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DDIポケット、CF型AirH”とCFスロット搭載型無線LANカードのセット販売を開始

2003年10月24日 22時24分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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ディーディーアイポケット(株)は23日、通信事業に関する記者説明会を開き、データ通信サービス“AirH””対応のCF型通信カードとCFスロット搭載の無線LANアダプターのパッケージ製品『W-AHWL01』などを発表した。

AH-H403CをWN-B11/CMB-DPに装着 AH-H403CとWN-B11/CMB-DP
AH-H403CをWN-B11/CMB-DPに装着DDIポケット取締役 経営企画本部長の喜久川 正樹氏いわく、WN-B11/CMB-DPからAH-H403Cがパカっと外れる機構は「“サンダーバード2号”(SF人形劇に登場する乗り物)に似ている」という

W-AHWL01は、2003年7月に発売されたCF型データ通信カード『AH-H403C』と、CFスロットを搭載したPCカード(Type II)タイプの無線LANアダプター『WN-B11/CMB-DP』をセットにした製品。AH-H403Cは本多エレクトロン(株)が、WN-B11/CMB-DPは(株)アイ・オー・データ機器が開発しており、AH-H403Cは単体で今年7月から販売されている。

WN-B11/CMB-DPは、単体で無線LANカード(IEEE 802.11b準拠)として、さらにCF型通信カード(対応機種は後述)をPCカードスロットに装着するアダプターとしても使える製品。同梱の接続ユーティリティーソフトを使い、通信環境に応じて無線LAN通信かPHS通信か接続方法を切り替えられる。無線チップセットはGlobespan Virata Prism 3.0を採用し、無線用の暗号方式WEP(64/128bit)に対応する。無線LANアクセスポイント経由で有線ネットワーク(社内LANやインターネット)にアクセスする“Infrastructureモード”と、無線LANカードを装着したパソコン同士でネットワークを構成する“Ad hocモード”に対応する。

電源電圧は3.3Vで、IEEE 802.11bの場合の最大消費電力は最大1.5W。本体サイズは幅54×奥行き107×14mm(アンテナ部含む)、重量は37g。対応機種はCardBusスロットを備えたPC/AT互換機、PC98-NX。対応OSはWindows XP/Me/98。対応CF型通信カードはDDIポケットのAH-H403C『AH-H401C』『AH-S405C』『RH2000P』『CEF-02』。W-AHWL01の発売日は11月10日で、価格はオープンプライス。 なお、I・Oデータ機器広報によると、WN-B11/CMB-DP単体での販売も検討中という。

AH-H403C、WN-B11/CMB-DPをパソコンに装着同梱の接続ユーティリティーソフトを使い、ユーザーは無線LAN通信かPHS通信か接続方法を切り替えることができる


準定額制料金コースの月額基本料金を改定

さらにDDIポケットは、128kbpsのパケット通信などを月25時間まで定額で利用できる料金コース“ネット25”の月額基本料金を改定し、従来より400円安い5800円とすると同日発表した。月額基本料金が15%割引きになる年間割引きも用意する。

またAirH”と、DDIポケットが提携するインターネットサービスプロバイダー(ISP)のブロードバンド接続サービス(ADSL/FTTHなど)をセットで利用するユーザーを対象に、AirH”の月額基本料金が15%割引きになる“A&B割(エービーワリ)”を用意する。提携ISPは、“DION”“OCN”“ODN”“BIGLOBE”“So-net”“ぷらら”など合計20サービスで、提携先は順次増やす予定という。

これらの新料金と新割引きサービスは、11月1日より適用される。

A&B割導入で提携するISP
A&B割導入で提携するISP


2003年度末~2004年度上期の取り組み

記者発表会では、DDIポケット取締役 経営企画本部長の喜久川正樹氏が、2003年度(2003年4月~2004年3月)末~2004年度上期の取り組みなどを紹介した。9月の実績を基にした、法人/個人、データ通信/音声通話別の加入実績は以下のとおり。2004年度上期までの加入数の目標は、全体で現在290万回線のところ300万回線。法人ユーザー(データ通信/音声通話)は100万回線、AirH”ユーザーは100万回線という。

法人/データ通信(拡大傾向)
加入数:60万回線
ARPU(※1):5200円
解約率:1%後半
法人/音声通話(微増傾向)
加入数:30万回線
ARPU:6300円
解約率:1%後半
個人/データ通信(拡大傾向が若干鈍化)
加入数:90万回線
ARPU:5200円
解約率:2%後半
個人/音声通話(減少傾向)
加入数:120万回線
ARPU:4300円
解約率:3%前半
※1 ARPU(Average monthly Revenue Per Unit):1契約あたりの月間平均収入

取締役 経営企画本部長の喜久川 正樹氏取締役 経営企画本部長の喜久川 正樹氏

DDIポケット全体としては加入者微減・減収増益傾向にあり、喜久川氏が挙げた増収増益に転換するための課題は、(1)法人の普及促進、(2)鈍化してきた個人データの伸びを再活性、(3)個人を中心とした音声減少傾向の歯止め――の3つ。2003年度末~2004年度上期にかけて、(1)AirH”の基本性能の向上と全国の人口カバー率の拡大、(2)営業体制の強化など法人マーケットの拡大、(3)A&B割導入のようなブロードバンドユーザーへの訴求、(4)パソコン/PDA/デジカメ/家電など機器に応じた料金設定を可能にする“機器認証プラットホーム”の実現などを行なう。

特にAirH”については、全国の人口カバー率を95.36%(2002年度末は93.57%)まで拡大することを目標にしている。また、特定の基地局にトラフィックが集中して通信速度が低下するという都心部で見られる現象を緩和するために、トラフィックが周辺の基地局に分散するよう基地局のアルゴリズムを変更し、さらに基地局を増設(2003年度中に1000局)することを計画している。そのほか、同社のインターネット接続サービス“PRIN(プリン)”やDIONで導入されているデータ圧縮技術を、12月中旬以降、ほかのISPを契約してるユーザーが利用できるように改良する。

基地局のアルゴリズムを変更 大手町での定点観測
トラフィックが周辺の基地局に分散するよう基地局のアルゴリズムを変更基地局のアルゴリズムの変更や基地局の増設は、現在進行中。DDIポケットの観測によると、東京・大手町交差点付近では、対策前の2月には20kbpsだった通信速度が、対策後の9月には97kbpsになったという

そのほか記者説明会では将来的な目標として、

  1. 現状128kbpsの通信速度を256kbpsにまで高速化すること
  2. データ通信/音声通話ともNTTグループの交換局を経由せずに基地局からIP網に直接トラフィックを流す新装置の導入
  3. LANのインターフェース採用する屋内エリア用超小型/低コスト基地局の開発

――を挙げた。特に(1)については、2004年度以降実現できるよう準備中と、時期の目安が示された。

『大容量基地局8本アンテナ』256kbpsの通信サービスに関連して紹介された『大容量基地局8本アンテナ』

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