“モノ作り伝統の復権”、“持つ喜び”を目指した先にあるもの
以前に比べ、2年前の最新マシンでも、今でも決して遅くないなど、パソコンの寿命が長くなっている中、購入したマシンを少しでも長く使いたいと思うユーザーも多いだろう。PCリサイクルの導入なども、そうした状況を後押ししているといえる。
さらに、本機のように価格が35万円(編集部注:2004年4月1日に価格改定され、税込30万4290円に変更されました)ともなれば、そうした思いはより強くなるはず。実際のところは今後の検証が必要だが、“モノ作り伝統”の復権というからには、長く使えるモノを作り、可能な部分は直してもより長く使う、というアプローチもぜひとも検討してもらいたい。
本機の場合、いくらパワーユーザーでも、自らハードディスクをアップグレードといったことは、おそらく困難であるため、将来的にはメーカーとして有償で、そうしたアップグレードのサービスも提供してほしいものだ。
ソニーは、以前からバイオシリーズの登録ユーザーを対象に、“UPGRADE AREA”というウェブサイトで、プリインストールのソフトウェアなどの有償アップグレードを提供してきた。しかし、残念なことに近年はそうしたサービスの対象製品が少なくなっており、新しい機能が欲しければ、ハードウェアが十分対応可能であっても、新しいバイオに買い替えなければならなくなってしまっている。
たとえば、本機にクライアントソフトがプリインストールされている「VAIO Media」を使いたくても、今持っているバイオに、VAIO Mediaのサーバーソフトがプリインストールされていないモデルについては、仮にハードウェアスペックが対応できる機種であっても、サーバーにはなれないのが現実である。実際には、Windows XP搭載で2002年8月以前販売のモデルなのだが、そうした機種でも、「ルームリンク PCNA-MR1」を買えばサーバソフトをインストールできるのだが、ソフトだけを買うことはできないのである。
少々話がそれたが、“モノ作り伝統の復権”、“持つ喜び”を目指す先には、“持つ者”と“モノ”との関係をより長く、よりよいものに保っていくためのサービスも、ぜひ考えてほしいものだ。少々欲張りかもしれないが、そういうサービスを切望するほどに、長くつき合ってみたいマシンだといえるかもしれない。
バイオノート505エクストリーム PCG-X505/SPの主なスペック | |
製品名 | バイオノート505エクストリーム PCG-X505/SP |
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CPU | 超低電圧版Pentium M-1GHz(拡張版インテルSpeedStepテクノロジー搭載) |
チップセット | Intel 855GM |
メモリ(最大) | DDR SDRAM 512MB(最大512MB) |
グラフィックス | チップセット内蔵(メインメモリーを最大64MB共有) |
HDD | 約20GB |
FDD | オプション |
光メディアドライブ | オプション |
スロット | PCカード(TypeII×1、CardBus対応) |
通信 | 無線LAN(IEEE 802.11b/g準拠、PCカード添付)、10/100BASE-TX(ディスプレイ・LANアダプター添付) |
I/O | USB 2.0×4、IEEE1394×1、ヘッドフォン出力×1、バイオ関連製品用電源出力×1 |
サイズ | 259(W)×208(D)×9.7~21(H)mm |
重量 | 約785g |
OS | Windows XP Professional |