだ。
 こうした要望に応えるべく登場したのがIBM developerWorks Toolbox subscriptionである。



IBM製品を安価に入手

 日本IBMが6月20日より提供を開始したdeveloperWorks Toolbox subscriptionは、オープンテクノロジー開発者向けに、開発ツールやアプリケーションサーバ、関連ツール、技術情報、developerWorksジャーナルなどをまとめたサブスクリプションサービスだ。このサービスは米IBMで先行して行われていたものだが、日本IBMより提供されるものは、米国におけるサービスに加え、日本語情報と日本語ソフトウェアが含まれる。
 このサービスは、12カ月間のサブスクリプションサービスで、3~4カ月に一度、最新ソフトウェアと技術情報が収録されたCD-ROMと関連ドキュメントが提供される。これには、1000種類以上のIBM製品と技術情報が収録されている。

 たとえば、開発ツールであるWebSphere Studio、アプリケーションサーバであるWebSphere Application Server、データベースサーバであるDB2、メッセージング&コラボレーションツールであるLotusブランド製品、サーバ管理・運用ツールであるTivoliブランド製品などが含まれている。
 これらは通常製品版と同等のもので、ライセンス形態が異なるだけだ(一部、IBMホームページビルダーなどのコンシューマー向け製品には体験版が含まれている)。ライセンス形態は、WebSphere Studioなどの開発ツールはシングルライセンスのみが提供され、実際の開発に利用できるもののプロジェクトチームやグループでの開発には利用できないといった制限がある。サーバソフトウェアは設計・開発・テストには利用できるが、アプリケーション構築後の実データでのテストには利用できないといった制限が課せられている。いずれも技術サポートは利用できない。

 とはいえ、開発ツールを安価に入手できるうえ、高価なサーバソフトウェアなどをアプリケーションの設計段階から利用できるのは十分魅力的だ。
 さらに、すべてのアップデータ、パッチ、ドキュメントなどを含めたオンラインドキュメントカタログへのアクセスと、これらの情報の自動通知サービス(カスタマイズ可能)が利用できる。これらはIBMのWebサイトであるdeveloperWorksにおいて提供される。

サブスクリプションのレベル

 提供されるサブスクリプションサービスには、スターターレベル、プロフェッショナルレベル、エンタープライズレベルの3つが用意されている。
 スターターレベルは、動的なWebサイトやWebサービスの開発、テスト、メンテナンス向けの開発環境である、WebSphere Studio Site Developerと、WebSphere Application Server、DB2、Lotusブランド、Tivoliブランド製品が提供される。このほか、Java関連リソースや、Java独習教材などが含まれている。日本IBMでは、このサブスクリプションレベルはJavaやWebアプリケーション開発に必要なスキルを修得するのに適したものと位置付けている。特に、Java独習教材は日本IBMが独自開発したもので、Webアプリケーションを構築するために必要となるJava言語をすばやく独習することができるものだ。

サブスクリプションレベル。サブスクリプションレベルによって、利用できるソフトウェアや技術情報が異なる

 プロフェッショナルレベルは、スターターレベルのすべての内容に加え、J2EEアプリケーションの開発ツールであるWebSphere Studioの中核となる、WebSphere Studio Application Developerや、Webアプリケーションの実行環境を含めた製品が提供される。さらに、パーベイシブコンピューティングのためのランタイムやツールも提供される。日本IBMでは、このレベルはエンドツーエンドのeビジネスオンデマンドソリューションを作成する開発者向けのサブスクリプションレベルと位置付けている。

 エンタープライズレベルは、プロフェッショナルレベルのすべての内容に加え、J2EEを高度に利用するためのWebSphere Studio Application Developer - Integration Editionと、WebSphere Studio Enterprise Developerが提供される。これらのRAD(Rapid Application Development)ツールは、エンタープライズアプリケーション向けに必須となるソフトウェア製品で、ビジネス統合やアプリケーション連携、eコーマス、トランザクション、Webサイト上のセキュリティ関連のカスタマイズソリューションを提供する。このサブスクリプションレベルは大規模アプリケーション開発とテストに適した、WebSphere、DB2、Lotusブランド、Tivoliブランド製品のフル機能が含まれている。
 なお、サブスクリプションレベルに応じて発行されるIDとパスワードを利用して、最新の情報、ソフトウェア製品をdeveroperWorksよりダウンロードして利用することが可能だ。
 各サブスクリプションの12カ月の税別標準価格は、スターターレベルが5万7100円、プロフェッショナルレベルが25万200円、エンタープライズレベルが47万9千円(いずれも税別)となっている。

【画面2】マスター・カタログ。サブスクリプションレベルに応じて1000以上のソフトウェアと技術情報にアクセスできる。
【画面3】かんたん! Javaで始めるWebアプリ開発。Javaの独習教材も含まれており、エントリーレベルからエンタープライズレベルまでをサポートする。

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード