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【最新パーツ性能チェック(Vol.17)】ウルトラ超速報! VIAのデュアルチャネルDDR400チップセット“PT880”の実力診断

2003年11月21日 03時41分更新

文● アスキープラス編集部 野口岳郎

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Intelとの訴訟合戦も和解し、向こう4年間はIntel CPU用チップセットを製造できることになったVIA。8月からはシングルチャネルDDR400チップセット“PT800”を搭載したマザーが販売されているが、いよいよ日本市場のメインストリーム、デュアルチャネルDDR400対応の“PT880”が11月7日に正式発表された。VIAといえば、インテルに先駆けて最新仕様をサポートすることで知られる。

PT800
デュアルチャネル化によるピン数増のためか、ひとまわり大きくなったノースブリッジ“PT880”。サウスのVT8237とは1GB/秒の「Ultra V-Link」で接続される

 Intelとの泥沼の訴訟合戦の最中も、VIAはPentium 4用チップセットを開発、製造し続けてきた。P4X266は、Intelに先駆け世界初のDDR対応チップセットだったのだが、ほとんど販売されることなく終わった。4月に訴訟が片付いたあと、同社はシングルチャネルのP4X400の出荷を再開したが、日本での本格復活は事実上FSB 800MHz対応モデル、PT800からとなっている。
 しかし日本の自作市場ではシングルチャネルはローエンド。メインストリームはやはり、800MHzのFSBの帯域、6.4GB/秒をフルに生かせるデュアルチャネルDDR400である。そこをカバーするのがこの“PT880”。9月のComputex、10月のVIA Technology Forum等で実物が各所で展示されていたが、ついに11月7日、正式な製品発表が行われた。製品登場も間近だろう。
 ここではさっそく入手した動作サンプルで、気になる性能を徹底チェックしていこう。



公式情報がないQBM対応

“PT880”の特徴をざっとまとめると次のようになる。
●FSB 800MHz、HyperThreading対応
●デュアルDDR400対応、DDR266・333にも対応
●サウスブリッジ“VT8237”と、毎秒1GBのバンド幅を持つ高速バス「Ultra V-Link」で接続

このほか、過去のVTFなどにおけるロードマップや、製品の展示からは、
●高速メモリモジュール「QBM」に対応
●デュアルCPUに対応

PT800m
VIA製リファレンスマザー。これでもかとばかりにVIAチップが並ぶ。USB×8、シリアルATA×6、ギガビット&100Base-TのデュアルLAN、EnvyとAC97による計6つのオーディオ端子を装備する

という特徴もあるはずなのだが、今回の製品発表ではこの2点については明記されなかった。原稿執筆時点では、公式のコメントも得られていない。ただ、マザーボード上のディップスイッチには「デュアルCPU」のON/OFFもあるし、過去にデュアルジーオンマザーをVIA自身が展示したこともあるので、少なくともやる気はあると見ていいはずだ。
 期待されたQBMのほうは、ジャンパに関連の設定項目はない。ちなみにQBMとは、米Kentron社による高速メモリモジュールの技術で、DIMM上に設けた2つのメモリバンクの出力を1/4クロックずらすことで、1クロックにつき4回のデータ出力可能にするものだ。DDRでは1クロックにつき2回なので、性能は2倍になる。
 搭載されているモジュールがQBMかどうかをチップセットが自動判別するように設計してあって、ジャンパには設定がないがQBMには対応している、という可能性がないわけではないが、評価用のマザーであれば、そのような重大な機能切り替えはハードウェア(ジャンパ)で確実に行なえる作るほうが自然だ。と考えると、今回は一部の報道にあるように、QBM対応は見送られたのかもしれない。



リファレンスマザーはVIA尽くし

 サンプルを見てまず目につくのは、VIA製チップの多さだ。ノースブリッジの“PT880”、サウスの“VT8237”だけでなく、ギガビットイーサ(VT6210)、100BASE-TのPHY(VT6103)、ENVY 24PT 7.1チャンネルオーディオ(VT1720)、AC97コーデック(VT1616)、シリアルATA RAIDチップ(VT6420)、スーパーI/O(VT1211)と、ちょっと大き目のチップはみんなVIA製という壮観さだ。Edenベースでデジタル家電を作ろうという提案をする一方で、着々とPCのコンポーネントチップの開発、あるいはメーカーの買収を続けてきた成果が現れている。
 リファレンスマザーには、製品版にはないようなびっくりするオプションがよくあるが、このボードは、システムクロックを100、133、166、200から選ぶくらい。上で述べた、デュアルCPUのON/OFFのジャンパがあることが珍しい程度だ。
 なお、このマザーのBIOSでは、AGPとPCIのクロックをFSBと独立に66/33MHzに固定できるようになっていた(80/40MHzも選択できた)。クロックアップ狙いにはありがたい仕様だ。

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