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富士フイルム、“スーパーCCDハニカムIV HR”を搭載した縦型コンパクトデジタルカメラ『FinePix F610』と防水防塵加工のデジタルカメラ『BIGJOB HD-1』を発表

2003年11月26日 21時39分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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富士写真フイルム(株)は26日、東京・南青山の本社ビルにおいて記者説明会を開催し、撮像素子(フォトダイオード)を高密度配列した“スーパーCCDハニカムIV HR”を採用した縦型コンパクトデジタルカメラ『FinePix F610(ファインピックス エフ610)』と、防水防塵加工を施したアウトドア向けデジタルカメラの新製品『BIGJOB HD-1(ビッグジョブ エイチディ-1)』を発表した。発売時期はFinePix F610が2004年1月中旬、BIGJOB HD-1は2004年2月上旬。価格はオープンプライスで、編集部による予想実売価格は、F610が6万円前後、HD-1が7万円前後。

内田洋祐氏 電子映像事業部営業部長の青木良和氏(左)と、電子映像事業部営業部技術グループ 主査の平田正文氏(右)
常務執行役員で電子映像事業部長兼プリンピックス事業部長の内田洋祐氏青木良和氏と平田正文氏

説明会には、常務執行役員で電子映像事業部長兼プリンピックス事業部長の内田洋祐(うちだようすけ)氏、電子映像事業部営業部長の青木良和氏、電子映像事業部営業部技術グループ 主査の平田正文氏らが出席し、デジタルカメラ業界の動向や製品の位置づけ、特徴などを説明した。

有効630万画素/記録時1230万画素の 高解像度撮影が可能なコンパクト機

FinePix F610
『FinePix F610』

FinePix F610は、1/1.7インチ有効630万画素のスーパーCCDハニカムIV HRを採用し、最大4048×3040ドット(ハニカム補間利用時)での記録が可能な縦型スタイルのコンパクトデジタルカメラ。S/N比が高い(ノイズが載りにくい)スーパーCCDハニカムIV HRの特性に加えて、信号処理回路をレンズやCCDに合わせて最適化することでB2サイズ(新聞全面大)で印刷してもノイズが少ない出力が可能になったという。

FinePix F610の前面 FinePix F610の背面
FinePix F610の前面FinePix F610の背面

レンズは焦点距離f=7.7~23.1mm(35mmフィルムカメラ換算時:35~105mm相当)の光学3倍ズーム、明るさを示すF値はF2.8~4.9で、絞りは手動切り替えでF8.0まで10段階での調節が可能。撮影距離は標準で約60cm以上、マクロモードでは約9cm~80cm。感度はISO 160/200/400/800相当、シャッター速度は1/2000~3秒。連写機能は最短0.3秒間隔で連続5コマまでで、シャッターボタンを離した瞬間からさかのぼって5コマを記録する“サイクル連写”にも対応する。

動画は、640×480ドット/毎秒30フレームのモノラル音声付きでメモリー容量いっぱいまで連続記録可能。モノラルで1回あたり約30秒間のボイスメモ機能も備える。

背面は、約13万4000画素の1.8インチCGシリコンTFTカラー液晶ディスプレーと撮影設定を表示するドットマトリクス液晶ディスプレーを上下に並べ、詳細設定の変更ボタンはドットマトリクス液晶ディスプレーの下にアイコンごとに配置。また本体を右手でホールドしたときに親指の操作で撮影モードダイヤルや撮影設定を切り替えられるように、右端にボタンを並べるなど、デザイン面でも使い勝手の向上を図っている。

FinePix F610の電池室 FinePix F610のレンズ
FinePix F610の電池室FinePix F610のレンズは最長で本体の厚みと同じくらい伸長する

インターフェースはUSB 1.1とビデオ出力端子を搭載。パソコンを介さずにプリンターに接続して印刷を行なう共通規格“PictBridge”にも対応する。

記録メディアはxDピクチャーカードで、16MBのメディアを1枚付属。バッテリーは専用リチウムイオン充電池(NP-40)で、撮影可能枚数は液晶ディスプレーオン時に約100枚、オフ時で約200枚(同社調べ)。本体サイズと重量は、幅71.9×奥行き31.3×高さ93.0mm/約195g(非装備重量)もしくは約215g(装備重量)。

