このページの本文へ

ソニーマーケティング、さらに進化した新生“AIBO”『ERS-7』が登場――新しいおもちゃ“AIBOne”が付属

2003年09月04日 17時21分更新

文● 編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ソニーマーケティング(株)は4日、エンターテインメントロボット“AIBO(アイボ)”の新製品として、5代目となる『ERS-7』を発売すると発表した。価格は18万5000円。27日に受注を開始する。出荷開始は11月初旬の予定。

『ERS-7』
エンターテインメントロボット“AIBO”『ERS-7』

『ERS-7』は、1999年に発売された初代の“ERS-110”、音声認識が可能になった“ERS-210”、普及価格モデルの“ERS-310”、近未来的デザインの“ERS-220”に続く5代目となる犬型のエンターテイメントロボット。従来のAIBOと異なり、“ハイヤング”から“アクティブシニア”まで幅広い年齢層をターゲットにするのが特徴。本体は、未来感のあるデザインを採用しながらも、全体に丸みを帯びた有機的な形状を採用しており、正面から見た頭部も従来機種より本物の犬に近い印象となっている。モーターやギアボックスなどの見えない駆動部分に新たに“サイレントサーボシステム”を採用し、従来機種より大幅に静粛性が向上しただけでなく、動きも滑らかでスムーズとなった。また、胸部に“胸距離センサー”を搭載したことで、足元の段差や障害物の感知が従来より精確になったという。

背中
『ERS-7』の背面

■“多彩な表現力”“画像認識能力の向上”“個性豊かな成長”がキーワード

『ERS-7』では、“多彩な表現力”、“画像認識能力の向上”、“個性豊かな成長”の3つが特に強化された。

“多彩な表現力”では、ミラーコーティングされた頭部の顔面に内蔵された28個のLEDで感情や状態を表わす“イリュームフェイス”を搭載する。これは、白/赤/青/緑の4色の多階層表現によるアニメーションを利用して喜びや悲しみなどの感情を表現する機能で、たとえば、喜んでいるときは緑色に光るようになっている。目に相当する部分のLEDは動作モードの表示にもなっており、ゲームモードではピンク色に光ったり、ひと休みしているときは緑色に光ったりする。頭と背中のセンサーには新たに静電タッチ方式のものを採用し、LEDでライティングするようになった。センサーに触れたことを感知してセンサーの周囲が光るようになっている。サウンドの再生機能では、64和音の音源ICを採用し、再生できる音が豊かになったほか、腹部に“バスレフスピーカー”を搭載したことで、奥行きのある音声の再生が可能になった。モーションコンテンツも新しくなり、“アシンメトリー”な動作を多く取り入れることで、より生命体に近い自然な動きを再現したという。

アクセサリー
付属するアクセサリー。手前にあるのが“AIBOカード”

“画像認識能力の向上”では、映像認識機能“ビジュアルパターン認識”を新たに搭載した。これは、付属の“AIBOカード”をAIBOに見せることで、メッセージ(コマンド)を伝えるもので、AIBOカードには、“ダンス”や“写真撮影”など計15枚が用意されている。自己充電機能も強化され、ステーションポールのビジュアルパターンを画像認識し、ステーションとの位置関係を判断できるようになったため、充電までの時間が短縮されたという。

■新しいおもちゃ“AIBOne(アイボーン)”が登場

遊び道具として“ピンクボール”のほか、新しいおもちゃ“AIBOne(アイボーン)”が用意される。これは両端にピンクの模様が入った白いダンベル形状の骨を模したもので、AIBOが床に置かれたアイボーンを認識し、口にくわえて運んだり、転がしたりして遊ぶことができるようになった。

