恵比寿ガーデンプレースに着いたら右手の線路沿いに進むと1分程度で“レベルX”の垂れ幕が見えてくる | レベルXのポスターは任天堂の『ベースボール』をモチーフにしたもの |
東京・恵比寿の恵比寿ガーデンプレース内にある東京都写真美術館の地下1階映像展示室で、今月4日から2004年2月8日まで、“レベルX――ファミコン生誕20周年 テレビゲームの展覧会(必要な事はみんなファミコンに教わった)”が開催されている。主催は東京都/東京都写真美術館/読売新聞東京本社/美術館連絡協議会。アートディレクションは、任天堂(株)のゲームキューブ用動物変態SLGゲーム『動物番長』などでも知られるグラフィックデザイナー松本弦人氏が担当する。入場料は一般250円(団体200円)、学生200円(同160円)、中高生と65歳以上は120円(同100円)、小学生および障害を有する方とその介護者は無料。休館日は毎週月曜日で、第3水曜日は65歳以上が無料(要証明)。
圧倒的なゲームカートリッジの物量を前に
キモチは10ン年前へタイムトリップ
会場に入る手前には12台の最新ゲーム(プレイステーション2、ゲームキューブ、Xbox、ゲームボーイアドバンス)の試遊台が並んでおり、話題の新作ゲームを無料体験できるが、これは展示会場の懐かしいゲームたちを引き立たせる脇役、汁粉に入れる塩のような役目でしかない。
会場には、ガラス張りのショウケースに1200タイトルのファミコンソフト、および国内で販売された主要ゲーム専用機50種類と歴代のファミコン(ボタンが四角くて押し込むと戻らないと評判だった初代機を含む)や対応周辺機器が並び、今年5月31日に惜しまれながらも製造を中止した“新型ファミコン”本体の試遊台(ゲームカートリッジの交換は不可、数日ごとに入れ替えるとのこと)が多数配置されている。
『ファミリーベーシック』と『データレコーダ』。もちろん外部記憶メディアはカセットテープだ | 野村証券の“ファミリートレード”は、10数年前にTV CMが盛んに放映されたので、記憶にある方もおおいだろう | 大和證券の“マイトレード”。当時の大和證券のマスコットキャラクターであるポパイが描かれたカートリッジと数値入力用にテンキーボードが付属している |
ファミコンソフトはすべて正箱入りで、そのイラストやゲームタイトルに懐かしさを覚える人も多いだろう。周辺機器はプログラミング学習向けの“ファミコンロボット”や“ファミリーベーシック”、電話回線を使ってオンライントレードを実現する10数年前には画期的なファミコン用モデム“ファミリートレード”(野村證券(株)の専用カートリッジ付き『通信アダプタセット』)や同“マイトレード”(大和證券(株)の専用カートリッジ付き)など、時代を感じさせるものが並ぶ。
中村光一氏の手書きメモや取材写真など | 田尻智氏が強い影響を受けた『ゼビウス』のアーケード用基板。田尻氏のゼビウス攻略本『1000万点への解法』でゲームにはまった人も多いはず | 宮本茂氏が方眼紙に手書きで起こしたドンキーコングのラフスケッチ。左上は、宮本氏が“ライバルとして意識した”という『ルービックキューブ』 |
また、入り口付近にはコピーライターの糸井重里氏、マリオの生みの親として知られる任天堂の情報開発本部長の宮本茂氏、(株)チュンソフトの代表取締役の中村光一氏など、ゲームで一時代を築いた著名人のデザインメモや影響を受けたゲーム、および自筆の履歴書が出品されており、展示品を通じて人となりが見えるのが面白い。
ゲーム業界の著名人に合計30時間のインタビューを行ない、会場ではその映像を2ヵ所のマルチディスプレー(各5画面)で繰り返し放映している。ゲームクリエイターを目指していると見られる若者が熱心に見入っていた |
なお、レベルXでは将来ゲームクリエイターを目指す方向けにゲーム制作を体験できるワークショップを2004年1月10~11日(小学生向け)、同1月31日~2月1日(中学生以上向け)を予定している。興味がある方は公式ウェブサイトを参照いただきたい。