グローブをはめたままでも操作可能
アウトドア向けの頑丈ボディーデジタルカメラ

BIGJOB HD-1 BIGJOB HD-1の背面
『BIGJOB HD-1』BIGJOB HD-1の背面

BIGJOBシリーズは1998年に第1弾を発売し、このHD-1で5機種目となる。当初は工事/建設現場でのヘビーデューティーな用途が主体だったが、最近はアウトドアスポーツ(スキーや砂浜)での撮影機会も増えたことから、店頭などで積極的に一般ユーザーにも勧めていくという。

HD-1は、撮像素子に1/2.7インチ有効310万画素のスーパーCCDハニカムIV HRを採用し、最大2816×2120ドット(ハニカム補間時)での記録が可能な防水防塵設計のデジタルカメラ。防水機能はJIS保護等級7級を満たし、水洗いや雨天での撮影が可能(水中撮影は不可)という。また、表面は泥などが付いた場合もこびりつきにくく、傷つきにくい“ベロアクロム”加工を施し、グリップ部は缶コーヒーにヒントを得たという太めの円筒状で滑りにくいようにラバー加工を行なったとのこと。

レンズはf=5.7~17.1mm(35mmフィルムカメラ換算時:38~114mm相当)の光学3倍ズームで、明るさを示すF値は2.8~4.8。撮影可能距離は標準で約60cm以上、マクロモードでは約10~80cm(ワイド端のみ)。

BIGJOB HD-1の電池室 BIGJOB HD-1の上面
BIGJOB HD-1の電池室BIGJOB HD-1の上面。グリップが本体より一回り太くなっているのがわかる

背面には約6万画素の1.5インチアモルファスシリコンTFT液晶ディスプレーを搭載。動画は、320×240ドット/毎秒10フレームで連続120秒、もしくは160×120ドット/毎秒10フレームで連続480秒(いずれも音声なし)の撮影が可能。シャッターボタンや撮影モード切替のダイヤルは大型で、作業用の手袋(やスノーグローブなど)をはめたままでも操作が可能になっている。

インターフェースはUSB 1.1(専用コネクター形状)とビデオ出力端子を備え、PictBridgeにも対応する。記録メディアはxDピクチャーカード(16MBメディア1枚が付属)、バッテリーは単3電池2本(アルカリ乾電池/ニッケル水素充電池対応)を利用する。

本体サイズと重量は、幅118.4×奥行き66.8×高さ89.0mm/約385g(非装備時)もしくは約430g(装備時)。

「単なる記録ではなく、
“わくわく感”を感じてほしい」

発表会場での一こま
FinePix F610とBIGJOB HD-1の発表会場での一こま

内田氏は、カメラ映像機器工業会(CIPA)の集計を挙げて、「デジタルカメラの国内出荷は10月までに650万台(対前年比132%)、12月末までに850万台と予想される。海外出荷は2710万台(同199%)で、特に北米や欧州での伸びが目立つ。富士写真フイルムはこの中でシェア15%を維持している」と現況をまとめ、「デジタルカメラは、単に目の前の映像を記録するための機器ではなく、大きく印刷して楽しむなど、使い道が広がってきたと思う。そうなると、撮影するときの被写体に対面する“わくわく感”、いい写真を撮るために工夫する“わくわく感”、撮影結果をほかの人に見せて互いに技を競う“わくわく感”といったものがおのずと生まれてくる。従来は白飛び/黒つぶれしやすかった場面でも高い表現力を発揮する“スーパーCCDハニカムIV SR”を搭載した『FinePix F700』、高い解像力を誇る“スーパーCCDハニカムIV HR”を載せたFinePix F610と製品を揃えたので、デジタルカメラユーザーの皆さんにはこれらを使って“写真を撮る文化”の先導役となってほしい」と新製品への期待感を示した。

なお、BIGJOB HD-1の発売に合わせて、HD-1本体の購入者先着5000名に単3ニッケル水素充電池と急速充電器をプレゼントする“BIGJOBパワーアップキャンペーン”を実施することも発表された。



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