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シャープ、米トランスメタの新CPU“Efficeon”搭載のMebius MURAMASA『PC-MM2-5NE』を2004年1月2日に発売

2003年12月08日 00時00分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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『PC-MM2-5NE』
“Mebius MURAMASA”『PC-MM2-5NE』

シャープ(株)は8日、東京・市ヶ谷の東京市ヶ谷ビル エルムホールで記者説明会を開催し、米トランスメタ社が10月に発表した低消費電力CPU“Efficeon”TM8600-1GHzを搭載する薄型軽量のB5サブノートパソコン“Mebius MURAMASA(メビウスムラマサ)”『PC-MM2-5NE』を2004年1月2日に発売すると発表した。価格はオープンプライスで、編集部による予想実売価格は18万円前後。なお、同じ本体の企業向けC.T.O.モデル“PC-MM2-1シリーズ”も同時に発表された。こちらも価格はオープンプライスで、編集部による予想実売価格は16~21万円程度。



5つの進化を遂げた新MURAMASA

パソコン・モバイル商品事業部 事業部長の中村 眞氏ら 5つの進化
説明会の出席者。左手前から、情報通信事業本部パソコン・モバイル商品事業部 事業部長の中村 眞氏、商品企画部 主事の青木芳和氏、第1技術部 副参事の田島秀男氏新MURAMASAが遂げた5つの進化

説明会には情報通信事業本部パソコン・モバイル商品事業部 事業部長の中村 眞氏、同商品企画部 主事の青木芳和氏、同第1技術部 副参事の田島秀男氏らが出席し、製品開発の背景や生まれ変わったMURAMASAの特徴などを解説した。

PC-MM2-5NEで利用可能な3つのバッテリー
PC-MM2-5NEで利用可能な3つのバッテリー

中村氏は、「今年から来年にかけて、地上デジタル放送をはじめとしたデジタルAVの流れ、高速化されるモバイルワイヤレス通信環境などが、パソコンをめぐる市場環境を大きく変化させる。これまでにもシャープでは、高精細液晶パネル採用のザウルス『SL-C860』、QVGA液晶搭載の携帯電話、3D液晶パネルを搭載したノートパソコン、屋外に居ながら自宅で録画した番組を視聴できるホームAVサーバー『ガリレオ HG-01S』などを開発・発売してきた。さらにAV志向を強め、1日フルに利用できるモバイルパソコンとして今回、PC-MM2を発表する」と新MURAMASAに強い期待を掛けていることを鮮明にした。

1.8インチHDDと従来の1.8インチHDDの違い
PC-MM2-5NEで新たに採用した1.8インチHDDと、従来(MM1-H6W)の1.8インチHDDの違い

続けて、「PC-MM2は5つの進化を遂げている」と述べ、

・パフォーマンスの向上
同社が測定したベンチマークテスト結果で、TM5800-1GHz搭載の“PC-MM1シリーズ”と比べて約1.4倍の処理性能向上
・バッテリー駆動時間を向上
標準バッテリーで約3.5時間、オプションの中容量バッテリーで約6時間、大容量バッテリーを組み合わせれば約11時間の動作が可能(いずれもJEITA測定法 1.0による同社測定値)
・さらなる軽量化と静粛性
重量は標準バッテリー装着時で約910g、中容量バッテリーと合わせても約990gで1kgを切る。また、HDDは1.8インチの流体軸受けタイプを採用し、静音性向上に貢献
・堅牢製と耐衝撃性の向上
液晶ディスプレーの表示マスクと本体上キャビネット(内側)にアルミニウム合金、液晶カバーと本体下キャビネット(外側)にマグネシウム合金を用いて堅牢性を向上。さらに新採用の1.8インチHDDは従来の1.8インチHDD(ボールベアリングタイプ)に比べて、耐衝撃性を20~50%向上
・ソフトウェアの進化
クレードル(標準添付)の“DirectHDコネクター”(※1)を使って、ほかのパソコンの光ドライブからシステムリカバリーが可能になった

と具体的な数値や機能を挙げながら、新MURAMASA“PC-MM2”の特徴を説明した。

※1 DirectHD 専用ケーブル(外部パソコン側はUSBポートに接続)を使うことで、DirectHD機能搭載パソコンのHDDを外部パソコンから直接読み書き可能にする機能。ファイルの一元管理が可能になる

