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東芝、プラズマ&液晶パネル採用の大画面薄型テレビ“beautiful face”4製品を発表――Ethernetポートを標準搭載

2003年09月03日 21時02分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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(株)東芝は3日、都内で記者説明会を開催し、PDP(プラズマディスプレーパネル)を採用した42インチの大画面薄型テレビ『プラズマ beautiful “face”(ビューティフルフェイス) 42P4000』、液晶パネルを採用した37/32/26インチの大画面薄型テレビ『液晶 beautiful “face” 37L4000』『同 32L4000』『同 26L4000』の4製品を発表した。価格はいずれもオープンプライスで、発売時期は42P4000/32L4000/26L4000が10月8日、37L4000は10月22日。編集部による予想実売価格は、42P4000と37L4000が75万円程度、32L4000が55万円程度、26L4000が45万円程度。

Ethernetポートを標準装備し
パソコンや『RD-XS31』とも連携可能!!

『プラズマ beautiful “face” 42P4000』 『液晶 beautiful “face” 37L4000』『32L4000』『26L4000』
『プラズマ beautiful “face” 42P4000』『液晶 beautiful “face” 37L4000』『32L4000』『26L4000』

今回発表された4製品は、いずれも現行の地上波(アナログ)/BSデジタル/110度CSデジタル放送に加えて、今年12月に東名阪地域で開始される地上デジタル放送に対応(ソフトウェアアップグレードで対応予定)したチューナーを内蔵する、ハイビジョン対応の大画面薄型テレビ。チューナーは、地上波がVHF/UHF(13~62ch)/CATV(C13~C38)、BS/CSデジタルはデータ放送やラジオ放送にも対応。本体にはEthernetポートを標準搭載し、同社のHDD&DVDレコーダー『RD-XS31』やパソコンで電子番組表(iEPG)を利用しての録画予約が行なえるほか、2004年2月以降にインターネット経由で東芝のサーバーにアクセスしてソフトウェアのダウンロード(ウェブブラウザー機能の追加など)が可能。

“face デジタルプラットフォーム”
高画質化を図った新しい映像処理回路“face デジタルプラットフォーム”

プラズマ/液晶パネルの特性に応じて高画質化を図った新しい映像処理回路“face デジタルプラットフォーム”を設計・搭載したもの4機種共通の特徴。face デジタルプラットフォームでは、入力信号を最初にA/D変換してからデジタル信号のままゴーストリダクションや3D Y/C分離などの高画質化処理/解像度変換/プログレッシブ化などの映像処理を行ない、デジタル信号として出力/表示にいたるため、ノイズの影響を受けにくい。さらに、

魔方陣アルゴリズム
画素ひとつひとつをランダムに高速点灯することで中間階調(グラデーション)を滑らかに表現する技術
リアルスピード・プログレッシブ
インターレース方式の映像(アナログ地上波の“525i”やハイビジョン放送の“1125i”など)をプログレッシブ化する際に、複数のアルゴリズムを組み合わせて算出した結果から最適なものを選択して表示する技術
622万画素オーバーサンプリング・スケーラー
入力信号よりテレビ側の表示解像度が高い場合に、最大2880×2160ドットでオーバーサンプリングし、その映像から折り返しノイズ(モアレ)の除去を行なって、表示解像度にあわせたスケーリング(縮小)を行なう技術

といった新技術や、従来のfaceシリーズで培った高画質化のための技術である、“ダイナミック コントラスト エンハンサー”(シーン全体の明るさ/暗さに応じてコントラストを調整し、白とびや黒つぶれを減らす機能)、“デジタルエンハンサー”(明るさや色の変化を検出して、輪郭をシャープにしたり、色を鮮やかに見せる機能)、などを利用して、高画質化を図ったという。

舞台の両サイドから外人モデルの女性が現れて、幕に手をかける 颯爽と登場したbeautiful face
記者説明会の模様。舞台の両サイドから外人モデルの女性が現れて、幕に手をかける白幕の向こうから颯爽と、beautiful face4製品が登場する
女性モデルとbeautiful face 女性モデルとbeautiful faceの撮影会
42インチの大画面テレビ(卓上スタンド付き)は女性の身長(見た目で175cmくらい)の半分ほどになる説明会の途中で、製品を写真撮影する時間が設けられたのだが、もっぱらモデルさんに向かってフラッシュがたかれているような気がした