アイボーン
アイボーンをくわえたアイボ

“個性豊かな成長”では、AIBOは専用の“AIBO-ware”と呼ばれるソフトを利用して機能を拡張できるようになっているが、ERS-7には『AIBOマインド』が付属する。これにより、オーナーとのコミュニケーションや生活環境からさまざまな情報を収集して学習し、みずからの判断で自律行動するように成長する。おもちゃの遊び方も、アイボーンを見つけてもすぐに近寄らなかったり、くわえようとしているときに突然隠したりすると怒ったしぐさをしたりといったように、経験を積むことで変わっていく。さらに、インターネットを利用して、“ソニースタイル AIBOショップ”から“カスタムデータ”をダウンロードすることで、専用ゲームコンテンツやサウンドを追加するといったカスタマイズも可能(価格は未定で、12月から提供予定)。また、『AIBOマインド』のバージョンアップにより、経験値やオーナーの声などのAIBOの記憶を継承しながら機能拡張できるようになるという(バージョンアップの方法や価格は未定で、2004年春以降の予定)。

発売と同時に、ERS-7対応のソフトウェア開発キット『OPEN-R SDK』の提供を“OPEN-R SDK Webサイト”でダウンロードにより開始する(正式版は2004年2月に予定)。また、10月下旬からは、携帯電話機『ムーバ SO505i』専用のiアプリ『AIBO EYES Watch for ERS-7』を、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(株)のケータイ電話メーカーサイト“SO@Planet”で提供する(情報料は無料)。このiアプリは、AIBOメールを送らないときは、ERS-7をモチーフにした待ち受け時計になるという。

■無線LAN機能を標準搭載し、動作時間約1.5時間

『ERS-7の』CPUは動作周波数が576MHzの64bit RISCプロセッサーで、メインメモリーは64MBのSDRAMを搭載し、プログラムの格納にはAIBO専用メモリースティックを利用する。可動部は、口(1個所)、頭部(3個所)、耳(1×2個所)、尻尾(1個所)、脚(3個所×4脚)の計20個所。画像入力用のイメージセンサーは35万画素のCMOSタイプを鼻先に搭載し、ステレオマイクも内蔵する。本体には、赤外線距離センサー(頭部/胸部)、加速度センサー、振動センサー、静電タッチセンサー(頭部/背中)、あごセンサー、肉球センサーを内蔵する。インターフェースは、メモリースティックスロット、充電端子、無線LAN(IEEE 802.11b準拠/Wi-Fi認定取得済み)を搭載。これまでオプションで提供していた“IEEE 802.11b”準拠の無線LAN機能が標準で搭載されたことで、無線LAN機能を利用して、AIBOにコマンドを送ったり、AIBOのカメラで撮影した画像をパソコンで見たりできるようになっている。本体サイズは幅180×奥行き278×高さ278mm、重量は約1.6kg(バッテリー/メモリースティック込み)。電源はリチウムイオンバッテリーパックで、消費電力は約7W(標準モード時)。約1.5時間の動作が可能。充電時間は約2.5時間。

製品パッケージはオールインワンとなっており、AIBO専用メモリースティック“AIBOマインド”、エナジーステーション(自己充電キットを含む)、AIBOカード、AIBOne、ピンクボール、リチウムイオンバッテリーパック、ACアダプター、ユーザーガイド(CD-ROMを含む)が同梱される。

オプションとして、リチウムイオンバッテリーパック『ERA-7B1』が同時発売される。本体に付属するものと同等で、価格は9000円。また、3年間の無償修理サービスを受けられる“AIBO愛護プラン”も提供する。ERS-7用サービス申し込み価格は1万7800円。

■オンラインショップでは購入エントリーの受け付けを開始

販売は従来同様、“ソニースタイル AIBOショップ”、電話(TEL.0570-008811、携帯電話/PHSからはTEL.03-5470-0666)、量販店や百貨店などの販売店で行なう。ソニースタイルではアクセスの集中を避けるため、同日(4日)から“エントリー”を受け付け、エントリーした購入希望者から購入の案内をしていくという。

同社では、発売を記念して、デビューイベント“AIBO EXPO'03 ~新生AIBOデビュー~”を27・28日に東京と大阪で同時開催する。場所は、東京が銀座ソニービル 8階のソミドホールで、大阪が心斎橋ソニータワーの3階。時間は11時から19時まで。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン