コクヨ(株)は14日、都内で記者説明会を開催し、子供から年配の方まで誰にも使いやすいというユニバーサルデザイン(UD)コンセプトの光学式ワイヤレスマウス『ザ・フィットマウス<手の匠>』を10月25日に発売すると発表した。コクヨと(株)アーベルの共同開発による製品で、価格はオープンプライス。編集部による予想実売価格は6000円程度。左右ボタンとスクロールホイールの3ボタン方式で、本体色はパールホワイト/シルバー/ブラック/レッドの4色。
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ITコミュニケーションカンパニー カンパニー長の笠松喜代次氏(中央)ら |
発表会には、ITコミュニケーションカンパニー カンパニー長の笠松喜代次氏、同 マーケティング部長の小山 勝典氏、マーケティング部の上田敬人氏らが出席し、開発の背景などを説明した。
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『ザ・フィットマウス<手の匠>』のパールホワイトモデル。受信部のカラーリングも合わせている | ザ・フィットマウスのシルバーモデル | |
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ザ・フィットマウスのブラックモデル | ザ・フィットマウスのレッドモデル。いずれもマウス本体の下部はシルバーメタリックになっている |
笠松氏は、「コクヨはファニチャー(家具)/ステーショナリー(文具)の分野で、3年ほど前からユニバーサルデザインへの取り組みを進めていたが、ITコミュニケーションカンパニー(旧OAサプライ)では遅れていた。カンパニーの最重要テーマである“商品力の拡充”“顧客への提供価値を最大化する”ことで、製品の差別化を図るためにも、UDへの取り組みが急務と考えた。他社はエルゴノミクス(人間工学)の観点から製品開発を進めているようだが、UDへの取り組みでは他社に先駆けることができるだろう」とUDコンセプトのマウス開発に至った背景を説明した。
マウスに注目した理由について、小山氏は「パソコン環境の普及によりアフターマーケット(買い替え市場)が広がった。試算では1年間で105億円、400万個が売れていると見込んでいる」と話す。
開発には
- 現在のマウスの評価・調査
- 問題点の抽出
- 第1弾 形状モックの作成
- ユーザーヒアリング
- 第2弾形状モックの形成
- ユーザーヒアリング(2回目)
- 最終形状モック作成
というプロセスを経ており、ユーザーヒアリングは10~70代の一般の方と手指障害者の方(医療関係者やマウスを頻繁に使うデザイナーを含む)合計30名に実施。“手にフィットする”という感想が多かったため、製品名にも“フィット”を入れたとのこと。
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側面から見たところ。親指と薬指、小指で本体を包むようにホールドできる | 裏面を見たところ。写真ではわからないが、赤いLEDの明滅が見える |
主な特徴は、通常のマウスに比べてホールド部分を高くし(高さ48mm)、手首を載せる“リストパッド”をマウスと一体化、左右対称の本体デザインを採用、など。この独特のデザインにより、マウスを指先ではなく手全体で動かすことになり、指への負担(疲労)を低減するという。
分解能は800dpiで、ワイヤレス伝送方式はRF式(27MHz周波数帯の2ch使用、ID256切り替え)で、パソコンに接続する受信部はUSBとPS/2の2つを同梱。電源は単4電池2本で、電池稼働時間は約1.5ヵ月(1日8時間使用での理論値)。ワイヤレス動作可能な距離は見通しで約1m。
本体サイズは、マウス本体が幅51×奥行き113×高さ48mm、リストパッドの設置面は幅112×奥行き148mm、受信部は幅29×奥行き94×高さ18mm。対応OSはWindows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP、Mac OS 8.6以降、Mac OS X。なお、Windows 95/NT 4.0ではホイール機能が動作せず、Mac OSでは1ボタンマウスとして動作する。