オーディオ機能は、42P4000/37L4000/32L4000が6.1chのワイドサラウンドシステム(センタースピーカーは別売)、26L4000は6chのワイドサラウンドに対応する。出力は左右が10W+10W、センターも10W。

入出力端子は、Ethernetポートのほかデジタル入出力用にIEEE 1394×2、AV入出力としてD4入力×2、コンポジットビデオ入力×5、S-VIDEO入力×4、デジタル放送録画用出力端子×1、オーディオ出力端子(光デジタル含む)、ヘッドホン端子、副画面用イヤホン端子、および有料放送を視聴するためのB-CASカードスロットを装備。デジタルカメラなどの画像データを読み込むための、スマートメディア/SDメモリーカード/MMC/メモリースティック用スロットも搭載する。なお、付属の赤外線リモコン“デジタルスマートリモコン”は、初期状態では地上アナログ放送が割り当てられている1~12の主操作ボタンと、衛星放送を割り当てた副操作ボタンの機能を、ユーザーの視聴習慣に応じて入れ替えられるデュアルポジションシステムを採用する。

本体サイズと重量は、42P4000が幅1318×奥行き124×高さ698mm(本体のみ)もしくは幅1318×奥行き330×高さ802mm(卓上スタンド付き)/47.4kg(本体のみ)もしくは63.1kg(卓上スタンド含む)、37L4000が幅1180×奥行き146×高さ627mm(本体のみ)もしくは幅1180×奥行き355×高さ745mm(卓上スタンド付き)/37.2kg(本体のみ)もしくは48.4kg(卓上スタンド含む)、32L4000が幅1064×奥行き151×高さ606mm(本体のみ)もしくは幅1064×奥行き355×高さ713mm(卓上スタンド付き)/33.0kg(本体のみ)もしくは44.2kg(卓上スタンド含む)、26L4000は幅820×奥行き137×高さ472mm(本体のみ)もしくは幅820×奥行き315×高さ547mm(卓上スタンド付き)/21.7kg(本体のみ)もしくは29.9kg(卓上スタンド含む)。消費電力は順に、403W(リモコン待機時0.65W)、202W(0.55W)、199W(0.55W)、154W(0.55W)。

「40型テレビにも液晶パネルの採用を検討する」

CTV事業部事業部長の江原一夫氏 CTV商品部長 恩田貴弘氏ら
デジタルメディアネットワーク社 CTV事業部事業部長 江原一夫氏説明会の最後に行なわれたQ&Aセッションの模様。壇上に並ぶのは左から、CTV国内営業部販売企画担当グループ長の鶴 秀成(つる ひでなり)氏、CTV事業部事業部長の江原一夫氏、CTV商品部長の恩田貴弘(おんだ たかひろ)氏、CTV商品部参事 銭谷健造(ぜにや けんぞう)氏

発表会には、デジタルメディアネットワーク社 CTV事業部事業部長の江原一夫(えはら かずお)氏らが出席し、東芝の薄型大画面テレビ事業への取り組みについて説明した。「地上デジタル放送は日本で12月1日に3大広域圏(関東/中京/近畿)で開始されるほか、北米、欧州の英国やドイツ(ベルリン)、中国、韓国やオーストラリアなど、全世界的にインフラ整備が進んでいる。この製品群(薄型大画面テレビ)は全世界で同時投入する」と市場性の高さを紹介。大型の液晶/プラズマパネルを他社からの購入・調達している東芝の強みは、「液晶/プラズマパネルの表示画質を最大限引き出すための映像信号処理LSIの設計・開発」にあると説明した。実際、記者の質問に答える形で「液晶/プラズマパネルと映像信号処理LSIを同じ会社で開発しているところは1社しかなく、大型パネル用のLSIについては東芝ともう1社が2頭体制を築いている」と同社の強みをアピールした。

また、液晶/プラズマパネルの採用製品のすみわけについては、「2003年度中は37インチクラスまでが液晶ディスプレー、42インチはコストパフォーマンスの点からPDPと使い分けていくが、液晶パネルも急速に大型化が進んでおり、2004年度は40インチの液晶パネル採用製品も規格検討する」と述べた。東芝では薄型大画面テレビ事業を拡大する具体的な目標数値を、「2003年度末に日本でシェア15%、2005年度までに日本国内および全世界でシェア20%達成」としている。

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