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冬ボーナスの本命!? HDD&DVDレコーダー『PSX』の気になる部分を直撃!――開発者・松岡賢次氏に聞く

2003年11月21日 14時37分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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付属のリモコン
付属のリモコン。TVのチャンネルと録画/再生/停止/早送り/早戻しなどの操作用ボタンが用意されている。色は本体に合わせて白で、○×△□のプレイステーションではおなじみのボタンも用意され、多くのメニューはこの4つとカーソルキーだけで操作できる
[編集部] ビデオ編集機能について教えてください。具体的に本体のみで何ができるのでしょうか?
[松岡氏] シンプルですが、始点/終点を指定して間を削除するカット編集が主な機能で、編集結果はダビング(HDDからDVDへの書き出し)が可能です。
[編集部] 始点/終点の指定はGOP(Group of Pictures:MPEGファイルでの映像管理の単位)でしょうか、フレーム単位でしょうか?
[松岡氏] GOP単位になります。フレーム単位で指定となるとサムネールの数も増えますし、ユーザーの使い勝手も悪くなるだというという判断から、GOP単位での編集にしています。


編集時の画面
編集時の画面。GOP単位でサムネールが並び、カーソルキーで左右に移動して始点/終了点を設定する
[編集部] ダビングの際にビットレートの変換は可能ですか? 録画した映画や連続ドラマを、多少画質は落ちても1枚のDVDに記録したい、という希望は多いと思うのですが。
[松岡氏] それはできませんが、2枚以上に記録する際には“編集の取り消し”機能を使うと便利だと思います。DVDメディアへのダビングの際には1枚に入るかどうかを判定しているのですが、無理な場合にはキリのいい場所から後半をカットして前半のみの映像を作り、DVDに書き込み、その後に“編集の取り消し”を選んで、今度は前半部分のみカットしてダビングする、といった具合です。また、録画予約の際に指定した画質と記録時間でDVD1枚に入るかどうかの警告メッセージが表示される仕組みは持っています。
[編集部] 録画時の設定、特に画質モードごとのビットレートは?
[松岡氏] 具体的な数値は公表していませんが、録画モードは“スゴ録”(ソニーのHDD&DVDレコーダー)と同じ6種類です。チューナーも地上アナログとBSアナログに対応したゴーストリダクション機能付きで、スゴ録と同等になります。



Blu-ray Discのビデオレコーダーの開発を行なっていた松岡氏
PSXの前にはBlu-ray Discのビデオレコーダーの開発を行なっていたという松岡氏

松岡氏は、PSXに関わる前はBlu-ray Discを使った録画機器『BDZ-S77』を手がけていた。そのため、

「AV機器が好きな人の気持ちはよくわかるのですが、PSXでは“分かりにくいもの”はむしろ積極的に落としていく方向で作りこんでいます。PSXのメインターゲットは、現在VHSのビデオデッキを使っている人(AVマニアよりもごく一般のビデオユーザー)なんです。何度も繰り返し同じテープに録画し、撮って見てを繰り返す。その中で、たまに気になったものだけ保存しておくような。他社のDVD&HDDレコーダーもいろいろさわり比べてみましたが、そういった方(PSXのターゲットユーザー)にはいくら便利な機能を詰め込んでも、マニュアルを熟読しないと使えないようでは意味がない。HDD&DVDレコーダーを紹介する記事を読んで、“これって便利そう”と思った時に気軽に購入できる(10万円を切る)価格で、マニュアルも見ないでいきなりリモコンを操作して使ってみて、便利だと感じられる。そこに(PS2の)ゲーム機能や(デジタルカメラの)静止画ビューアーが付いている。それがPSXなんです」
「CEATEC会場ではコンパニオンが操作していましたが、実はあの機材を搬入したのは前日で、彼女たちには当日初めて触ってもらったんです。それでも、初日の昼過ぎには完璧に使いこなせるようになっていた」

と、それまで(BSZ-S77)とはある意味対極に位置するようなPSXの位置づけを、エピソードを交えて明快に語ってくれた。

本体色が白になった理由を尋ねると、

「最近は機械が表に見えるようになりましたよね。昔はTVラックがあって、ビデオデッキは下段のふたの奥に隠れていたけど、今はTVは床に置かれたり、壁掛けになったりして、機械も直接目に付くところに置かれることが多い。そこで、床や壁の色に合う色として白を選びました。デザイン的にカラーバリエーション展開できる形なので、(カラバリも)積極的に考えています。CEATEC会場でも赤/青/黄色/シルバーの4色を並べて人気投票をやってみたのですが、シルバーの人気が高かった。これは欧州で販売したプレイステーション2の限定カラーの上位5色(白を含む)を選んだのです」

と答えた。



本体側面にあるスリットとファン
本体側面にあるスリットとファン。静粛性の高さは特筆モノだった

実機を目の前にして、一番驚いたのは静粛性の高さだ。動作していても、TVやエアコンの動作音が響くだけで、PSX本体からはまったくといっていいほどノイズが漏れてこない。これは、左右に大型のスリット(およびスリットを塞がないためのカバー)を設けて、冷却ファンと空流設計の工夫したため、とのこと。カバーの存在により、壁に密着させても問題なく、手が触れても熱くはない。




オプションのPS2ソフト向けゲームコントローラー
オプションのPS2ソフト向けゲームコントローラー。ケーブルの長さが4mと長めになっており、PS2本体では動作保証対象外となるPSX専用コントローラー。メニュー操作はこのコントローラーだけでも行なえる
[編集部] 最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
[松岡氏] PSXに少しでも興味がある人は、ぜひ一度触ってみてほしい。HDDレコーダーを手に入れると人生観が変わります。販売店にも、“ぜひ実機に触れる状態で展示してください”とお願いしているのですが、遠めから眺めるのではなく使ってみてください。操作性についてはいくら言葉を変えても伝わりにくい。実際にユーザーが振れる部分、GUIやリモコンでの操作の快適さ、気持ちよさに徹底的にこだわりました。

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