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ロジクール代表取締役社長に聞く、日本市場の製品戦略とは?

2003年10月03日 22時53分更新

文● 編集部 小板謙次

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パソコンの周辺機器のなかで最も馴染み深いマウス・キーボードだが、この分野でトップの認知度を誇るのが米Logitech社だ。今回は同社日本法人の株式会社ロジ クール代表取締役社長・青柳マテウ氏に製品戦略・今後の展開などについてインタビューを行なった。

[編集部] 貴社のマウスは認知度が高く、量販店でもよく見かけます。ライバルはマイクロソフトですか?
代表取締役社長・青柳マテウ氏
代表取締役社長・青柳マテウ氏
[青柳] マイクロソフトは弊社と同じポジショニングをとっていると思います。マイクロソフトはキーボードとマウスに関してもハイエンドのコードレス製品、そしてキーボードのセット商品も出しています。技術的にも同じマーケットにフォーカスしていると言えます。しかし、マイクロソフトだけじゃないですね。マイクロソフトもそうですし、エレコムさん、他の企業さんもかなりの技術と品質に関して進んでいます。日本のマーケットは一番難しいと思います。アメリカの市場ではマイクロソフトが一番の競合になりますね。
[編集部] 日本市場での課題は何ですか?


『MX310 オプティカルマウス』(MX-310BK)
『MX310 オプティカルマウス』(MX-310BK)
『MX310 オプティカルマウス』(MX-310BK)
『MX-700』
[青柳] 売り上げを今の3倍にもっていくことが当面のミッション。そのなかでウェブカメラとゲーム関連の部分の売上を上げていかなければと思ってます。そして、マウスの分野ではマウス=MXシリーズ=ハイエンド製品ということで、ブランドイメージをもっと強くだしていきたいと考えています 。
[編集部] ウェブカメラとゲームの分野ではライバルがいますか?
[青柳] ウェブカメラのシェアは55%あります。ユニット単位では50%おさえていますが、マーケットが大きくなるとライバルがでてくるでしょうね。今後は通信キャリアとの連携が必要です。
[編集部] 単純な質問ですが、貴社の戦略商品となっているのはマウスなんでしょうか


『QV-700N』はノートPCなどに取り付けるクリップとレンズキャップを内蔵。すべて折りたためば一体になり持ち運びに便利なデザイン
[青柳] 弊社ではインターフェースとなる機器を販売していますから、ベースにマウスやキーボードというものがあって、次の戦略商品が成り立つと考えています。たとえば、プレステ用のキーボードであるとかブロードバンド関連のカメラなんかもそうです。つまり、大きく言って3つのビジネスがあるんですよ。第1にマウス・キーボードを中心としたコントロールデバイス、第2にゲーム用コン トロールデバイス、ソニーのプレステやPCゲームのインターフェース(エンタテイン メント関連)製品、 そして第3にカメラ。今は、マウス・キーボードから他のインターフェースの部分にマーケットを広げている最中ですね。周辺機器のエキスパートでありたいと考えています


12月発売予定のPlayStation2対応『GT FORCE Pro』
12月発売予定のPlayStation2対応『GT FORCE Pro』
[編集部] 新しいマーケットはゲーム関連ということですか?
[青柳] ゲームとは言い切れないでしょうね。ブロードバンドの部分になっていくと考えています。そのひとつとしてカメラがある。
[編集部] 現在、ウェブカメラ『Qcam Messenger』やコンパクトな『QV-700NHS』などが販売されていますが、カメラ関係の製品は長いんでしょうか?
[青柳] 本格的にはじめたのは一昨年のWindows XPのラウンチの時になりますね。マイクロソフトと連携をとりながら販売していきました。同じスタイルとしてGTフォースがあります。
『Qcam for Notebooks Pro』(QV-700)
[編集部] カメラの得意先は法人になりますか?
[青柳] 今後は、テレビ会議など法人にもフォーカスしていきたいと考えています。ただ、日本ではテレビ電話で自分の顔を見せたくないという意識が働いていることも確かですので、そこをどう処理していくかが課題となりそうです。
[編集部] マウスの話しに戻りますが、Opticalとワイヤレスの次はどんな製品がでてくるんでしょうか?
[青柳] 話題になっているのはBluetooth。それなりにソリューションのひとつとなれるように開発を進めています。年内をめどに出す予定です。しかし、Bluetoothの技術を搭載したとしても、ほかの製品とのソリューションが成り立たなければステップアップしていけないですよね。もっとチップの値段がこなれてくる必要があります。あとは、それらを含めた無線の技術ですね。例えばプレステ用のコードレス製品ですが、このようなものは非常に開発が難しいんです。データをどのように効率的に圧縮するか、そして伝達させていくか?皆さんが思っている以上に難しいです。
[編集部] 貴社ではR&Dにどれくらいをかけているのでしょうか?
[青柳] 予算の約5%を投資しています。ひとつの例としては『io DigitalPen』という製品があります。アノト(Anoto)社の技術をつかったインプットデバイスですね。細かいドットが打ってある用紙を使うことで画像データとして認識する製品です。このような技術からBluetoothなどの研究までをロマネル(スイス)で行なっています。マウスの光学センサーも、随分と汎用品が出回っているようなんですが、私どもはアジレント・テクノロジー社と共同開発しています。汎用品を購入するのではなくて、アジレントとロジクール独自のエンジン=センサーを共同開発しています。

※秋葉原の情報を発信するウェブサイトのAkiba2GO!では、ロジクールのウェブカメラ『QV-700NHS』のプレゼントを予定している。詳細は近日掲載予定だ。



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