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dynabook SS S7/290LNKW

dynabook SS S7/290LNKW

2003年09月05日 01時16分更新

文● 鈴木 雅暢

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dynabook SS S7/290LNKW

東芝

オープンプライス(実売価格:23万円前後)

東芝の「dynabook SS S7」は、ジャストA4のボディを極限まで薄くして操作性と携帯性を高いレベルで両立したスリムノートだ。従来モデルの欠点を一掃した完成度の高い1台に仕上がっている。

東芝は2003年夏モデルとして、CPUを高速化した「dynabook S8」を発売している。

3Dゲームも楽しめる モバイルノート

dynabook SS S7/290LNKW
dynabook SS S7/290LNKW

 同社マーケティング戦略の関係上、ブランドネームが「DynaBook SS」から「dynabook SS」へ変わったが、最薄部14.9mmという自慢のスリムさは本機でも健在だ。最も厚みのある本体後部は19.1mmと、先代モデルにあたる「DynaBook SS S6」から0.7mm薄くなり、重量も100g軽い1.09kgまで軽量化された。

 携帯性はもちろん文句なし。ちょっと厚めのファイルケースを抱えているよりもよほど身軽に感じるほどだ。それでいて、19mmピッチで統一した使いやすいキーボードを備えている。ストロークは1.7mmと浅いが、クリック感はしっかりとある。入力環境の快適さは、1kgクラスのモバイルノートの中では群を抜くものだ。

背面&右側面
写真1 インターフェイスはIEEE1394を搭載しないなど充実しているとは言いがたいが、背面のUSBポートがUSB 2.0に対応したこともあり、さほど不足は感じない。

 内部のアーキテクチャーは従来機から大きな変貌を遂げており、先代モデルで超低電圧版のMobile PentiumIII-M 866MHz(TDP 10.1W)とCyber ALLADDiN-Tを採用していたCPUとチップセットは、それぞれ超低電圧版Pentium M -900MHz(TDP 7W)と855PMへ改められた。グラフィックス機能もCyber ALLADiN-T内蔵コアからDirectX 8.1対応のTrident製最新チップXP4 m32LPへとグレードアップし、一般的な3Dゲームが問題なく楽しめるだけのパフォーマンスを獲得している。このチップは32MBのビデオメモリ込みの最大消費電力が4.5Wと、省電力性にも優れる。

 従来機が抱えていたスペックの弱点がことごとく解消されている点も注目に値する。従来はメインメモリの増設スロットが独自仕様であったために、標準の256MBを超えるメモリを搭載する場合は割高な専用規格のモジュールを購入しなければならなかったが、本機では一般的なSO-DIMMの増設スロットを搭載したため、増設しやすくなっている。また、1.8インチという小型のHDDを搭載する関係から30GBにとどまっていたHDD容量も40GBに増量され、2.5インチHDDを採用する他社のモバイルノートブックPCにも大きく見劣りしなくなった。

左側面
写真2 パームレストの左手下部分に1.8インチのHDDを内蔵する。左側面にはSDメモリーカードスロット(MMCには非対応)のみがある。先代モデルが装備していたCFスロットは省かれた。

 このほか、S6からの変更点としては、ACアダプタの小型軽量化、無線LANのアンテナを液晶上部に移動することよる感度のアップ、さらに液晶ラッチがボタン式からスライド式に変わり、片手でもスムースに開けられるようになっている。HDDをパスワードて保護する機能やSDメモリーカードを認証鍵とするSD Token機能が追加されるなど、セキュリティ面も強化されている。

 バッテリの駆動時間は公称値で約2.5時間。標準添付の大容量バッテリを利用すれば重量は1.42kgにアップするが、8.1時間の駆動が可能となる。


 これまでのDynaBook SSシリーズはモバイル機として大変魅力的ではあったが、同時に極端な薄型化を実現したために制約が多く、無視できない不満点もいくつか抱えていた。本機はこれらの不満点を一掃しつつ、性能面でも大きな向上を果たしている。これまでの同シリーズとは別格の存在感をもつモバイルPCに成長したといえる。

dynabook SS S7/290LNKWの主なスペック
製品名 dynabook SS S7/290LNKW
CPU 超低電圧版Pentium M-900MHz
チップセット Intel 855PM
メモリ(最大) DDR SDRAM(PC2100) 256MB(最大768MB)
液晶/解像度 12.1型低温ポリシリコン/1024×768ドット
グラフィックス Trident XP4 m32LP(32MB)
HDD 40GB
FDD なし(オプション、USB外付け)
光メディアドライブ なし(オプション)
スロット PCカード(TypeII×1)、SDメモリーカード
通信 無線LAN(IEEE802.11b)、10/100BASE-TX、56kbps
I/O USB 2.0×4、外部ディスプレイ端子
バッテリ駆動時間 約2.5時間
サイズ(W×D×H) 286×229×14.9~19.8mm
重量 1.09kg
OS Windows XP Professional SP1

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