講演の後は、ThinkPadがデザイン・設計される現場や、製造後に騒音/電磁波の漏えいを測定し、落下や液晶ディスプレーの開閉といった耐久テストが行なわれる“現場”を見学した。
UEDC(ユーザー・エクスペリエンス・デザインセンター)と呼ばれる、ThinkPadの開発・設計部門は、想像以上に明るく開放的な雰囲気で、会議スペースには仕切りがなく、プロジェクターと壁一面のホワイトボードに各デザイナーが考案した製品コンセプトを持ち寄っては、マーカーで意見や改良案を書き加え、具現化していくという。
耐久テストルームは、こじんまりとした部屋の中にロボットのアームがThinkPadの液晶ディスプレーを無言で開閉し続ける台や、工事現場のような音を立ててThinkPadのフタ(本体上面)に繰り返しプレスをかける機械、ThinkPadの8つの角を一定の高さから容赦なく鉄の床に叩き落とす装置が鎮座するなど、ノートパソコンにとってはさながら拷問室の様相だった。
騒音と電磁波の測定は、棟を分けた地下に設備を設けている。これは建物の揺れによる誤差を低減するためで、騒音測定室(半無反響室:床面を除く5面を吸音材で囲っている)は部屋自体を釣り上げることで地震の揺れも伝えないようにしているとのこと。