PC-MM2-5NEの液晶ディスプレーの背面 付属クレードル
PC-MM2-5NEの液晶ディスプレーの背面(天面)。写真は販売検討中のカラーバリエーションモデル(ホワイト、参考展示)付属クレードルにセットしたところ

PC-MM2-5NEの主なスペックは、CPUがNorthBridge(メモリーやバスのコントローラー)機能を併せ持つTM8600-1GHz、チップセット(SouthBridge:HDDやI/Oデバイスなどのコントローラー機能)は台湾ULi Electronics社のM1563M、メモリーはDDR SDRAM256MB(固定、うち24MBをCMS=Code Morphing Softwareが使用)。HDDは約20GB(UltraATA/100)。

キーボード奥の“MOBILEスイッチ”
キーボード奥に設けられた“MOBILEスイッチ”

液晶ディスプレーの手前、キーボード奥に、新たに“MOBILEスイッチ”が設けられ、CPUの平均動作クロックを制限したり、バックライトの輝度を低減する変更がスイッチ1つで行なえるようになった。これにより、動画再生やプレゼンテーションなどのCPUパワーをフルに使う場面と、バッテリー駆動時間の延長を図る場面で、従来より簡単に動作モードの切り替えが行なえる。

左側面 背面 右側面
PC-MM2-5NEの左側面。USBポートとヘッドホン端子、クレードル接続用端子が並ぶPC-MM2-5NEの背面には、専用コネクターによる外部RGB出力端子がある本体右側面には、キーボードの手前側にPCカードスロットとUSB端子が見える

ネットワーク機能は10/100BASE-TX対応EthernetとIEEE 802.11b/g対応無線LANを搭載。拡張スロットはPCカード(TypeII×1)、インターフェースはUSB 2.0×2/アナログRGB出力(専用コネクター、変換ケーブル付き)/オーディオ入出力/クレードル接続用端子を備える。

デザイン面でも変更があり、本体上面のカラーがシルバーからブラックになったほか、液晶ディスプレーと本体を固定するラッチが省略され、「携帯電話のように、使いたいときに気軽に開けて使える」(中村氏)ようになった。

本体サイズと重量は、幅251×奥行き206×高さ19.6(最薄部15.7)mm/約910g、クレードルはMM2の発売に合わせてデザインを変更し、幅110×奥行き247×高さ81mm/約650gとなる。なお、MM2に付属する新型クレードルにMM1を装着して利用することも可能。

プレインストールOSはWindows XP Home Edition SP1a、主なプレインストールアプリケーションは、環境に応じてインターネットへの接続設定を切り替える『ブロードバンドチェンジャーII』、地図ソフト『プロアトラスW2 for SHARP』、バックアップソフト『HD革命/BackUp Lite』など。

ちなみに、会見後のQ&Aですでに開発表明がされている次世代省電力技術“LongRun2”への対応について質問されると、「LongRun2は、CPUとソフトウェアの双方が対応して真価が発揮されると聞いている。MM2のCPUはLongRun2には対応していないが、LongRun2対応CPU(とソフトウェア)が正式に出荷されれば、その時点で(MM2の後継製品に)採用したい。また、ソフトウェアの変更だけでもある程度の効果が確認できる場合には、MM2のユーザーに対してサポートすることも検討している」(中村氏)と答えた。



企業向けの“PC-MM2-1シリーズ”は、PC-MM2-5NEをベースに、OSをWindows XP Home Edition SP1aもしくは同 Professional SP1a、無線LANの内蔵有無、同梱のバッテリーを標準/中容量/大容量という合計24通りの組み合わせから選択できるC.T.O.(カスタムメイド)可能なモデル。


MM2と同時に“和風”インナーケースも登場!!

白 赤 黒
MM2に合わせて発売予定のインナーケース。巾着にはマウスやACアダプターを入れると思われる

なお、PC-MM2-5NEのデザインに合わせて、京都・西陣織などのインナーケースが同社の運営するウェブサイト“シャープスペースタウン PRO工房”で12月下旬より販売される。詳細については同ウェブサイトを参照いただきたい。

白 赤
色違いだけでなく、京都・西陣織のインナーケースも発売予定

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