ホール5の左半分からホール8までは、半導体や電子部品などを展示するデバイスゾーンになっている。ここは、今後登場する製品に搭載される予定の新技術が目覚めのときを待っているCEATEC会場の裏の魅力的なスペースでもある。ホール7の入り口近くにブースを構えた東芝では、手のひらサイズの小型燃料電池や200mWの高出力青紫色半導体レーザーなど、今後の製品化が楽しみな新デバイスが出展されている。
“モバイル機器用小型燃料電池”。オレンジの部分がメタノール燃料を収めたカートリッジ |
折りたたみ携帯電話とほぼ同サイズで、出力1Wの“モバイル機器用小型燃料電池”は、メタノール燃料を化学反応させることで、直接電気(と水)を取り出すダイレクトメタノール型の燃料電池。容積は140cm3、重さは130gで燃料カートリッジは100%メタノール25mlとなっている。出力は20Whで1W(5V/0.2A)を約20時間供給可能という。製品化は2005年度を目指しており、当面の用途は携帯電話やPDAなど低消費電力デバイスへの充電などになりそう、とのこと。
“青紫色半導体レーザー” |
もうひとつの注目が、次世代DVDなどへの応用が期待される青紫色半導体レーザー。従来は30mW程度の出力しか得られず、2層式では2層目に高速な書き込みが難しいとされていた。東芝の説明員によると、このGaN(窒化ガリウム)系半導体レーザーは、発信波長が400nm帯で200mWを達成できたという。製品化は数年後の見込み。