【CEATEC JAPAN 2003 Vol.8】携帯電話用アプリ開発のコンソーシアムを設立! SH-Mobileは動画キャプチャー機能を強化――ルネサス
2003年10月10日 21時36分更新
おもちゃのブロックを使った、『M16C』と『MISYT』を組み合わせた防犯システム。扉が開くと自動的にPDAに泥棒のアニメーションが表示され、警報が鳴る、というデモンストレーション |
今年4月に、(株)日立製作所と三菱電機(株)のシステムLSI事業を分社・合併して誕生した(株)ルネサス テクノロジは、携帯電話用プロセッサー“SH-Mobileシリーズ”や、16bitマイコン“M16C”に独自の暗号化技術“MISTY”を組み込んだ防犯・通報システムなど、両社がこれまで培ってきた技術や製品の展示が多かった。まだ合併から間もないこともあり、各製品の型番には三菱電機系の“M”、日立製作所系の“H(もしくはSH)”が付けられているが、「今後は両社の技術が融合した製品が登場する」(説明員)とのこと。
“SH-Mobileシリーズ”のロードマップ |
ブースの中央の特等席を占めているのが、携帯電話に利用されているアプリケーションプロセッサー“SH-Mobileシリーズ”で、掲示されているロードマップは7月の無線通信・携帯電話関連機器の総合展示会“WIRELESS JAPAN 2003”の時から大きな変更はないが、MPEG-4動画の再生やMPEG-4を使ったTV電話のデモンストレーションをサンプルボード(開発キット)上で行なうなど、動画の取り込み/再生技術を強化した『SH-MobileV』のメリットを大きくアピールしていた。
『SH-MobileV2』でのMPEG-4動画再生デモ | SH-MobileV2でのMPEG-4によるTV電話デモ |
なお、2004年4月に量産予定という『SH-MobileV2』(133MHz駆動)では動画処理性能が、CIF(352×288ドット)サイズで毎秒30フレームのデコード(再生)、同じく毎秒15フレームのエンコード(記録)を実現。加えて、現在はソフトウェアベースで描画している3D CGをハードウェアアクセラレーションする機能も搭載予定だという。
次々世代の『SH-MobileV3』は最大400MHz駆動可能だが、発熱や消費電力を考慮して実際には216MHz程度で駆動し、動画処理性能は記録/再生ともにCIFで毎秒30フレーム、QVGAサイズでは録画時に毎秒15フレーム(再生は30フレーム)を実現できる予定、と説明している。
韓国の携帯電話で利用されているソフトウェア実行の3D API“G3D”を使ったデモンストレーション。将来はこれがハードウェアアクセラレーションでよりスムーズに動くという |
なお、ルネサス テクノロジではCEATEC開催の直前(今月2日)に、SH-Mobileを使った携帯電話向けのアプリケーション/コンテンツ開発者に向けて、開発関連情報やロードマップの提供、開発環境の貸し出し、情報交換などを行なう協議会“SH-Mobileコンソーシアム”(会員登録制)を設立すると発表した。会場では来場者(デベロッパー)に向けて、こちらへの参加登録を呼びかけていた。