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サムズプラス 7.0J

サムズプラス 7.0J

2003年10月22日 00時00分更新

文● 伊藤 裕也

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サムズプラス 7.0J

ビレッジセンター

1万2800円(パッケージ版)
8900円(オンライン版)

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 デジタルカメラは撮影した画像をその場で確認でき、不要なデータは即座に消去できる便利なアイテムだ。特に最近は500万画素以上の超高画質モデルでも5万円前後から入手できるので、旅のお供や運動会へ、さまざまなイベントに携行している方も多いだろう。

 そんなデジタルカメラを活用していて気になるのが、撮影した画像ファイルの管理。画像のファイル名は一般に撮影した順にナンバリングされているだけで、そのままでは管理が難しい。そこで役に立つのが画像管理ソフトだ。

 ビレッジセンター「サムズプラス」は、米Cerious Softwareが開発した画像管理ソフト。エクスプローラライクのユーザーインターフェイスを持ち、さまざまなファイルフォーマットの画像ファイルをサムネイル表示でき、ファイルにキーワードやメモを、さらに必要に応じてユーザー独自の項目(フィールド)を追加してデータベース管理できる。構築した画像管理データベースはAccessと互換性があり、Accessからデータベースを参照することも可能だ。管理機能だけでなくフォトレタッチ機能なども搭載し、多機能画像管理データベースとして知られている。



「サムズプラス 7.0J」のメイン画面
画面1 「サムズプラス 7.0J」のメイン画面。名前のとおりサムネイル表示の画像一覧と、ファイル管理を行なうツリー表示のフォルダ、選択した画像の詳細情報などをタブ管理した3分割の小画面(ペイン)で構成される。

 そのサムズプラスが2年ぶりにバージョンアップ、「サムズプラス 7.0J」となった。今回のバージョンアップでは「編集ツールの強化」「ユーザーインターフェイスの拡張」「対応フォーマットの増加」「オンラインアルバムサイト対応」など、新機能・機能強化点は多岐に渡る。ここでは、その中でも特に注目したい点を中心に触れていこう。

強化された画像編集機能

 サムズプラス 7.0Jで特に注目したいのは、「アンドゥ・リドゥの拡張」「ルーペ機能の搭載」をはじめとする、強化された画像ファイルの編集機能だ。

 アンドゥ・リドゥの拡張とは、回数制限なしに画像編集のやり直しができるというもの。厳密にはアンドゥ・リドゥの回数はメモリ容量に依存するが、メモリ256MB搭載のPCでテストして数十回以上のアンドゥ・リドゥが可能で実使用上困ることはない。失敗やミスはついうっかりとしてしまうモノだけに、なにかと重宝する。

ルーペツールを使ったところ
画面2 イメージの一部を拡大表示できるルーペ機能。画面の倍率は200倍を指定している。なお、このルーペではグリッド表示もユーザーの指定により対応可能だ。

 ルーペ機能は、画像ファイルにマウスカーソルを置くと、その周辺をカーソル横に小さなウィンドウで拡大表示する機能だ。表示倍率は100/200/400/800%の4種類で、倍率の変更はショートカットキーですばやく行える。画像ファイル全体を見ながら、注目部分のフォーカスを確認したいときなどに大変便利だ。

 ほかにも「モザイク」「ポスター化」「オイルペインティング」などのフィルタ機能や、2つの画像から類似性を比較計算する“比較機能”を搭載するなど、従来より表現力が向上している。



標準 モザイク
標準モザイク
ポスター化 オイルペインティング
ポスター化オイルペインティング
画面3 サムズプラス 7.0Jで新たに搭載されたイメージフィルタの一例。

 こうした新機能により、イメージの編集・加工機能は大幅に向上した。ただし、一部のフィルタ適用時に設定したパラメータによる違いがプレビュー画面に自動的に適応されない(アンドゥ/リドゥを繰り返す必要がある)など、やや不便に感じる部分もあった。フォトレタッチ機能の強化だけでなく、こうした細部での使い勝手の向上も期待したい。

フォルダへのアクセスがより簡単に
拡張されたユーザーインターフェイス

 サムズプラスの顔であるユーザーインターフェイスは、一見したところ従来から変化がないようだが、「デスクトップ」や「マイドキュメント」「フォント」といったWindowsのエクスプローラと同様、システムフォルダにも簡単にアクセスできるようになった。同時に、それらのよく使うフォルダに即ジャンプできるタブを「ロケーションバー」として追加し、素早くアクセスできるように支援している。細かい点ではあるが、この機能拡張によりフォルダ(特にマイドキュメント)へのアクセスはぐんと容易になった。

拡張されたツリーのリスト
画面4 拡張されたツリーのリスト。ツリーのトップレベルにデスクトップなどの項目が追加されているのがポイントだ。ツリーの上部には、ロケーションバーやパスを入力するエリアが配置されている。

 また、今回からフォルダのパスを表示・入力するフィールドをツリー表示エリアの上部に追加している(エクスプローラと同様のインターフェイスになった)。このフィールドはドロップダウンリストになっており、過去に参照したフォルダ(パスヒストリ)の一覧を表示可能だ。一覧からパスを指定すれば、もちろんそのパスのフォルダへと即座にジャンプできる。これにより複数フォルダをまたいで画像を管理している場合も目的のファイルにアクセスしやすくなった。

 今回のバージョンで新たにサポートしたファイルフォーマットは高い圧縮率が特徴のJPEG 2000と、各種ファクス方式やデジタルカメラメーカー独自の画像フォーマットなどで、デジタルカメラの独自フォーマットについてはニコン「NEF」、オリンパス「ORF」、ミノルタ「MRW」、コダック「DCR」を追加している。

オンラインフォト機能
画面5 管理・編集した画像をインターネット経由でオンラインアルバムサイトにアップロードする“オンラインフォト機能”。

 このほか、国内外のオンラインアルバムサイトに画像ファイルをアップロードする機能の搭載や一連の操作を登録して自動実行するバッチ機能の強化など、さまざまな部分で改良・強化が行われている。


 価格はパッケージ版が1万2800円で、オンライン版は8900円(30日間有効な体験版をダウンロード後にベクター・プロレジでオンライン決済)。ホームユースが前提の画像管理ソフトは実売5000円程度と低価格化が進んでいる。だが、サムズプラスはAccessとの連携も考慮した強力な画像管理データベース機能がウリだ。豊富な画像編集や画像管理機能はホームユースだけでなくビジネスユースにも対応できるなど、価格差以上の魅力がサムズプラスにはある。大量の画像ファイルの管理に閉口しているユーザーには、魅力ある選択肢のひとつとなるだろう。


サムズプラス 7.0Jの主なスペック
製品名 サムズプラス 7.0J
対応OS Windows 98/Me/NT 4.0/2000/XP
CPU Pentium-100MHz以上(Pentium II以上を推奨)
HDD 30MB以上

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