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MapFan.net3.5/プロアトラスW2

MapFan.net3.5/プロアトラスW2

2003年11月05日 01時47分更新

文● 薮田 織也

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MapFan.net3.5/プロアトラスW2

インクリメントP/アルプス社

3980円(MapFan.net3.5 パッケージ版)
1万4800円(プロアトラスW2 全国DVD/全国CD)

地図データのダウンロードを高速化したオンライン地図ソフトの代表「MapFan.net3.5」。美しい地図データと情報量の多さに定評のあるオフライン地図ソフトの代表「プロアトラスW2」は、世界地図にも進出?

 現在、パソコンで使える地図ソフトには2つのジャンルがある。それは、インターネットから地図データを随時ダウンロードして表示するオンラインタイプと、パソコンにインストールされた地図データを表示するオフラインタイプだ。前者はインターネットの常時接続が一般化し始めたここ3年くらいのサービス。後者は昔ながらのディスクで提供されるタイプだ。このふたつのジャンルの代表格とも呼べる地図ソフトが、ここで紹介する「MapFan.net3.5」と「プロアトラスW2」。それぞれ、今年6月にバージョンアップされたばかりの新製品だ。

常に最新の地図データが使える
MapFan.net3.5

「MapFan.net3.5」 拡大図付近
画面1 基本的なユーザーインターフェイスと地図エンジンは3.0を流用した「MapFan.net3.5」。今回の目玉はブロードバンド用に地図データの転送スピードを向上させたことだ。拡大図付近をVGAサイズでトリミングしたところ。

 オンラインタイプの地図ソフトの代表格といえば、インクリメントPが提供する「MapFan.net」だ。MapFan.netシリーズは、専用の地図ブラウザをPCにインストールして、地図データはインターネットから随時ダウンロードして使う。ダウンロードとはいってもユーザーが地図を見るたびに手作業でするわけではなく、地図ブラウザが勝手に行ってくれるのだ。そうしてダウンロードされた地図データはハードディスクに貯められるので、一度表示した地図データはインターネットから切断しても再度表示できる。オンラインタイプ地図ソフトの最大のメリットは、常に最新の地図データを表示できること。次に、オンラインタイプは見たい地域の地図データだけがダウンロードされるわけだから、ハードディスクの残り容量がわずかなノートパソコンでも十分に活用できることだ。

MapFan.net3.5のユーザー登録
画面3 MapFan.net3.5は、年額3200円で購入するアクセスキーとパスワードを入力してはじめて地図が表示できる。パッケージ版にはアクセスキーが初めから付いている。

常時接続による連続リクエストで
より速く快適になった

 新製品のMapFan.net3.5は、2002年秋にリリースされたバージョン3.0をベースにしたもので、ユーザーインターフェイスは基本的に変更されていない。また目新しい機能の追加もない。では何が変わったのかというと、ADSLやFTTHなどのブロードバンド用に、地図の表示スピードが向上していることが一番にあげられる。MapFan.netの環境設定で「常時接続」と「ダイヤルアップ接続」が選べるようになっているのだが、常時接続に設定することで地図データがブロードバンド用に最適化されるのだという。もう少し詳しく説明しよう。MapFan.netはベクトルの地図データを四角いブロックに分けて転送する方式を採用している。従来ではひとつの地図ブロックを表示するためにサーバに送出する1リクエストに対して、リターンが返るまでは次のリクエストを送出していなかったのだが、環境設定を「常時接続」にすると、リターンを無視して画面表示分の全リクエストをサーバに送出する仕組みに変わる。単純な変更であり、回線の帯域が広くなったからこそやれる方式で、劇的な速度向上とはいえないが、少しでも速く快適になるなら大いに歓迎すべき改良だ。私はMapFan.netのバージョン1からのユーザーで、すべてのバージョンをダウンロードして使ってきたが、確かにバージョン3.01から比べて表示速度が若干速くなったことが実感できた。オンラインタイプの地図ソフトは、ユーザーの通信環境が良ければ大変便利なソフトであり、悪ければこの上なく使えないソフトにもなるので、日々進歩する通信インフラにあわせて改良を続けているインクリメントP社の姿勢は評価できる。

地図コントローラとスライダ
画面4 地図を8方向に動かす「地図コントローラ」と、縮尺率を変更するスライダ。そして常時接続にはあまり関係ないが回線接続のオン、オフを切り替えるスイッチ。

無線スポット検索と
「駅すぱあと」に連携

ルート探索機能
画面5 細かな設定はできないし車専用だが、十分に使えるMapFan.netのルート探索機能。

 新機能と呼べるほどのものでもないが、MapFan.net3.5の検索機能に、急増する「無線スポット」を検索する項目が加わった。無線スポットとは、外出先でも無線LANによるインターネット接続ができるサービスで、パソコンはもちろんPDAなどでも利用できる。この無線スポットの検索には、インプレス社が提供する無線スポットデータベースが使われている。さらに、ヴァル研究所の「駅すぱあと」と連携ができるようになり、駅すぱあとの駅周辺図がMapFan.netで表示できるようになっている。



年間利用料3200円
バージョンアップは無料

無線スポット検索
画面6 検索機能に、無線LANが使える無線スポットを検索する項目が追加された。

 オンラインタイプの地図ソフトのもうひとつの特徴は、1年単位の利用料を支払っていれば、新バージョンへの乗り換えは無料という点だ。MapFan.netの場合、年間利用料が3200円(ダウンロード購入)。地図ブラウザのバージョンアップは小刻みにあって常に改良されてきた。つまり、地図データはもちろんアプリケーションも頻繁に更新されるわけだ。バージョンアップの方法も簡単で、Windowsのアップデートと変わらない。

 年間利用料の3200円の価値をどう捉えるかは個人の主観にもよるにしても、パッケージ販売されているオフライン地図ソフトの約1/4程度の金額である。つまり、オフライン地図ソフトを購入するお金があれば、MapFan.netは4年間使い続けるられるということになる。それも常に最新の地図データでだ。



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